初めての記憶
それは母に手を引かれ
七つの子を歌ってもらった記憶
母が私の10倍生きていた記憶

木綿のように滑らかなその手に
生活という兆しがささくれ立っても
私をいつまでも包み、育ん ....
 ぼくが生まれ育ったのは、田舎の城下町だ。田舎っていっても、一応は県庁所在地なんだけれどね、それでも田舎は田舎さ。ぼくがちいさなころはまだ田んぼがあったし、春になれば土手にはノビルが生えた。よく採って .... Wednesday
規則正しく星が灯る
首都高では夜が始まる
助手席 たばこをふかす父親
知らない光景をあげる
教えてもらった光景たちには
かないそうにないけれど
シュマリナイ湖のキャン ....
赤い葉っぱ 黄色い葉っぱ
これは茶色
秋はいろんな色の葉っぱがあって
とっても楽しいね

枯葉を踏む音だって
サクサク ガサガサ
いろんな音がしておもしろい
歩くのがおそかったかいちゃ ....
メメントでクワイエットで今行くよ白い鍵盤飛び越えながら



本当のあなたはピンクレモネードに透ける部分のことだと思う



二次元で暮らしたかっただけなのに知らない人の名前が増え ....
2分の1に分割された魂
15億9千4百3分の1に砕かれた欠片を
3億の嘴がひとつひとつ祈りをこめて
立ち昇る紫煙は清々しいあるいは
鼻の曲がるような香り
路上に放置されている犬の轢死体
 ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている

あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
 ....
{画像=080420115727.jpg}
暖かい色
冷たい色
色々あるけど、
何色が好き?
ぼくはダイダイ色。
暖かくて何か期待させる色。
晩秋の夕暮れこれから寒くなる時のマフラー。
 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる

ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
ここに来させていただいて、
1年が過ぎました。

多くの方々の詩を読ませていただけたこと、
そして、多くの方々に私などの詩を読んでいただけたこと、
こころより感謝しています。

 ....
きれいな声で
うたってた
金糸雀みたいに

誰もいなくなった教室にかばんを置いて
二階の廊下から駐輪場を眺めながら
校庭でもくもくと走りながら
ボールの弾む体育館で人知れず
ほんとうに ....
ゆびわに
そっと磁石をちかづける




ななめのばしょで
かたむいた空にみみをつける と
ゆびさきから
そまる
淡いあさやけのいろで 
誰も彼も
うすまってゆく
呼吸 ....
まどろみの向こうで
たまごが焦げる
かしゅ、かしゅ、と三つを割って
手馴れた指は
ぬるく充満した昨夜の空気と
朝とを掻き混ぜたのだろう

ふっと白くなる意識と
休日の実感とを
贅沢に ....
ほんとうの事が知りたいけど
正しいかどうかはどうでもいい
つまり、とりあえずは磁北を信じて
夜どおし動かない星を探し出す
北極星、と呼ぶのは僕たちだけで
イトスギ達にはきっと別の呼び名がある ....
今年こそ
サンタさんの お手伝い
したいと思ってたんだけど
まだまだ力不足
家にいるよ


雪の結晶



三次元の万華鏡

夜空のスクリーンに映し出す装置があるんだよ
 ....
語らないでいると
ケニアがある
暗闇の中
愛美が物語の続きをせがんでいる
言うなれば足だ
五本指のソックスで
地表が埋め尽くされていく
人に理由などないように
人であることに
理由な ....
誰かに頼まれて
夜のオフィスに出掛けた。


最寄りの地下鉄の駅は
アールヌーヴォーのオレンジ灯で
ひとがたくさん歩いていた。
あなたを知ってるわ、と 話しかけられ、惑い、通り過ぎる。
 ....
とん、と
遠くの方で落下音
君は絵本を閉じてゆっくりと立ち
音を探して軽く首を傾げる
小指を栞代わりにする癖は治らないらしい

音の正体を知っているけれど
教えてはあげない
あのお喋り ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
昨日のゴミ置き場で 
幸せそうに日向ぼっこしていた 
白い便器の蓋が 
今日は無い 

腰を痛めて十日間 
介護の仕事を休んでいたら 

先月の誕生会で 
目尻の皺を下げていた 
 ....
優しい国のふもとでは、
テレビのなかで、パソコンのなかで、
夥しいテントが並べられている。
積み木のような高層ビルの森の透き間を埋めて、
資本家の設計した本土総力戦を生きた、
こころに赤い傷 ....
交差点 黄色信号 傘持たぬ二人に細い秋雨の降る

自己判断でゆけと告げている点滅の赤その向こう側

助手席で君の視線の動きにさえ見惚れてしまう我は盲目

怖いと言いながら本当は何も恐れてい ....
 
 
しらんだ空が
産んだ青い退屈
駄菓子屋の秘密
ゆうぐれのすきま
 
纏った仮面を振り回す
夏の日の少年
残像の香りはせっけん
ぶんぶんごま
 
鉛筆を構えるより
丸め ....
とりだって
なきながら とんでいる
なきながら はばたいている
ごらん あのほねを
アルミパイプとおなじに
からっぽ
くちびるをあててふいたら
さぞかし さみしいおとがするだろう
ても ....
美しが丘5丁目の
Y中学校脇の坂道の頂上で
朝日を、夕焼けを、月を、
もう10何年も眺め続けた
朝日は時に足取りを重くし
夕焼けは時に涙を流させ
月は時に孤独を連れてきた
それでも今日も ....
ものがたりをしよう
こんな淋しい夜更けには
ものがたりをしよう


青いペアグラスは粉々にくだけ
私の心は深く傷ついた
銀のスプーンを強く噛んで
一人ドアを閉じ貝になる
永遠などない ....
  砂糖は山盛り三杯
  白くなるぐらいミルクを入れて
  少しぬるいぐらいの温度で
  こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
  甘党で猫舌な君のためさ



     あたし ....
あなたが感じた
その美しさを
僕の手のひらで触れることが出来るのなら

あなたが感じた
その痛みを
僕の右足で蹴ることが出来るのなら

あなたが感じた
その優しさを
僕の頬がさ ....
十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました

わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた

その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます




 ....
目の前に横たわる死体から
なにを手に入れた

喉を縊ったその手は失ったはずだ
束縛を解いたその心は手に入れたはずだ

保存エネルギーを

{引用=
電柱の上にとまった黒い少女
クス ....
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