若さには
    演繹があるだろうが
老いには
    帰納がありはしまいか

神だとか 永劫だ とかを
    のどもとに貼りつけたまま
感謝と幸せの二言でまとめあげている

百歳 ....
いぃねぇ
    煙り雲がだるま雲になったょ
そぅだねぇ 
     入道雲になるかもね
やさしい 夕立だといいんだがねぇ
    
一円だまの竹トンボも うれしそうだょ
    そうだ ....
はしゃいではいない
      だべってもいない 街なか
どうしたわけか
      申し合わせたように
町内が一斉に半旗を出している
   不幸・不運のそれらしき気配もないのに

そん ....
人工湖に仕立てられた
   用水池から漏れだしている
名前だけは一人前の川がある
   堤防にそよぎはあるものの
せせらぎはない
    はぜのかげもない

それでも むかしのおらのよう ....
電柱の蛍光灯は黄なく 痙攣している
物売りの笛が 硬直するなかで

アベニューの水銀灯は白く 動揺している
いとおしい片蔭が 逍遥するなかで

あてにならない「骨」の呻きごえ
  あてに ....
本格始動した蝉しぐれが
午睡の怠惰を誘う
  あちらの世界の あのひとが
  つきまとうのも 忘れさせて
 
「時」にこだましている
    リグレットの呪文
「空」に映っている
   ....
ガタガタとトラックが通った

    スイスイと乗用車も通った

        ヨタヨタとひとかげも通った

フラフラとものかげだけは消えた
    いとおしげに・・・・・

ダイ ....
公園のブランコ脇で
  おさなごが泣いている
おとなとちがって
   大声で泣いている
わがままだろうと けんかだろうと
    そこに罪はない

公園は森影のベンチで
  若者同志が ....
地球儀をまわしながら見てみて
よりによって
かげの短小な日本列島のプレートが
ヒステリーをひきおこしたんだょ

ウラノスに見放されたんか
ポセイドンのご加護はなかったんか
哀れだね かな ....
ステンドグラスの厳かな光によって
綿埃の浮遊がみえるのに
ライブの結露は消えている

カルマの酷な風にあやつられて
エロスの逍遥があったのに
タナトスのサインは消えずにいる

いま そ ....
風が騒ぎだし 光が狂いだす
 音は逃げ出し 声はずつき始める
夢の饗宴には まだらの白黒幕が張られ
おらはその隅っこでうずくまる 
   眼をとじ耳をふさぎ美酒も呑めずに
そのうえ 硬化した ....
公園の広場で 黄いろく飛び交っている
「もう いぃかい」
「まぁーだだょ」

おらもかくれんぼに加わる
「もういい かい」
「まだまだだよ」

(生涯の隠れ場所が探しかねて)


 ....
スライドする「時」にも
    リボルブする「空」にも
おかまいなく アベニューの
しらはえに欣喜乱舞する 子雀たち
それは
   (余命を知ってか知らずか)
血の意図を発露するに真剣な
 ....
名ばかりな小公園の
一角の砂場にできていた。
こどもたちが 遊びでつくった
なだらかな丘と
       干上がったみずうみがー
(どんなゆめを描いていたのだろう)

それを眺めて
老 ....
「時」は戸惑っているのに
  「空」は踊り狂っている
「音」は気持ちがいいのに
  「声」は気根が欠けている

そこは閑静と言うより
   寂寥と言うほうがふさわしい街通り
一台の車が・ ....
痛々しいカルマのヘドロで
    埋めつくされた胸のぬかるみに
重々しいリグレットが渦巻き
    不気味にフェードインする
        ギロチンの陰影があった

そして あぁ なんと ....
              冬陽が
   僅かばかりの優しさを取り戻し
      熊手に化けていた庭木の
          かげをほぐして
       梢の関節に施し始めた
      ....
ぶりょうに甘んじている 昼さがり
盲目のトルソは連発し始めた
  邪「気」のなまあくびを・・・・

(なんということだ) 

「血」の経絡と

      「水」の脈路は撹乱され

 ....
枯れ葉はいやゃいやゃと呟いて
       庭隅ですねている
   ボレアスがねちっこく
       幽冥へ誘惑するので

トルソは待てょ待てょと囁いて
       海坊主にすり寄って ....
冬将軍の「喝」におどおどしながら
    朝は白い挨拶で
     昼は黄ない騒音で
      夜は青い街路灯で
太平洋側の田舎町は流れの時を刻む

ねぇ あんたには見えるだろう
北風 ....
     「時」が地の底へ地の底へと
      流れ墜ちてしまうのかなぁ
          いつ止むともなく
     ざらめ雪は降りつづいている
         じっと眺めていると
 ....
       うつつをぬかすなかで
 うつつならぬ「ねいろ」におどろく
     おゝ くろめにしずみこむ
        にびいろの「時」ょ
         よくきいてごらん
 「風」が ....
        うれしいじゃないか
   本曇りが薄曇りになっただけで

         歌おうじゃないか
   薄曇りに青空がのぞいただけで

         叫ぼうじゃないか
  ....
雨が降るのでもない
 風が吹くのでもない
  雷が鳴るのでもない
ただ 黒い雲が垂れこめている
         だけである
   地軸が息を殺している
         だけである
  ....
<マクシム、どうだ、
 青空を見ようじゃねぇか>

近代詩人のこのフレーズ
    たまらなく好きだなぁ

そして おらは 追記してみたい

   透きとおった四次元の神話 ....
ナンセンスな暮らしのなか
秒針には関心もなく
いっぷんの「長き時」さえ持て余しているのに
行く年来る年と云われて
おらは恐ろしくなった
   セットしたタイマーのかおが
   スタートさせ ....
公園で草刈り機がうなっている
ひなびた街並みにただよう
ことし最終のくらしのにおいだ

草むらからかまきりも飛びだすだろう
病葉も枯れ葉もお供にされるだろう
地祇のたもとにいだかれもせずに ....
   第九の聴かれる年の瀬がきた
  でも 丘のひだでは聞かれない
     冬鳥のさえずるアリアは

 かよわい夕陽が息をひそめながら
   義務だけ果たして沈んでゆく
半世紀まえの片蔭 ....
    骨のしびれと肉の痛みに
  霊魂が戸惑う堤防の草むらで
   空き瓶と空き缶が寄り添い
        密談をしている
     亀裂の入ったトルソと
     染みの入った掛け軸の ....
エロスの行列から追い出され
遂に バーチャルの彼岸に立たされた
白ひげの野良猫
よく見ると もぞもぞ
舌なめずりしているではないか
なにか生き魚でも探 ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
時のまどろみ⑥自由詩111/8/22 23:57
空のバックスクリーン自由詩1*11/8/20 20:35
寄り縋る片蔭(十)自由詩2*11/8/12 21:10
寄り縋る片蔭(八)自由詩211/8/6 23:32
カレンダーの鞭(五)自由詩211/7/31 20:09
骨の軋み(四)自由詩211/7/24 23:10
日に日を曇らせて(七)自由詩011/7/16 20:50
涸れた羽根炭(十)自由詩111/7/2 20:03
死断層(八)自由詩011/7/1 23:02
消える一齣(七)自由詩211/6/26 7:36
消えない一齣(五)自由詩111/6/17 23:41
臨死のまなざし(四)自由詩211/6/13 8:21
眼のない猫(九)自由詩111/6/10 21:11
時の戸惑い(六)自由詩011/5/14 20:50
時の戸惑い(五)自由詩1*11/5/5 11:36
時空のわななき自由詩111/4/16 9:38
光のいぶき(二)自由詩111/4/4 22:26
噴水の片蔭(九)自由詩111/3/20 10:19
汚血の分限(十)自由詩011/3/19 16:22
時の幻・空の影(三)自由詩111/2/27 10:32
トルソの青息(四)自由詩211/2/19 19:57
トルソの青息(三)自由詩111/2/12 20:04
ほつれ髪(三)自由詩511/2/5 16:29
血の死相(八)自由詩211/1/22 19:56
光のバルーン(五)自由詩311/1/15 20:18
光陰のバルーン(8)自由詩111/1/10 10:34
胸の隻影(六)自由詩310/12/31 15:25
時の羽根(三)自由詩110/12/27 15:22
空の片言(八)自由詩210/12/25 15:16
時のしぶき(九)自由詩110/12/18 14:18

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