寄り縋る片蔭(八)
信天翁

人工湖に仕立てられた
   用水池から漏れだしている
名前だけは一人前の川がある
   堤防にそよぎはあるものの
せせらぎはない
    はぜのかげもない

それでも むかしのおらのように
    橋上から釣り糸を垂らしている
              少年ふたり

沢蟹と電話こっこしているつもりなのか
              それとも
ノスタルジーをインブットしてるつもりなのか
                   
いやいや根気をつけているのかも・・・・・
   


自由詩 寄り縋る片蔭(八) Copyright 信天翁 2011-08-06 23:32:56
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