街なかの広場に
          土曜日は
     こどものかげがない
      多分 親御さんと
 ドライブにでかけたのだろう

     街はずれの散歩道に
   ....
    けだるく湿っぽい梅雨どき
   ねずみいろの空を取っ払って
  エーゲ海の空をおもわせるほど
青いこころを呼び起こすものはない

   ねむたくかびくさい梅雨どき
    雑木林の ....
      梅雨の隙間が薄日を誘い
    湿っぽい四次元のけだるさを
 いっときなだめすかしてくれる と
     広場をめぐる木立ちからは
       チッ チッ チッ と
      ....
   たわいのないことだが
   テレビの予報に反して
  梅雨どきの浅い日差しが
  わがやぜんたいのかげを
 舗道につくってくれるとき
   無聊にあまんじている
卒寿のおひとりさまに ....
    愛犬が吠えたてるなか
        東隣りからは
  車庫シヤッターの上昇音が
        西隣りからは
     二階雨戸の開放音が
平和なかぜとひかりを包みこみ
  梅雨 ....
「あすは曇りがちで
 午後には雨となるでしょう」

    そういう 予報を耳にして
   その日は 予定を変えたのに
   水無月の気圧はあまのじゃく

俗にいう梅雨の晴れ間がのぞきこ ....
(呼び名は市道というのだが)
 
 わが家に接した舗装路は
  歩道と車道の区分なく
     往きかうかげは
       乏しく淡く

   そのうえ しばしば
  三毛猫さえも巡 ....
      (なんのことはない)

 傘寿のリビングに鎮座し続ける
       ねこぜのトルソは
    冷たい時空におどされて
            いまや 
    吸う息を灰色に ....
   優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
   セイロンサファイアの
     鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま

     広場の木立ちには
   回遊の子雀 ....
     うずくまっていた
   卯の花月がながされて
  田の草月にめざめるとき
  老残は猫背を反りかえし
      両手をかざして
  なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をま ....
      おれが猫背になる前は
   風と光に色つやがふくまれて
祝い旗が屋上ではためいていたのに

       卒寿となってからは
     皺だらけの手旗となって
軒下で垂れさがっ ....
   風と光が蘇えってきた
早苗月は 青天井の昼下がり
    小公園の原っぱから
      ただよってくる

      それは それは
  卒寿のおひとりさまには
       真 ....
       最近 どうしたわけか
   卒寿となった おひとりさまに
            わけもなく
      にじみでてくる泪がある
         それは・・・・・
      ....
 いま・・・
卒寿となった おひとりさまは
      腕組みをしながら
 そっと 胸のうちでたばねる

   早苗月の裏庭にひろがる
    新緑のそよぎでもって
     半生でもて ....
     穏やかな風と光が
    丘のひだにあふれて
 卒寿の猫背を包みこむとき

おひとりさまのスライドには
しみじみとよみがぇってくる

    はるかに過ぎ去った
白い季節の ....
冷笑しないでください

卒寿(おいぼれ)ともなると
ゆめとのぞみは萌えにくいのです
青い年
とちがって・・・・

謳歌はうまく唄えないのです
赤い「根明」(ねあか)の齢(よわい)
と ....
   庭木がかもしだす
     日陰と日向が
   その鮮明度を増し
   遥かに漂っている
      卯月の雲も
田の草月に移行するとき
  いままで眠っていた 
     老残の ....
        柿の若葉が
 さみしいかぎりの 裏庭で
卯の花月の かぜとひかりに
        たすけられ
    おいで おいで と
      子すずめたちに
     ささやいて ....
 浅いひびわれができた
ベランダの三和土でみる
       一匹の蟻
   単なる散策なのか
       それとも
  餌を探すためなのか
  まるで卒寿となった
    おひとりさ ....
  年季にとうがたって
    玄関のタイルは
    ひびの隙間から
虚しい「時間」の中心に
 深く積もってしまった
     ペンペン草の
    顔をのぞかせる
        そ ....
 近くで飼犬が吠えている
遠くでヘリがうなっている
      春をむかえて
       真昼の底の
  冷たい耳翼のひだには
     角化した表皮が
      フケとなって
   ....
    始まる前は 長いなぁと
        おもっていても
    いつのまにか 千秋楽が
          来てしまう
     十五日間の大相撲場所

      そうだ そうな ....
連日
本曇りの弥生が続いている
気温はおとなしくなったのだが
体温は気ままにとはゆかない
卒寿の身では
冬装束で身構え続けている

遠くで鴉がうなっている
   森の息使いは まだ
 ....
街はずれからぬけだして
     つれづれに遠望してみる
   (卒寿となったおひとりさま)
はてしないあおいそらと
    乱舞しているしろいくもを

そぅだ・・・・・いつの日にか
 ....
    
    伊勢湾の一辺をになっている
(比較的 温和な風と光にめぐまれた)
            知多半島は
           丘の稜線から 
いま 伊勢湾の貨物船を望遠してい ....
卒寿の冬に耐えて

陽はまた のぼる
    陽はまた のぼる

されど わが身は
    されど わが身は

縮みゆく ばかり
    黒い時のま(間)に

 ....
    なんだ かんだと
         老体が
      泡をふくなか

      朝のひかりを
     瞬時 みつめて
   まぶたをとじるとき

卒寿となったいのちに謝し ....
十年は ひとむかし
       二十年は ふたむかし

生かされた 感慨はうすれ
      生かされる 考察もぼやけ

ただ茫然と 薬指でみけんを押さえて
  時の隙間を ごまかし続 ....
   旧市街を突き抜けてみられる
       地平の群(むら)には
改築・新築の家並みが点在しはじめ
       地平の線(果て)には
   青い空の白い雲が・・・・・

       ....
         なぜだろう 
 臨死はひとけたになったのに
卒寿のおひとりさまにむかって
  遠くから鴉が揶揄している
  近くで番犬が威嚇してくる
   
       そして 反対に ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
トルソ(四)自由詩116/6/18 17:08
塑像 三自由詩316/6/18 10:17
鳴神月(五)自由詩216/6/17 16:20
鳴神月(四)自由詩316/6/15 11:20
鳴神月(三)自由詩316/6/10 13:10
鳴神月自由詩216/6/9 16:44
王道自由詩516/6/5 14:26
望郷(十)自由詩316/6/5 8:37
望郷(九)自由詩516/5/31 11:41
望郷(八)自由詩416/5/27 10:03
望郷(七)自由詩216/5/25 14:10
帰郷(六)自由詩216/5/22 16:05
望郷(四)自由詩416/5/18 16:39
望郷③自由詩216/5/16 9:34
橘月自由詩1016/5/14 14:27
望郷(二)自由詩716/5/8 14:40
望郷(一)自由詩516/5/8 10:44
梅雨入り前に自由詩316/4/25 13:39
早春賦自由詩516/4/24 21:23
年季に自由詩216/4/2 14:39
卯月自由詩216/3/31 9:09
卒寿に想う自由詩216/3/26 9:47
老細胞の呟き(十)自由詩316/3/8 10:03
老細胞の呟き 八自由詩216/3/7 11:20
色鉛筆 九自由詩316/3/1 11:30
色鉛筆 八自由詩216/2/27 9:47
持戒自由詩216/2/25 10:09
色鉛筆 六自由詩216/2/20 9:19
色鉛筆 ⑤自由詩216/2/18 10:37
色鉛筆 四自由詩416/2/17 14:52

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