早苗月というのに
     落日後には過敏症となる
       生来のアデノイドと
     老後の筋骨のバリケード

        その寛解のために
      気・ ....
(今日はこどもの日だ とか)

こどもごころに思ってました
どうして ひいおばあさんは
「ナンマンダ ナンマンダ」と
四六時ちゅう呟いているんだろう と

だが いまや 娑婆のゴールが
 ....
          早苗月はエメラルド
      みどりに映えたつつじが丘に
  いつともなくつつじが咲きだしている
街路樹のふもとに赤や白やまだらとなって

      あゝ 薄桃色のひ ....
             あわれなことに
          老残の年配ともなると
        過去に偏り 拘り 囚われ
追いかけること 以外 能がなくなるんだょ
   こころの足腰に粘り ....
     ひとりの男がいつの間にか
           猫背になった
 献体で三枚におろせない痩せかたで

    もうひとりの奴はしらぬ間に
      うつ病で不眠症となった
ターミ ....
  「時」に噛みつかれなくなったら
        「空」がにらみ始め
      「風」を敬遠しだしたら
   「光」がこんどは戸惑い始める

      八十路のおらにむかって
黒衣の ....
 寂びれきった家並みに囲まれながら
ぽかんと口をあけている 原っぱから
      一角を揺すらんばかりに
     こどもの喚声がこだまする
            それは──  
閻魔大 ....
        南の海原にあこがれる
       パルコニーに 向かって
    大気は 嘆息を加減乗除しては
  永劫にながれる四次元を注いでいる
     性急な厳父の「風」の軌道と
 ....
「時」に噛まれなくなったら
 「空」がにらみだした
  「風」を避けだしたら
   「光」も遠のきだした

   何がいったい 幸いを呼びこむのか
   いったい何が 災いをもたらすのか
 ....
庭木の梢がはしゃぎまくっている
声もださずに
何がそんなに楽しいのだろう
 
それにしても
聾唖になったのか
近頃の雀は・・・・・

だまったまま裸木につかまり
首の屈伸ばかり見せて ....
   気象予報士は淡々と予報する
    北風は円舞曲を奏でるのか
千切れ雲は遁走曲を追いかけるのか

    亀背の心細いかげを作って
   サンルームは舐められている
    おとなし ....
歯垢を怒突いています
   歯間ブラシの先っちょが─
カルマのあいだでさ迷っています
   加湿器のゆげが─
縮んだ背中を舐めています
   瓦斯ヒーターのファンが─
無人駅で泳いでいます ....
  年端月は午後四時ともなると
 淡いガーネットのかげをつくる
部屋隅で孤独な回転椅子のうえに

        ことしの寒波は
むかしの三寒四温どころではない
二十日と二十一泊になりそう ....
 よろめく べくしてよろめいた
 つまずく べくしてつまずいた
   ころぶ べくしてころんだ
            そして
   奴は死ぬ べくして死んだ
もうそこに精の本態は消えている ....
      おぅい 北極圏よ
    寒気・冷気のかたまり
      いい加減にしろよ
今日でお別れってことにしろよ
     プレゼントの流氷は
      確かにとどいたよ
   返 ....
        コツコツとくつおとがする
          メトロノームのように
       たぶんハイヒールなのだろう
        スタスタとくつおとがする
           び ....
        座禅のまねだけして
      老耄は窓越しにながめる
     茜いろした群雲をバックに
庭木の小枝と梢が演じるストリップを

      変わり身はデリケートだ
    ....
        平均余命は静かに裁断され
     大河の下流へと流されてゆきます
                  でも
     老眼にそのまぼろしは映りません
             ....
             どうしたわけか
     平均余命のかげが点滅するなかで
      鬼籍へのあわれな想いが流れる
       留年すれすれのおらと違って
       旧制中学で ....
         改装をくりかえして
      築四〇年余は建付けの歪み
 隙間風が折角の暖房部屋に吹き込んで
基礎代謝低下のおいぼれは震えるばかり

      まるで片田舎に建っている ....
  遊び歩きで息を吹きかける
   ふーぅ ふーぅ ふーぅ
       放蕩ずきな群雲

氷山を渡り歩きで息を荒だてる
   おーぉ おーぉ おーぉ
     躁病となった北極熊

 ....
      薄黄色に染まっている
落日直前の千切れ雲をかいくぐって
     どこで生まれ育ったのか
 どうしてここまで飛んできたのか
  ひたすら北風のなか生き生きと
     庭の柿の裸 ....
いかにも寒そうに
公園の木立が梢の先っちょだけ残して
市職員に伐採された
それは
鴉やキジバの止まり木とするためか
いぃや 春を待つ
霞みがかかる四次元のためだろう
ベンチのかげからは
 ....
広場を暖かく囲んだ木立は嘆いている
「わざわざ緑蔭を設けてやったのに
 冬に向かうからといって
 裸にするとは
 何事だ」と
でも赦しておくれ
それはニンゲンさまの
ご都合主義というエゴ ....
       南に垂れたベランダは
        アクリル波板の屋根
        時空を横切りながら
  そこに 雀が影を落とした 途端
        一陣の北風が瞬いた

    ....
空が雲を指導している
 雲は雲で空を無視している
海が船を可愛がっている
 船は船で海に甘えている
丘が木々に恋している
 木々は木々で丘を愛している

過疎化した町が設けた
こころづ ....
造園の見識もなく粗雑に植え込んだ
僅か二?余の雑多な庭木たちが
悄然とその揺れ方でもって
今日も北風のご機嫌を知らせて呉れます
「寒いが我慢してなら外出できますよ」とか
「冷たくて散歩はちょ ....
歯磨きを始めるのに
砂時計を逆さに立てる
ネットサーフィンを始めるのに
ガジェット画面の時刻表示を見る

「時」は速いとも 遅いなぁとも採れる
いぃや 長いのか 短いのかとも 採れる

 ....
枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった

その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
ま ....
(青年期)
にびいろの空にぶら下がっていた
的をはずれた青い春の無駄矢が
(中年期)
秒針がブツブツしわぶいていた
赤い夏の夢を償却できた気楽さで
(高年期)
白い秋の月が窓を覗きこんで ....
信天翁(638)
タイトル カテゴリ Point 日付
錆ついた風見鶏 ①自由詩214/5/9 20:46
錆ついた風見鶏自由詩214/5/5 10:53
白い狼煙(六)自由詩114/5/2 20:30
折り畳んだ日録 三自由詩314/4/25 22:21
白い烽火自由詩214/4/19 10:21
汚泥コンテンツ ⑥自由詩4*14/4/12 21:43
白い松明(ひとつの救い)自由詩414/4/5 16:20
にびいろコンセプト⑩自由詩114/3/30 10:27
汚泥コンテンツ⑥自由詩114/3/22 20:51
白いサウンド(九)自由詩2*14/3/15 10:36
白いロウカス③自由詩214/3/7 20:35
土色のspiral(8)自由詩114/2/28 19:57
黄色いcanvas自由詩114/2/21 19:45
時の端っこ(十)自由詩114/2/15 15:33
黄色いcanvas六自由詩314/2/8 13:40
白いサウンド自由詩214/2/1 15:19
土色のspiral(1)自由詩014/1/26 10:33
大正琴の媼(六)自由詩214/1/17 19:57
白いロウカス自由詩214/1/13 20:05
かの幻が開いてその影はきえた(一〇)自由詩3+*14/1/12 10:45
空の先っちょ (十)自由詩114/1/10 19:41
そらの先っちょ 七自由詩213/12/29 20:35
かの幻が開いてその翳は消えた 六自由詩113/12/28 20:35
あの幻が開いてその影は消えた(五)自由詩113/12/20 20:55
かの幻が開いてその影は消えた(三)自由詩113/12/13 20:22
かの幻が開いてその影は消えた②自由詩313/12/6 20:30
大正琴の媼(五)自由詩113/11/29 20:25
かの幻が開いてその影は消えた自由詩313/11/23 20:09
時の端っこ (八)自由詩413/11/15 12:08
時の端っこ(米寿を迎えて)自由詩413/10/2 21:06

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