西日本の南岸に沿って
   多血質の低気圧が北東へ徐行中
 だから太平洋側は雨になるでしょう
       と気象台は云っている

    私道のみぞを舐めまわしたり
    ....
はるは蝶とささやきあい
  なつには蝉とうたいあい
    あきはむしとなぐさめあい
      ふゆにはみみずと遊びあい
風とは笑顔でダンスしあい
 光とはすなおに握手しあい
  雨とは ....
     青くなった春のまぼろしを
     赤くなった夏のかげろうを
     白くなった秋のおもいでを
     黒くなった冬のトルソーを
     はつはるの霊気をはらんだ
      ....
「はぃ 次」
「はぃ 次 お願いします」
と 幻灯機の一齣一齣のように
風に掠められた青い春
 ....
雑木林は沈黙しているが 唖ではない
いつでも木々が 旧友のように
語りかけてくれる

雲は浮かんでいるが 不動ではない
いつでもミルキーウェイのかぜと
同行している

生は死への旅立ち ....
 置いてきぼりをくった事も判らずに
      自我の尻尾を振りながら
   manualを金科玉条としていた昔

    なのに今や うつろな自分と
まぼろしの他人とが鬼ごっこしている
 ....
          北風の冬より春の
    光風が待ち遠しいねとAはいう
         でもその春より夏の
  しらはえのほうが快適だとBはいう
        いやそんな夏より秋の
 ....
   ふゆのひかりがくすぶるなか
 はいいろのかげをひきずりながら
  うすきみわるくちかづいてくる
       ひびだらけのそぞう

    くぼんだみぎめのおくには
しんじょうもがん ....
氷壁からは北風の怒号
  密林からは原木の咆哮
    荒地からは枯葉の乱舞

吐息は此岸ののりとに変わり
のりとは彼岸の呪いとなって
真っ黒になった耳かざりを震わす

そしてタナトス ....
  九十六歳で亡くなったオヤジが
     十六年間丹精こめた裏庭
   それが息子の不精と不器用で
         荒れ放題・・・
  春の新しい芽吹きはもぎとられ
夏のまぶしいひかりは ....
  子犬のように足元にからみつく
      北国からのつむじ風と
      たわむれる枯葉たちょ
   ほんとうはおびえているのか
     それともすねているのか

     水々し ....
 鳥たちは木の実を食べながら
          種を運ぶ
 ゆめの若木が根付くようにと
蝶たちは花粉の足で飛びまわる
 望みの花が目覚めるようにと

     未見の年があける朝
   ....
   いまは「喋りたくない」から
「喋りたくない」というだけなんだ
だが いつか喋りたいときが来よう
 暖か味もないふゆの雲にむかって
愛想もないふゆのひかりにむかって
  相槌もないふゆの ....
   いちにちをいちねんのように
       ひきのばしたいのに
         どうしたわけか
      としのせがちかづくと
  しおれたかこがとびだしてくる
ぼやけたみらいがとび ....
半世紀前は何を夢みて 
    何を信じてたのかなぁ
四十年前は何を聞いて 
    何を考えてたのかなぁ
三十年前は何を眺めて 
    何を選択してたのかなぁ
二十年前は何を呟いて 
 ....
寒冷前線が鄙びた丘の上でさまよっている
          ゆかりの雫を垂らす
 青磁いろにおめかししたはつはるの雲よ
     乾いたひとみで見定めておくれ
    昔 坂道を威勢よく駆け上 ....
         虚ろに見える太陽と
     しらけてみえる箒星の大晦日
       除夜のねだけが遠くから
     「時空」のかげを撫でている

としつきをいとおしむ悔恨がこだまする ....
鉛いろの雲がやっと抜けてくれた

散策のモノトニーなプロムナードに
形ばかりの冬陽がむらがる

突然 あえぐようなヘリのうなり
(新春の初フライトか)

おもわず猫背を反らし首を上向け ....
      かわもにみなわがうまれても
     またたくまにきえうせるように
         もうわすれるしかない
       はたさずにすぎてしまった
              わか ....
     みぞれが止んで宵の大気は重かった
       北風も止んで物音は死に絶えた
   庭木も庭木で昼間のかげをたたみこんだ

    どんな静寂の気高さが月には秘められ
       ....
幻視の花びらで目隠しされた冬の夜
(テレビからもれる森昌子の愛傷歌)
なぜか急にDNAのせせら笑いに気づきました
しかもタナトスの幻影をちらつかせているのです

「わたしはしきりに待ちわびて ....
        とらわれた視線は激しく渦巻き
      こわばった猫背の腹ばうかげを追う

    かたよった視力で煤けたトルソはゆがみ
 まがりくねった路傍のほこらにひとみをうつす

 ....
遠のいてゆく「ダイアローグ」
深まってゆく「モノローグ」

弱まってゆく「時」の律動
高まってゆく「空」の波動

「旧い年」を葬ったというのに
縮んでゆく「肉」のかたまり

「新しい ....
      一夜あけたがなにもかわってはいない
     太陽は去年とおなじ顔で澄ましているし
   北風は相変わらずの怒声で荒れまくっている
そして リビングの装飾もレイアウトも沈んだまま
 ....
 バケツの水が薄氷になったような昼間の月が
       おらのはつはるをのぞいている
 
  公園ではねむった「時」を祝福するように
     乾いた空が凧の舞いを演出している

  そ ....
れっきとした おばあさんになってしまいました。
いったい これまで あたいはなにを身につけた
んでしょうねぇ。なにが身についたんでしょうね
ぇ。えっ なんですって ごめんなさい ちかご
ろめっ ....
いま まさに透きとおった
四次元の祝祭は
はつはると名づけられて
広場で駆け回るあどけないこどもたちのうえに
燦々ともたらされる

一方 老残は
プロムナードで縮んだかげをみながらの散策 ....
       きのうはおおみそかでした
そしてきょうはおしょうがつになりました
     このわずかいちにちのちがいで
    テレビはおおはしゃぎしています
       あなたはどうおもい ....
━例年大晦日の朝刊に掲載の墓碑銘を見て━


    つつじが丘のもがりぶえにおののきながら

      マリンパークの潮騒にうなされながら

      ....
ナンセンスな民放テレビの娯楽番組に操られ
        傾きかけた「時」のなかを
    薄っぺらのシューズで散策している
  お主のシルエットは酔客そっくりだなぁ

   しかも脳血管に ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
時の滴り自由詩107/3/14 19:42
微吟(四)自由詩807/3/12 21:12
風のいろ-2007/1/1-自由詩207/3/10 21:55
confession自由詩207/3/5 21:16
いつでも自由詩507/3/3 15:41
にびいろの声紋自由詩307/3/1 21:07
閑話休題[group]自由詩2*07/2/25 18:47
塑像自由詩307/2/22 19:30
屑篭の短詩自由詩2*07/2/20 21:52
冬の鏡(五)自由詩207/2/18 10:37
片意地自由詩307/2/14 14:59
黒い花ー2007・1・1ー自由詩307/2/10 19:40
告白自由詩107/2/6 16:10
自由詩307/1/30 21:02
Bubble自由詩507/1/29 22:04
ゆかりの雫(五)自由詩307/1/28 16:24
煩悩具足[group]自由詩107/1/25 14:28
新春(五)自由詩407/1/23 16:14
Fantasy(4)自由詩407/1/20 15:21
冬の鏡(三)自由詩107/1/18 22:12
幻視の花びら(二十)自由詩107/1/17 10:33
空ろな眼自由詩207/1/16 21:37
冬のこだま(二十)自由詩107/1/13 14:20
幻視の花びら(十九)自由詩207/1/9 15:46
新春(四)自由詩107/1/8 19:59
冬のこだま(十九)自由詩207/1/6 14:24
格差自由詩307/1/4 12:15
天邪鬼自由詩307/1/1 15:15
自画像(二)自由詩406/12/31 9:56
四行詩(抄)二十九自由詩206/12/30 10:04

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