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わたしそのものである時
からだのない(風ノ人)が
わたしにかさなる
虫けらだったわたしの尻に
小さな青い灯はともり
透けたからだは発光する
昨日のゴミ置き場で
幸せそうに日向ぼっこしていた
白い便器の蓋が
今日は無い
腰を痛めて十日間
介護の仕事を休んでいたら
先月の誕生会で
目尻の皺を下げていた
....
「 きょうはせんたくびよりねぇ 」
「 おれもほされたいよ
べらんだに 」
「 まずあらってこなきゃだめじゃない
あんたじたいを 」
....
あっ
と九十過ぎの{ルビ老婆=ろうば}が言うと
黒い杖はエレベーター十階の
開いたドア下の隙間にするりと落ちて
奈落の底で
からんと転がる音がした
「 杖も毎日使われて ....
十字架のネックレスをした女は
今日も「通りゃんせ」の鳴る交差点を
紅いハイヒールで夜へと歩く
人知れぬ部屋で
男に{ルビ接吻=くちづけ}られる
濡れた首すじに
垂らした十字 ....
ファーストフードのレジに並ぶと
厨房に立つ店員は
{ルビ神業=かみわざ}の手つきで
ハンバーガーを さっ と包み
すい〜っと横にすべらせる
「あれじゃあまるで、モノじゃあないか・ ....
皆様今晩は。今日はあなたにとってどんな一日でしたか?僕は昨
日の日記で言い忘れたことがありました。昨日「サンジャックへの
道」を見た後に映画館を出ると、館内から出てきた見ず知らずの人
々が、映 ....
植木鉢に身を{ルビ埋=うず}め
体中に
針の刺さった
裸の人形
{ルビ腫=は}れ上がる両腕のまま
{ルビ諸手=もろて}を上げて
切り落とされた手首の先に咲く
一輪の黄色 ....
喉が渇いたので
駅のホームのキオスクで買った
「苺ミルク」の蓋にストローを差し
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると
隣に座る
野球帽にジャージ姿のおじさんが
じぃ〜っとこ ....
昨日は職場のおばさんの
くどい{ルビ小言=こごと}に嫌気がさして
かけがえのない他の人さえ
土俵の外へうっちゃり
しかめっ面でひとり相撲をしていた
昨晩見た夢のなかで
旧友 ....
日中の忙しさからすっかり静まり返った
午後九時過ぎの特養老人ホーム
入院先で亡くなった
Y爺さんの{ルビ亡骸=なきがら}が入った棺桶は
施設内の小聖堂に運ばれた
いつもはほと ....
「Le Poete」(詩人)
という名の店が姿を消した後
新装開店して「Dio」(神)
という名のピザ屋になった。
消えた、前の店と同じく
ピザ屋は毎日空席だらけ
カウ ....
嵐のあと
歩道に{ルビ棄=す}てられた
ぼろぼろなビニール傘
雲間から射す日射しに
一本だけ折れなかった
細い背骨が光る
あのような
ひとすじの {ルビ芯=しん} ....
夕陽をあびる
丹沢の山々に囲まれた
静かな街の坂道を
バスは上る
時々友の家で
深夜まで語らう
( 詩ノ心 )
午前三時
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋 ....
「 生れ落ちた その日から
へんちくりんなこのかおで
わたしはわたしを{ルビ演=や}ってきた 」
という詩を老人ホームで朗読したら
輪になった、お年寄りの顔がほころんだ。 ....
石田 圭太さんの服部 剛さんおすすめリスト
(15)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
蛍_
-
服部 剛
自由詩
4*
07-12-4
「_無_」
-
服部 剛
自由詩
32*
07-11-6
晴れた日の会話_
-
服部 剛
自由詩
6*
07-4-22
古い杖
-
服部 剛
自由詩
12*
07-4-18
マグダレナ_〜渇いた女〜_
-
服部 剛
自由詩
10+*
07-4-14
手遅れな男
-
服部 剛
未詩・独白
9*
07-4-12
詩友への手紙_〜私達は草原の旅人〜_
-
服部 剛
散文(批評 ...
5*
07-4-9
さぼてん_
-
服部 剛
自由詩
12*
07-4-1
車内の隣人
-
服部 剛
自由詩
33*
07-3-25
弱者の拳_
-
服部 剛
自由詩
15*
07-3-13
「_遺体の顔_」_
-
服部 剛
自由詩
10*
07-3-8
(_ピザ屋_Dio_にて_)_
-
服部 剛
自由詩
11*
07-3-6
「_壊れた傘_」_
-
服部 剛
自由詩
13*
07-3-6
「_遺影の顔_」_
-
服部 剛
自由詩
10*
07-3-4
「_透明人間_」_
-
服部 剛
自由詩
16*
07-2-23
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