汚血の分限(十)
信天翁

枯れ葉はいやゃいやゃと呟いて
       庭隅ですねている
   ボレアスがねちっこく
       幽冥へ誘惑するので

トルソは待てょ待てょと囁いて
       海坊主にすり寄ってゆく
   フエァリーがしつっこく
       断頭台へ追いたてるので

あゝ 薄切り大根の月が朝から
       げらげら笑っている


自由詩 汚血の分限(十) Copyright 信天翁 2011-03-19 16:22:12
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