「時」へ刻まれている
 自虐的によごした
  regretの
   シルエットが

「空」は汚されている
 トルソの肌にしみこんだ
  にびいろの
   イマージュで

「死」の呪 ....
 夜明け前
ねこぜのトルソはおののき続ける
亡き妻の過ぎた夢とregretにとらわれ
黒くなった実存へのノスタルジァにこだわる
そのシルエットの孤独に

 起床後も
ねこぜのトルソはおの ....
おいぼれのわたしは四六時ちゅう呟いています
空(くう)にむかって永訣を
古血のなかのかすれた声で
「いまはただ ただ時にすがっているだけです」と

遠くで救急のサイレンが
蚊の鳴くように
 ....
いづこの上空で生まれ ここ
つつじが丘にやってきたのかい
としつみづきのきぢれぐもよ
急がずじっくり眺めておくれ
このおれがぼんやりと落としている
ひねくれたシルエットを
庭の裸木はおまえ ....
ひかりのバルーンに頬ずりされている
ヌードになった庭の柿とモクレンよ
さぞ指先はつめたかろうなぁ
おらの手足が血の意図に反しているように
でも
息を律する背伸びまでしなくていいんだよ
地竜 ....
それは弱まるものである
   経年的な金属疲労のように
だが軽視するものではない

それは強まるものである
   果樹園に漂う芳醇な風紋のように
だが羨望するものではない

それは見え ....
(当たり前の話だが)
きのうと同じ時刻でも
わかげの庭に映る きょうのかげは正直である
長さも広さも角度さえも 変化している
それなのに
(当たり前のことだが)
おいぼれの更地には かたち ....
 ゴーストタウンとなったふるさとにも
    待ちに待った入道雲をみるとき
     描くそばからよごれていった
  過ぎ去りしかげが脳細胞をかすめる
    捕まえたあとから逃げていった
 ....
朝な夕なに
透きとおった四次元を開きながら
舞い降りてくる 
あさぎいろのかぜははげしい
 ....
              夜の十一時
テレビはメイン番組を終えようとしている
   おいらも一日がしぼもうとしている
           そのときになって
      最低の自己暗示をかけ ....
かぜをかじり ひかりをなめ
  くもをすすり かげをのみほし
ふやけたアベニューをふらつく
regretのなみだをためて

せみしぐれがおいかけてくる
「いまをいきるんだ  ....
          おれは一番好きだ
           七夕月の落日が。
      日中こき使った交感神経に
 安堵のシグナルがともされる気がして。
  あれほど隻影に対して威張っていた ....
    旅の車窓から柿の熟れた実がみえる
        あの家に あちらの家にも
    ことしは豊饒の年なのかもしれない
         楚々とした里山にともる
           原 ....
プロムナードのパノラマには雑木林があり
    雑木林のうえにはもつれ雲があり
  もつれ雲のかなたには空の果てがあり
     空の果てにはなにも見えないが
       なにかがあるにちが ....
          花をめでる綿雲があった
  その綿雲を抱擁するそらがあった そして
その深いそらからは 天使の梯子が降りていた

           そんな昔はわすれよう
       ....
      午前中は半病人だった男が
           退化しつつある
       足腰膝に鞭をいれるべく
        午後は散策の人となる

ひなびたプロムナードのかなたにうかぶ ....
       眼を見開いてもいいのだ
つつじが丘の鉛色した もがりぶえにも
         プリズムいろを放つ
   「血」の意図は息づいている と

      耳をそばだててもいいのだ ....
      薄気味わるいすなおさで
 日中のきたかぜがご機嫌をなおした
築山の庭樹はようやくねむりについた
   ただ秒針だけが働き続けている
  ふるぼけたメトロノームのように

    ....
     タナトスに媚びを見せまいとして
    どなたかになにかを期待する悪癖を
 モノトナスなプロムナードでおぼえたとき

            淡い人生の裾野で
       浅い呼 ....
         電車の中はガラガラだった
            乗客たちは十人十色
それぞれの姿態で なにを思っているのだろう

あなたのゆめは・・・
   あなたの気がかりは・・・
 ....
   みぞれが止んで 宵の冷気は重くなった
      北風は示威をやめて 死に絶えた
  庭木も庭木で 昼間のかげをたたみこんだ

   どんな静寂の気高さが 月には秘められ
     ど ....
        職場の休憩時間のような
  物音ひとつしない冬の陽だまりのなか
       黒ネコがチータのまねして
    道路をのそりのそりとよこぎった
       あれっ あのシルエ ....
冬の星たちが完璧に支配する
時間のまえには
昼夜の交代儀礼があるらしい
裏庭で絶えず貧乏ゆすりしている
裸木のこずえ
広場で休みなくこだましている
黄色いこえ
市道で盛んにウインクしてい ....
「風光」はおまえのパトスに
    潤いをあたえるために

「時空」はおまえのロゴスに
    柔らかさをもたらすために

「老残」はおまえの生涯に
    花の装いをほどこすために
 ....
寒冷前線がひなびた丘の上でさまよっている
    大いなるゆかりの雫を垂らし続ける
             はつはるの雲ょ
          青磁いろにおめかしし
     うるんだひとみ ....
つつじが丘はのんびりと
マリンパークの波頭を聞きながら寝そぺっている
まるで「時」に無頓着だった過去の自分のように
(赤い夏の夜のゆめを束ねられたのか)

つつじが丘はおどおどと
竹藪の伝 ....
初夢を打ち消して
異質の波紋が脳細胞に浮かんでは消える
走馬灯に浮かぶ
ゆがんだ半生の影絵 ....
      ペガサスが凹レンズのそらに
        喊声を反響させるように
   東のそらからななめに射しこむのは
        もぎたてのレモンの冬陽

    キューピットが凸レン ....
れっきとした おばあさんになってしまいました。いったい
これまで わたしゃ なにが身についたんでしょうねぇ。え、
なんですって ごめんなさい ちかごろ めっきり みみが
とおくなりましてねぇ。そ ....
  いまここにこうして
 「在ること」
  それが当たり前と ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
色は匂えど(七)自由詩210/1/30 20:16
色(しき)は匂えど(六)自由詩110/1/22 11:19
他 力自由詩110/1/11 15:56
雑 詠(三)自由詩109/12/31 10:48
色(しき)は匂はず自由詩209/12/27 20:36
きずな自由詩109/9/29 10:03
歪んだ星の上で自由詩109/8/22 10:01
月おくれ盆自由詩109/8/14 23:46
ゆがんだ星のうえでは自由詩109/8/7 20:56
ゆめの柩(六)自由詩109/8/1 10:50
ゆめの行列(九)自由詩109/7/26 9:47
光跡をたどる自由詩209/7/12 22:32
Traveler(9)自由詩2+*09/7/8 9:45
にびいろの声紋(四)自由詩109/5/16 20:37
猫背の囚人自由詩109/5/3 9:30
時のかげり(二)自由詩209/4/12 10:19
独り言(三)自由詩309/3/20 17:01
孤影(二十)自由詩209/3/18 8:57
断片自由詩109/3/15 11:42
啓蟄自由詩009/3/8 19:38
冬の鏡(三)自由詩109/3/4 13:58
冬の鏡(十)自由詩009/2/28 11:15
ゆかりの雫(三)自由詩109/2/22 10:25
実存  2008/1/1自由詩309/2/11 16:05
ゆかりの雫(五)自由詩009/2/5 11:02
ナンセンス自由詩009/1/31 10:56
忘却自由詩109/1/26 14:53
新春(一)自由詩209/1/12 15:29
冬のこだま(十九)自由詩109/1/4 16:21
冬のこだま(十三)自由詩108/12/23 15:48

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