そこは悲しみが悲しみのまま降る場所だったので、
あたしはあたしでしかなかったので、
猫を連れてきたのは正解でした。

ぬるすぎる水の底
金魚たちは丸くなって溜息を吐いています。
落と ....
夜のアゲハ蝶の行き先は、決まって、
忘れられた夢のなかの王国の紫色の書架がもえている、
焼却炉のなかを通る。
くぐりぬけて、
グローバル・スタンダードのみずが曳航する午後、
雨の遊園地で、イ ....
四月も終わろうかという頃
まるで冬枯れの車内に身震いで目覚めたので
夕暮れの油山を取り囲むように出現した街に
シビックの眠気を誘うパッシング
モールス信号を試みる
間髪を入れず
一斉に返答 ....
■君の脚に敬意を
のっぺらぼうの バリトンサックスのよう


■風をきる
山ねこ山ねこ、英語の似合わない恋人探して、橋の下。


■イチゴシロップ
にっくき左足は桃に詰められて川 ....
おちんちんが歩いていた。

ここは、
公衆の面前なので、
さすがにそれはないだろうと、
ひとこと注意すると。
「みんなやってますよぉ。」
と返された。
 ....
―お向かいのお母さんとお嬢ちゃんが僕の庭のさくらんぼうを盗むのですがそのひそひそとした犯行が可愛いのです―

もうちょっとしたらもっとおいしくなるのよ(ひそひそ)
あさってとりなさい(こそこそ) ....
 あなたが去り
 私は、失った

 その墓には、名前がなかった
 私が愛した、名前がなかった


今太陽が割れて浜を照らす
その潔癖なほどまっすぐに
見下ろし揺るがぬ様は
カル ....
「めそめそさん」



ある朝目が覚めると
隣に知らない女の子が寝ていた
くびが細くて大きい目をしている
名前はめそめそさんというらしい
それからぼくはめそめそさんと暮らしている

 ....
             2000/04/20


歩いてゆく後ろ姿
貧弱な胸の筋肉
あれでは戦えまい
今夜も背中を貫いて星が降る
キラキラと光っているうちは
危険と教えられた

 ....
 
耕す
土の中にも幾千もの命
ちぎれても生き抜くものもあれば
七年ののちの七夜の花で
ついのなりわいをとげるものもあり
それを耕す
おかに生きるものよりも
海に生きるものが多いとか
 ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている

  仕切の向こうの笑い声が
  うるさくてちょうどいい
  そんな時刻 ....
いつか寺院で見た 生け贄の山羊のようには 悲しみは私を殺さないから 
汚れやすい白く甘い菓子を 両手一杯に掬う
死者が出そうな陽射と気温の中 恐らく理不尽に叱責されていた少女は
その破れ ....
炎の河を布に包まれた遺骸が流れていく
沐浴する人々が不浄な指先に漁火を灯す
対岸の火牛の群れが過反芻した泥を吐く
河面に落ちた星ぼしよ燃え尽きているか

新しいカースト制
ビル・ヴィオラ
 ....
 夕べの机

つまらぬ世辞をいい
つまらぬジョークを飛ばし
人は生きてゆく
つまらぬほど人は笑い
つまらぬほど満足する

今日も日が暮れる
今宵も妻帰るを待つ
鰈を二匹 ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
深夜の病棟の廊下を
患者を乗せたベッドが幾つも
音もなくしずかに漂流していく
あれらはみな
モルヒネを投与された患者なのだそうだ
おっこちたりしないように
きちんと縛り ....
ばらばらに散らばった
こころをかき集めて、


「こんなにも だよ」

って、見せるキミの手は
散りゆく破片で 血まみれで



降りそそぐ花びらは、

しきつめられて

 ....
規則的にしずかに眠らないモーターが
半音階だけその声をあげて
いつの日か再び息づきはじめる時
スキャナーは熊のように鼻をひくつかせ
カウンターは目盛りをゆるやかに揺らし
サーモスタットが ....
人間のようなものが
目の前を通り過ぎていく
皆仮面を被っていて
何なのかわからない

果たして人間なのか
それとも天使か悪魔か
はてそういえば
自分は何だったろうか
  
誰も聞いてなかったけど

私は聞いといて良かったです

退屈な授業の合間にしてくれた

教科書に載ってないお話し

今すごく役に立ってます


「ありがとね せんせ。 ....
目を覚ますと、
おちんちんがなくなっていた。
びっくりして鏡の前で確かめると、
やっぱりおちんちんがなかった。
おちんちんの代わりに、
林檎の芯のようなものが ....
 土曜日になると僕はいつも頭の中に森が思い浮かぶ それは荘厳で深緑に煌びやかで僕をとても安心な気分にさせる
 僕はその森の中へ入っていく 吐く息は真っ白から緑になる この森の中では季節がめまぐるしく ....
                 1978年作

私は寂しいのに
私の頭は少しも同情しない
軽い興奮の波に乗り
踊り続ける娘達を見ている

波頭が砕けると
鋭い放物線が落下して
少年 ....
水槽のある夜であればよいのに 少年に乗ったイルカは
本来そこにいるべきでない人々を
本来の居場所に導いていく
それが仕事なのだ

例えば、あすこの大教室で
頬杖をついて居眠りしている女学生
彼女なんかも
少年に乗っ ....
君は

何があっても

大丈夫



大丈夫

という字をよくよく見ると

一人 + 一人 + 二人



大丈夫

という字には

人が4人も ....
 何故だかわからないが、女性詩人の詩を取り上げて論じることに妙な躊躇があった。もちろん女性の書く詩が、男性の詩よりも劣っているなどと思っていたわけではない。優れた女性詩人は多く存在する。一読者として好 .... {引用=
「犬が人間を襲い、80代の老人が死亡」

− こんなニュースがつい先日飛び込んできた。
犬は即捕獲され殺処分。 目があった途端に襲い掛かったそう。 犬種はここでは控えておく。

 ....
春だから星を見てても暖かい一緒に見たよね僕ら青春


桜餅葉っぱを食べてもいいのかな会話の中にも散る散る桜


月笑うあなたは笑っているかしら卒業式を抱きしめる四月


水色が似合う ....
花冷えのころ
すきとおるあおと
ぬくもりをさがしながら
蝶のようにとびたち

風の声をとどけに
あなたの耳で
蕾になって

向日葵のだいたんな喜び
わすれな草のブルー
おしろ ....
石田 圭太さんのおすすめリスト(1522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
七月、猫連れ。- 紅魚自由詩1107-4-28
落丁した夏- 前田ふむ ...自由詩28*07-4-27
夢と君とさよならの話- soft_machine自由詩10*07-4-27
【一行詩】α- ピッピ自由詩407-4-27
「_みんなおちんちん。_」- PULL.自由詩6*07-4-27
さくらんぼう泥棒- A-29自由詩9*07-4-26
その墓には名前がなかった- soft_machine自由詩9*07-4-26
「めそめそさん」- ソティロ自由詩10*07-4-26
適性- あおば自由詩5*07-4-26
木漏れ日隠れ- AB(な ...自由詩907-4-25
雨を許すと濡れてしまう- たりぽん ...自由詩1907-4-25
特別な日- キヨカパ ...自由詩6*07-4-25
さかまく、炎- シリ・カ ...自由詩107-4-25
夕べの机- 生田 稔自由詩707-4-25
書店で働くということ- 吉田ぐん ...自由詩73*07-4-25
病院の海- 吉田ぐん ...自由詩1107-4-25
きらきら_キラキラ- わら自由詩27*07-4-25
春の記憶- 角田寿星自由詩1807-4-25
街中にて- 優羽自由詩7*07-4-25
仰げば尊し- 優飛自由詩14*07-4-25
「_ぼくはおちんちん。_」- PULL.自由詩9*07-4-25
土曜日の森- はじめ自由詩5*07-4-25
海岸- あおば自由詩8*07-4-25
こらえる- A-29俳句8*07-4-24
少年に乗ったイルカ- シリ・カ ...自由詩707-4-24
ダイジョーブ- むむ自由詩207-4-24
新川和江_——〈永遠〉を志向する大きさ- 岡部淳太 ...散文(批評 ...8*07-4-24
「犬が人間を襲い、80代の老人が死亡」- 渕崎。散文(批評 ...1*07-4-24
【短歌祭参加作品】僕ら青春- ふるる短歌1507-4-24
*耳の産声*- かおる自由詩25*07-4-24

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