気象予報士があすは初雪がちらつくでしょう という
   案の定 夜になって狂いはじめた もがりぶえ
                (野良猫の気配か)
          近所の飼い犬が吠えたて ....
こうもり傘へ秒刻のようにおちてくる雨のなか
    わくら葉を踏み踏みアベニューを歩く
   十メートル近い木々の幹は雨路をつくり
        なんと そこでながしている
         ....
惰性的な円グラフよりも
    もっと見栄えのしないのは
       妥協的な帯線グラフです

妥協的な帯線グラフより
    もっと見苦しいのは
       安逸的な棒線グラフです
 ....
               じつをいうと

わたしはつねづねなにかをねがっているんです
            そうして ひなたは
          うつるんですが・・・・

わたしは ....
     一日中降り止まない 冬の霧雨
       窓からながめる 庭の裸木
その梢は 水玉をつくっては幹から根へと
         ネクターを注いでいる
           そして そ ....
宵の口 月のひかりがナイターのように
   丘のひだまで浮きあがらせている

ラムネの玉になった眼球はレムのうずき
あぶらがきれた関節はゼンマイのきしみ

     それでもおらにはわから ....
      くすんだ街の屋根瓦を舐めまわす冬陽

   デビルの酌で酔っ払うプロムナードの枯れ葉

      祖母ゆずりの猫背に鞭をいれる空っ風

 温厚であってほしい地球に恐るおそるノ ....
    鉛色の空には黄疸の冬陽が宙吊りになっている
     丘のうえには十階建ての団地が陣どっている

そして時折団塊の世代とおぼしきかげが蟻のように蠢く
     それはまるで巨大なニンゲ ....
永劫の「時空」を甘受しているかように
          風雨に耐えながら
        並木の根元で寄り添い
          やがて大地に帰る
            枯れ葉たちょ
 ....
     太陽が丹前の雲をぬぐうようにして
       南まどのガラスを黄色に染める
    きょうは北風のご機嫌がいいのだろう
   プロムナードの並木のかげもあざやかだ
         ....
              きのうは
      「時」から「空」へ昇った
          そして きょうは
      「空」から「時」へ降りた

と この他愛ないドグマを呟いた とき ....
庭木のゼブラ ストライプを投影したかとおもったら
坂道をくだる自転車並みのはやさで
あすの天気を翻訳している落日
(まるで同時通訳者みたいだ)

垣根には野良猫が隠れていそうな しずけさ
 ....
         宅地がいつのまにか更地になり
     売地の立て看板が寂しそうに立てられた
                    そして
            まもなく枯れ尾花が群生
 ....
  (眠れぬ夜に向って)
    おもいだせない
やまぶきいろのepigram
メモしておけばよかった
    でも期待しよう
 いつか浮上するんだと
 ときいろのバルーンが

念ずれ ....
いま生きているんぢゃない
 老いぼれただけだ
  老いぼれただけぢゃない
   恵まれているんだ
    恵まれているだけぢゃない
     赦されているんだ
      赦されているだけ ....
    エンゼルのはしごが 西空から降りています
   マリンパークの ブルーサンビーチにむかって
              まるで雲の展示会です

               舵もなく  ....
        わびしい丘はひだのはずれから
 パノラマもなくプロムナードを伸ばしています
        やまぶきいろのかぜに撫でられ
      ときいろの日差しになぐさめられて
     ....
  ひとむかし前まで聞けたとおもいます
土間の片隅で マツムシやコオロギのねが
それが いまは裏庭に出ないと聞けません
       しかも弱々しげにしか----
  (いくら沈潜してしまった ....
        秋霖が泣き止んだ 翌日
 こんどは替わって 松籟が狂ったように
     やしろの森をゆさぶりはじめた
      白い季節はすぐそこに・・・

       寡黙になって老 ....
   エンゼルの深呼吸で みどりを愛撫される
           プロムナードの並木たち
キューピットのなみだで 錆と砂埃を洗浄される
               公園の遊具たち
     ....
            赤い季節に地中から生まれた
はがねいろの声は途絶えて・・・

           枕もとの灯かりが目を醒ますと
ベッドは無情のかげをみごもっていた

肩を切るそこ ....
      生まれ故郷の空からながれてきた
         いとおしい猫背の千切れ雲
    まさしく透明な四次元の放物線もまた
       こうしたかぜとひかりのなかで
   あの最果て ....
     草いきれの匂いにまみれる赤い季節
         脳血管が強制的に拡張され
      夏負けは夏バテへと追い込まれる
    孤独なプロムナードも焼きついたまま 
        ....
ナンセンスな静けさをはらんでいる
           真夏の夜に
     睡魔がennuiをさげすむ

 UFOは隕石の放物線を追いかけて
  にびいろのしっぽを振り続ける
  この地 ....
田舎まちに転居して別々の日だが 初めてわたしは見た
     大通りのど真ん中で 車のいけにえとなった
                  殿様蛙の煎餅と
             野鳩のむごた ....
        マリンパークのなぎさで
      ニンゲンが甲羅干ししている
          つつじが丘のひだで
       屋根瓦も甲羅干ししている
               と ....
 みどりの雑草に縁どりされている
       プロムナードの路肩
    ネックレスのあでやかさで

  ねこぜのかげはさまよっている
        アベニューの路面
       蜉 ....
          黒い太陽が投げつけている
     スライダーに似せたにびいろの雲影を
             つつじが丘のひだと
            八幡の森のぼんぼりに
     ....
    末期の梅雨がけたたましく叩きつけている
   ベランダの庇ににびいろをしたアイロニーを
            むしむしする夜のとばり
   その沈潜のなかで机により添おうとしている
 ....
ことしはまだ梅雨明けの宣言がない
そのさなかにあって
不透明な吃音で
 ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
冬ざれの唄自由詩306/12/29 21:09
訣別自由詩106/12/27 8:37
自画像自由詩406/12/24 15:21
独善自由詩306/12/23 21:19
生理日自由詩106/12/16 21:37
迷走自由詩206/12/12 10:14
エチュード(十)自由詩2*06/12/7 11:28
EPILOGUE(8)自由詩306/12/5 15:30
DOGMA(4)自由詩306/12/2 22:36
ENNUI(1)自由詩206/11/30 16:23
手を出して掴まんとすれば自由詩1*06/11/28 22:04
冬の声(七)自由詩106/11/26 11:54
ひかりの雫(二十)自由詩106/11/14 23:39
幻視の花びら(十四)自由詩206/11/10 22:36
白内障の手術を終えて自由詩206/11/9 21:37
零落(八)自由詩106/10/28 11:54
esquisse(9)自由詩406/10/23 22:46
夜の鏡自由詩106/10/11 21:32
黒い波紋(十八)自由詩106/10/4 11:07
此岸のざわめき自由詩106/9/30 19:14
黒い波紋(十七)自由詩106/9/26 14:43
初秋自由詩206/9/17 20:18
ひかりの雫(十六)自由詩206/9/5 13:44
黒い軋み(六)自由詩106/8/27 15:27
黒い軋み(十六)自由詩106/8/21 22:54
旧盆自由詩206/8/15 15:00
黒い波紋(十二)自由詩206/8/3 10:09
赤い季節(七)自由詩406/8/1 9:52
迷路(十九)自由詩106/7/27 11:48
大暑-2006/7/23-自由詩206/7/26 11:48

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