花詠残影
悠詩

十年ぶりのあなたを見て
すこし寂しくなりました

わたしが
紅く染まり
散っていくさまを
じっと見ていたあなた

その輝かしい憂いを失い
探しているように感じます




時にすら消せないものを
忘れているだけです



迷わなくとも
会いたいときに
会いに来てくれれば
いいんですよ






あなたが変わったように
わたしも老いました

涙もろくなったようです


今度は
わたしの涙を手に取ってください




ああわたしには自身の涙の意味すら分からない
紅い葉は羞恥の表れなのか
それとも自身への怒りなのか
懐かしいあなたが目の前にいるのに
大きくなったあなたと会えたのに、

――ただそれだけのことが
こんなに(嬉しいだなんて)――


今度はあなたが教えてください
わたしの想いを


いつでも待っています
わたしがいなくなっても
きっと仲間たちが




こんなに寂しいのに
こんなに嬉しいのは
きっと
時にすら消せない埋み火を
あの子がずっと――





自由詩 花詠残影 Copyright 悠詩 2007-10-11 01:24:23
notebook Home 戻る