「時間」の回廊を這いまわる
             わくら葉には
         血の意思を秘めながら
     ゆめの饗宴に酔いしれた隻影が
    ぼんやりとその残像を残し ....
     珍しくもヒヨドリのさえずりに
   生気をとりもどした アベニューで
  枯れ葉がよろめく足もとにじゃれつき
   梢が千切れ雲の孤高にふるえている
北風に切りつけられる耳のつばさと ....
    細くとがった音で路地が刻まれる
         メトロノームのように
      OLの帰路を急ぐハイヒールが
          つきささるのだろう
         暦に反した神 ....
         ねこぜのまるみに
     情熱のあせた夕陽がそそぎ
          鼻粘膜にむけて
   消長のシルエットがとびかかる   
       うすむらさきは西の空
 そ ....
        ころがっている
   見なれたプロムナードには
  錆びかけた鉄製の立て看板が
    見あきたアベニューには
   朽ちかけた木製のベンチが

   あなたはゆかねばなら ....
サンドイッチマンはぼんやりと佇立している
          「青い春」の原っぱで

     ちんどん屋はのんきに演じている
           「赤い夏」の海原で

ペガサスのつばさ ....
          ノンレム睡眠中
    深夜ラジオのイヤホーンから
      ぼんやりと耳に潜入した
             ひとこと
    「一日に一度はなんでもいい
    な ....
           お目にかかったのが
       必然ではなかったでしょうか
 公園の木洩れ日がほほえんでまぶしかった
                あの日に
  
         ....
   築三十余年の重い扉をあけて
その人は折りたたみ杖をシンボルに
   プロムナードへの散策にでた
  弱った足腰膝小僧に発破をかけ 
        傾き加減の太陽と
       青女 ....
      落日を追いかけるようにして
            湿っぽい南風が
        トルソのかげをひきさき
追憶の燃え堕ちるかなたへ融けてゆきます
      ほのかな羽ばたきをの ....
あのころは
     あすもまた
「時」が安産をかさねる
    とつねにおもっていました

それが
   このごろでは
         きょうもまた
「空」が流産をくりかえす
  ....
   低気圧が低血圧をもたらすのか
     黒い腎虚がきしむベッドで
  タッグを組んだ脳神経と肋間神経
    血脈はこむらさきに波をうつ
       カイロスはとっくの昔
      ....
     小春日和もうれしいものだが
        一週間も続いた曇天が
          フェードインする
    梅雨の晴れ間もひとしおである
      しらはえが光のやさしさを
 ....
いやなのです まぼろしにおもえて
  躍動するモニュメント と
      でっちあげた有機物 が

こわいのです タナトスにみえて
   浮遊するオブジェ と
       腐敗した無機 ....
思いきって 原生林から抜け出せますか
         にびいろの四次元で
      がんじがらめにされてても

   コスモスとの 感応はありますか
      ぬくもりが失せてしまった ....
      にびいろの空がうつろに泪をためている
                      とき
              散策する縮んだ隻影は
          賛歌を忘れて灰色の血を吐 ....
   いつのまにか入日は焼け落ちていた
     にびいろのざわめきとしじまが
    霊気のたもとでからみあいながら

      青い春の痕跡も堕ちていった
仰向けで腕組みしている「時間 ....
懐中時計のボタン電池が切れた
そして「気」「血」「水」も
おらのパネルとメモリーから消えた


ドリーミーな青い春は勿論
   ....
       待ちわびていた知らせがやっときた
            テレビの気象予報士から
「きょうがことし最後の寒気団となるでしょう」と

            うれしいがホントかなぁ ....
有情の悲喜劇を締めくくるためなのか
   筋雲が白黒の幔幕を張っている
     regretの幻灯を点滅させて

          とはいうものの
    弥生の落日に映える円球ほど
 ....
無いようで在るもの
  それは暖かな「風」でしょうか
     それとも冷たい「時」なのでしょうか

在るようで無いもの
  それは尊い「霊}でしょうか
     それとも厳かな「魂」なの ....
  もがりぶえが急きたてるのか
子犬のように足元へまとわりつく
  プロムナードの枯れ葉たちょ
        勘弁しておくれ
    びっくりするぢゃないか
    杖をたよりのおいぼれは ....
   パソコンからの「ようこそ」
 という挨拶はもう味気なくなって
             いまは
  あなたの素朴なよびかけにこそ
 すなおなきもちになって応えたい

春なら菜の花畑の ....
    丘のひだでは孤高な門扉が居留守を使っている

ひなびた市道では玩具の車が目的もなく突っ走っている

     街角を曲がると郊外では風と光がゆれている

          はつは ....
いつの日にかめぐりあいたい
半生のうちで別れたひとたちと
春の朝なら花園のなかで
 夏の昼間なら木漏れ日のしたで
  秋のゆうべなら紅葉のしげみで
   冬の夜中なら街灯のかたわらで

 ....
    ながれるものは きえてゆきます
     ひびくものは にげてゆきます
 あたらしいとしを むかえたというのに
  血のなかのこえが かすれてゆきます
             なぜか ....
      寒椿の深紅を映している
 モノトナスな庭に こだまするのは
    絶え間ないタナトスの呪文と
透明な四次元におののく血のなかの声

  DoCoMoの鉄塔を透して見上げれば
 ....
深夜のもがりぶえに鳥肌がたち
  どうしても探しだせません「気」の論理が
       聞きだせません「血」の鼓動が
       掴みきれません「水」の神秘が
              
 ....
おーぃ 山小屋から鬼火がみえるぞぉ
   おーぃ 竜宮城から漁火がみえるぞぉ

おーぃ 海のかなたにゆめがうかんでいるぞぉ
   おーぃ 空のあなたにまぼろしがうかんでいるぞぉ

おーぃ  ....
            味気ない庭に
       晩秋はしのびこんでくる
   柿の木の落ち葉と連れ立って---
      そよとのかぜに対応しつつ
  止まり木からとびたつ野鳥のように
 ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
冬ざれの歌(十七)自由詩108/12/21 19:42
望遠自由詩108/11/27 16:16
暗愁(十七)自由詩108/11/22 22:40
夢枕自由詩208/11/15 11:31
幻影の人(五)自由詩208/10/9 22:15
ひかりの雫(十七)自由詩108/9/28 20:10
青女月自由詩108/9/27 19:54
迷路(十八)自由詩208/9/21 19:33
その人は自由詩108/9/13 19:02
夕凪自由詩108/7/27 11:01
時空の篩自由詩108/7/5 9:19
NIL(8)自由詩008/6/21 22:25
軌道のそよぎ自由詩308/6/6 22:31
Apocalypse(11)自由詩1+08/5/24 23:13
愚問自由詩108/5/10 22:45
微吟(三)自由詩108/5/4 19:27
失題(四)自由詩108/4/5 16:11
精の分身のために自由詩108/3/14 21:50
クロノスが通り過ぎる自由詩108/3/9 21:11
啓蟄自由詩208/3/5 19:24
黒い光と白い影(八)自由詩108/2/29 21:01
黒い吐気自由詩108/2/22 21:28
風騒(九)自由詩108/2/7 21:05
天使の耳打ち自由詩108/2/4 21:56
遠い国自由詩408/1/30 16:34
迎春自由詩108/1/1 21:43
モノローグ自由詩207/12/17 20:52
Trembling(7)自由詩1+07/12/6 15:15
やまびこ自由詩107/12/2 16:09
風騒(5)自由詩107/11/26 21:26

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