一.


番号をつけるかわりに
名前をつける
えんえん正しい
回路
いつか誰かにのぞまれる手
という呪文




二.


ステップが日の長さに合わない

れんげは ....
あの日
砂利道で蹴り上げたものは
小石 なんかじゃなくて
はっきりしない哀しさだった

どこかに行けそうな気がするのに
行くべきだと思うのに
どこにも行けない自分だった

何 ....
こわいのです
この果てしない草の海が
どこまで行っても地平線しか見えて来ない
この世界が私はこわいのです

風がびょうびょうと吹き荒れる草原のただなかで
私はひとり立ちすくんでいます
絡 ....
僕が川面に平坦な表情を映して

都会の水は緑色してて、細かい、本当に細かい小さなたくさんの滓を

とかしこんで

混ぜ込んで

漂わせて

気が向いたらめちゃくちゃに掻き回している ....
あなたの髪に触れるしずくは
花びらのように
キラキラと咲いて散っていく

あたしもそんなふうに綺麗に映ればいい

住み慣れたはずの町が
やけに他人行儀に感じた
折れた傘が
歩道の脇に ....
小さい頃

雪っていうのは神様が落とした

宝石だと信じていた




人が亡くなって
魂が神様のところに逝く

また人間として生まれ変わるとき
人間だったときの記憶は
宝 ....
合掌をしていただきます
生きるために
その命をいただきます
博愛主義でも
食べなければならないのです

わたしの肉じゃがは
一年前とはくらべものにならないくらいに
旨くな ....
17歳の春を覚えている
高校二年の春休みの夜
死に気づいた

いつか死ぬんだ

そう思って
胸が締まって
吐きそうになった


生きたいと思った

僕の意識が
僕のカタチが ....
「もう無理なんだ・・」 と

電話の向こうですすり泣く男の声を聞きながら
鳩サブレーの袋を破いた。

バターのきゅんと効いたこの銘菓を、私は好きだ。

ぼりぼり。

むしゃむしゃ。
 ....
*‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥¢‥‥‥★‥‥‥‥‥‥★
 全ての光を呑み込み、その美しい味を咀嚼する
*‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥£‥‥‥‥‥‥★‥¢‥★‥
 真っ黒の恍惚、ヴェルヴェットのジャケッ ....
あの小さな恋が終わって
零したのは少なからずの涙
残ったのは心地よい 何処かしら懐かしい 小さな切なさでした
けれど この大きな恋が終わって
零したのは数え切れない笑い
私がせっせと私の中で ....
      1

夥しいひかりを散りばめた空が、
みずみずしく、墜落する光景をなぞりながら、
わたしは、雛鳥のような足裏に刻まれた、
震える心臓の記憶を、柩のなかから眺めている。

(越 ....
かいちゃんはくつしたが大嫌い
はかせても はかせても
脱いでしまう

そんなにくつした嫌かなあ
確かに裸足は気持ちいいけど
今は冬
君のあんよが真っ赤なのを
ママは見るにしのびないんだ ....
蒼い海峡の水面に、座礁した街がゆれる。
煌々と月に照らされて。
わたしが走るように過ぎた感傷的な浜辺が、
次々と隠されてゆき、
閉ざされた記憶の壁が、満潮の波に溶けて、
どよめいては、消えて ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った

あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで

子供の頃によ ....
何でも消せる消しゴムがあったら
何を消しますか?
みんなに問いかけてみた

妹は“猫のひげ”と言った
理由はチクチクして痛いかららしい
僕にはなついてこないので解らないが
“痛いのな ....
きっと、知らない町なんだと思う
不器用に建ち並ぶ、高層マンションに隠れている
ありふれた日常だとか、錆付いたマンホールの下から
伝わってくる、救いようのない虚しさだとか
見慣れた信号の色と形で ....
     1

漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....
かいちゃんはまだ歩けない
もうすぐ一歳と五ヶ月になるのに
まだ歩かない

だけどハイハイはとっても上手
ものすごいスピードで突進して来る
逃げるのだってとっても上手

おむつ替えや着替 ....
胃けいれんを起こしたり
風邪を引いたりしてる間に
12月になりました。

なぜだかとても忙しい日々です

最近
朝ごはんをちゃんと作るようにしています

夫は夜中のアルバイトを始めま ....
それで ええねん


そんなふうに やさしくしてくれたりな


そんなことでも ええねん


その気がないことだとか

そんなことは ええねん


むしろ 期待することが  ....
マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
降水確率が
七十パーセントだとか
予報された空から
雨は得意げにやってくる
ビルとビルの隙間を
灰色に染めていく
知らない顔の持ち主が
逃げるように通り過ぎていく
少女は傘も持たずに
 ....
  1.永遠の序章

(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった

どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで


俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった

けれど

 ....
おまえが
おまえの母の指を握りながら
泣いていたので
どうしたのか聞くと


おまえは
母の左手の薬指の
銀色の指環を
指ごと握りながら
これが欲しいと
言って




 ....
肌寒い冬の日であっても
それが淋しい雨の午後でも
探して下さい
一縷の柔らかな陽射し
あなたを誘(いざな)う一陣の
甘い風の香
ふいに足を踏み出して 旅してみたいと思うまで
両方の耳を澄 ....
のんちゃんは首をかしげました
(どうちて、うちゅーには、くうきがないの?

神様は、深く息を吸い込み
腕組みをしました

(ねぇ、どちて?
(ねぇ、ねぇ、どおちて?

眉間に皺をよせ ....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう

ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
知らない町にやって来て
四畳半のアパートで暮らす
目に映るモノは
何もかもが新鮮で
同時に僕は
どうしようもなく
一人であることを
実感する

部屋
かつて人が住んでいた部屋
そ ....
石田 圭太さんのおすすめリスト(1522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
断片集「リバーリバー」- 簑田伶子自由詩25*07-1-29
そして、歩いてゆく- さち自由詩20*07-1-25
草迷宮- 未有花自由詩24*07-1-25
堀川- 水町綜助自由詩3*07-1-18
置いてきた傘- ku-mi自由詩16*07-1-18
雪の記憶- 愛心自由詩14*07-1-16
肉じゃが- 小原あき自由詩19*07-1-13
はじめまして- 自由詩21*07-1-10
鳩さぶれ。- もも う ...散文(批評 ...44+*07-1-10
カーテン- 六崎杏介自由詩1107-1-10
蝶変化- きりえし ...自由詩10*07-1-8
不寝番—みずの瞑り__デッサン- 前田ふむ ...自由詩28*07-1-3
かいちゃんとくつした- 未有花自由詩20*07-1-3
遠雷—解体されながら- 前田ふむ ...自由詩24*06-12-23
あるところに- 水在らあ ...自由詩74+*06-12-19
消しカス- 優飛自由詩13*06-12-15
君に会いに行く- 青山スイ自由詩4906-12-11
蒼茫のとき—死の風景- 前田ふむ ...自由詩32*06-12-9
かいちゃんとあんよ- 未有花自由詩22*06-12-8
2006.12.6今日は久しぶりに洗濯を外に干したよ日記- 初代ドリ ...未詩・独白12*06-12-7
せやねん- わら自由詩27*06-12-6
少年と金魚- 青山スイ自由詩2606-12-5
雨の降る街で- 青山スイ自由詩2006-12-5
寂しい織物—四つの破片_デッサン- 前田ふむ ...自由詩42*06-11-30
クラヴィ_ヴィエイヤール- もも う ...自由詩59*06-11-26
家族指環- 自由詩26*06-11-18
希望の詩- きりえし ...自由詩9*06-11-18
のんちゃんと神様- 佐野権太未詩・独白14*06-11-17
車窓- 青山スイ自由詩6906-11-15
ここにいること- 青山スイ自由詩2406-11-13

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