時代は 棒高跳を繰り返すのか
それとも 三段跳びを蛮行するのか
未来にゆめを描く 四次元を引き裂き
日常茶飯事として 天変地異を
スレジュール表へ 記載し始めたのか
「絆」の一文字を アドバ ....
その木の葉が伸び盛り
      いろづき終えたのち
その木の葉は
      いさぎよく散った

ニンゲンも産声を
        四次元に響かせたのち
     その歓声は名残おしく ....
朝は救急車の重苦しいうめきが
 昼は物売りの間延びした拡声が
  夜はエナジーを持て余した単車の暴走音が
ひなびた大通りに響いては遠のいてゆく

ところで「時」の声は叫んでいる

海底は ....
葬儀屋からダイレクトメールが届いた
      人形供養の案内状である      

  そうだ そうだ おもいだすなぁ 

        遠の昔は 昭和初頭
   二人の妹たちが 愛玩 ....
      きまじめなエアコンの
息づかいがただよう居間の大窓から
     貧弱な裏庭の一角をみる
  猛暑に耐えている一本のむくげ
        ものさびしげだが
    願いごとひと ....
     本意なのか 建前なのか
とある医大のドクターが
       テレビで答えていた
「先生にとって死とはなんですか
        ひとことで言うと」
「そうですねぇ 死とは
   ....
せみしぐれが 
      腕組みのまどろみを誘う 

青春時代の囁きは 
        追憶の底に沈殿し
壮年時代の呟きは
        回想のなかに溶解し
初老時代の轟きは
  ....
リビングのドアも
    ウインドゥも締め切って
空調で森閑となった
    四次元に息を殺している
(南海トラフの
      まどろみを切望して)
庭先のぺんぺん草よ
   お前も息 ....
世間では体裁よく
  老人といわずに後期高齢者という
   老化とはいわずに加齢という
    ボケとはいわずに認知症という
     聾唖とはいわずに身障者という

そして 失業者といわ ....
しばしば プロムナードの路肩で
     尖ったつぶてを踏んづけたとき

たまたま 古びたカーペットで
     痩せた足首を滑らしたとき

ときおり 三段変速のサイクリング車で
    ....
       真冬日と真夏日が腕相撲をする 
       が 一勝一敗を繰り返すばかり
           で 果てしがなかった

         木陰と日向が討論しあった 
が 太鼓 ....
           独り暮らしの侘しさを
              はぐらかそうと
         つむじまがりの北風のなか
          杖と携帯をよすがとして
         ....
加齢の彼氏が
   ライスカレーを頬ばっている
   あぶら顔をさらして

席をへだてた 妙齢の彼女は
   茗荷のてんぷらを注文している
   涼しい顔を店主にむけて

しにせの大衆 ....
           電柱の先端で
          おらを見下ろし
  しわがれたドラ声でわめいている
          グロテスクな鴉
「半生を懺悔せよ」と言わんばかりだ

    ....
ガイアに斜陽族の住み家が・・・・
        と言うと気障だが
猫背になった半生
    その古ぼけた廊下のかなた
    老化の狼火が見えはじめた
   あたかも妖精の弄火のように
 ....
からだが重たくなった
   体重が増えたからではない
   筋骨の硬化・退行が増した だけなんだ

こころがうつろになった
   ゆめを無くしたからではない
   虹色の四次元が喪失した  ....
聴かれたから喋ったのではない
ただリグレットに問い詰められて
しわぶきさせられた だけなのだ

宗教書から学んだのではない
ただカルマにあやつられて
きょうまで生かされた だけなのだ

 ....
おいらの青い春は五里霧中だった
教育勅語と戦陣訓の読誦で

おらの赤い夏はアワタダシカッタ
説教強盗ひとすじに血迷ったままで

おれの白い秋は酔客となっていた
悔恨と諦観で自虐して

 ....
ことしの新語になるのかなぁ
──爆弾低気圧──
皐月になってもあばれ狂っている
そのざまは たとえば
五大陸のどこかで絶えず逆巻いている
硝煙くさい風潮にそっくりだ

だが 気象は融通無 ....
カビ臭い脳細胞に浮きあがった
裸木をかかえたアベニュー
それが青い春のスライドだった

細い肋骨の胸にひろがった
収集できない幾重の波紋
それが赤い夏の出来事だった

禿頭の福耳にひび ....
きょうもなんの予定もなく
ぼんやり居間のひとところを
みつめるでもなくながめていると
ターミナルのベンチがうかびあがる

そして・・・こんどは
うすっぺらのまぶたをとじてみると
なぜか・ ....
梁のきしみ
  建具のゆがみ
    樋のあかさび
      側壁のひびわれ
        鬼瓦のかたむき
       築半世紀もの木造家屋
 
それでも かろうじて
      ....
若さがどれほど尊いか
その自覚がまるでなくて
ピエロとマジシャンになりすまし
ときいろの四次元を軽視して おらは
三度のおまんまを食べていた

そして それが いまや
老いに責められやっ ....
    何にとらわれているのだろう
    気遣うことはまるでないのに
     つい目をやってしまうのだ
          壁カレンダーに
それは櫂のない無聊な生活感だろうか

    ....
      移転先で埋めた柿の種子が
いつのまにか幹を伸ばし梢を広げながら

   ウラノスにすなおな想いを秘めて
     真夏には緑陰の王者を自負し

   ボレアスにもざわめきを甘受 ....
隕石が墜落したというのだろうか
   流動したというのだろうか
そして それに対向して
大気は追跡したというべきだろうか
   具現したというべきだろうか
コスモのミステリーを
      ....
いいことだなぁ
    骨皮すじ衛門であっても
    血とゆかりがあるんだから

うれしいことだなぁ
    名無しの権兵衛であっても
    肉とえにしがあるんだから

在り難いこ ....
重いつるはしが見つからず
エロスの更地は 深いくさびが
        突き刺さっている

手軽な鋤の刃は錆びて欠け落ち
リアリティの休耕田は 汚れた小石が
           もぐりこ ....
キッチンなどとハイカラにいわず
    おいらはお勝手というほうが
        なんとなくピンとくるなぁ
明治のおふくろさんの匂いが ただよってきて

リビングなどと気取っていわず
  ....
ヨタヨタ ドッコイ フーラフラ
ノタノタ ドッコイ フーラフラ
トボトボ ドッコイ フーラフラ

見慣れて 歩き厭きた プロムナードで
でまかせの呪文を 呟きながら
(えび煎餅が焼かれるよ ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
空の先っちょ(五)自由詩113/9/20 20:27
その花は開いてその花が散った自由詩213/9/14 21:10
木琴を叩く男(九)自由詩213/8/30 20:08
木琴を叩く男(二)自由詩213/8/17 21:24
木琴を叩く男自由詩313/8/9 22:49
屑糸の緞帳(十)自由詩313/8/2 22:50
うすれてゆくなかで自由詩113/7/27 22:02
大地へ戻る旅自由詩213/7/19 21:41
呼び名自由詩213/7/13 21:27
うすれてゆきながら(一)自由詩213/7/6 8:18
濁ったバラード 六自由詩213/6/29 9:08
汚れたepic自由詩313/6/23 22:42
破顔の片時 ②自由詩213/6/21 19:59
密雲の燐光 ②自由詩213/6/14 21:59
密雲の燐光自由詩413/6/7 22:13
しじまのなかで  (七)自由詩2*13/5/31 20:38
供述調書自由詩213/5/27 19:37
つぶてのかげ ②自由詩2*13/5/4 16:45
幻のけだるさ 十自由詩213/4/28 9:33
時の何かが ①自由詩113/4/12 19:53
おしくら 十自由詩013/4/7 11:34
廃屋のかげ自由詩213/3/16 20:00
歪の烙印  六自由詩413/3/9 19:59
「時」と「空」自由詩213/3/1 21:38
立春自由詩313/2/22 20:19
おしくら  ①自由詩113/2/18 13:58
バイオの微笑み自由詩113/2/2 22:29
歪の鋳型自由詩113/1/25 20:30
LDK自由詩213/1/18 19:01
凍てついたサウンド  九自由詩213/1/13 10:31

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