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十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました
わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた
その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます
....
目の前に横たわる死体から
なにを手に入れた
喉を縊ったその手は失ったはずだ
束縛を解いたその心は手に入れたはずだ
保存エネルギーを
{引用=
電柱の上にとまった黒い少女
クス ....
手作りの街並みは
連続的な曲率を忘れてしまっている
その中に欲しいものはなく
わたしは
資格参考書と
一握りの雨粒と
友人にお裾分けしてもらった溜め息の入った
鞄を提げて
求めたい ....
月の裏側が見たいと
弟が呟いた
瞳はもう
赤方偏移を繰っているように
白兎を歌って
憧れと諦めをわたしに託して
弟はもう
腐りかけた足で
旅に出ていた
痛々しいほどに頑張りす ....
アスファルトに捕らえられた君を
すくい上げたこの手が
愛だと信じていた
四畳半の沃野に
刳り貫いた天井に
それでも君は
ただ背筋を伸ばして
その時を待ち続けていた
この手が ....
神社の石段はクロマティックで
綻びを縫うたびにリズムが泣く
鈍色の穴から囁く間歇気流は
先回りして落としてきた脳の断片
がえんじない足をすり抜けていく
させよ。
そう念じるも
た ....