僕と君はただの点なんじゃないかと
よく晴れた三月の駐車場に僕は立っていて
電話で君相手にそう言ってみて
銀行員の運転する車が入ってきた
銀色の車体に青色を流して
僕の腰から下も映って ....
さよならの仕方を
手の振り方を
忘れてしまったの
 
わからない
わからないけど
 
きっと、この体温が
バイバイの代わりなのね
 
倍の力で抱きしめて
そしたら
2倍幸せにな ....
根腐れで
既に逝った友のわきで

水をくれぬ主人を
恨む事を
知らず
こうべをたれ

なみだで

うるおわず


水に事欠かぬ金魚
主人に泣訴

ぷくぷく泡で
声にな ....
私は今でも忘れない
学校の帰り道
家に着くまでに
いろいろな影を踏んでいく
影踏み遊び
大きな木の影家の影
人の頭を踏んだこともあるけれど
鳥の影を踏めたときは
空を飛んでいるようだっ ....
僕の彼女は、昨年度の
準ミス水滸伝
今年度こそは万全を期して
グランプリを獲得してやろうと
画策しているようだが
素人の僕から見ても
去年の彼女に比べて、全然水滸伝じゃない

やっぱり ....
聞き捨てならんな
お前はあれを首と呼ぶのか
2メートル以上はあるあれが首か
そりゃキリンにだって首は要るだろうよ
持ってたいだろうよ なくしたか無いだろうよ
頭と胴体のあいだにキュッと一本ほ ....
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる

そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
祭壇の上にぽつり と一つ

甘い香りをただよわせ

みずみずしさを内に秘め

ひっそり 凛然と たたずむ


濃厚な蜜をたっぷりと細胞にふくみ

ふっくりと艶やかな曲線で

 ....
誰もいねえよ
目には無人バス停
足元振り払え
闇の声

飛ばせ遠くの
走りながらの
石ころドライブシュート

空を切れ
月がきれい
一瞬夢心地

だけど汗模様
涙は見えない ....
日中の忙しさからすっかり静まり返った 
午後九時過ぎの特養老人ホーム

入院先で亡くなった 
Y爺さんの{ルビ亡骸=なきがら}が入った棺桶は 
施設内の小聖堂に運ばれた 

いつもはほと ....
刹那、見えた声
 
耳障りな音なら
要らないのだけれど
 
息も出来ない
こんな場所で
 
一体、誰が発したのか
 
 
酸素、下さい
Oだけで良いんです
 
酸素、下さい ....
雪に降られて風邪をひく
まぶたが熱くてクラクラした

一人ぼっちで見上げた天井は 遠く
ひんやりと畳は つれなく
空気までカサカサと ささくれだっている

さみしいな

寝たり起きた ....
しろいそらから
八百万のちいさな
ちいさなほしが
散弾され、落ちてくる。


かれらはまず
手をふってぜつぼうする、
それからとぶ、およぐ、まぜる、
それからたびにでてひとり ....
しろいそらから
八百万のちいさな
ちいさなほしが
散弾され、落ちてくる。


かれらはまず
手をふってぜつぼうする、
それからとぶ、およぐ、まぜる、
それから、たびに ....
星明りの瞬く夜道を
皮ふと同化している
水晶時計の周波数と歩む
果てしない さようなら の骨格が、ひんやりうずく
しろく曲線にそった静寂(銀のしずく
の波紋)の右旋性が
夜風にとじられたま ....
体のことを思えよ
おれの
体のことを

体のことを思うよ
おまえの
体のことを

体がいいから
おれたちの
体がいいから

おまえの肌のきめを
北から ....
あの夜、
ケタの顎を蹴り砕いたこと、
今でも後悔していない。
いつも間違いばかりしていたけど、
あれだけは後悔していない。

ああしなければ、
ケタはまた ....
M子はさぁ、
ちょいと小柄な女なんだけど
子持ちでキャンキャン働くOLで
けっこう可愛いんだけど だいぶ生意気。

去年の暮れ・・・・部長とさ
ホテルから出てくるクルマに
サングラスかけ ....
星の洪水で空が溢れそうな夜
私はまだ穢れのない身体と共に
あなたの衣服を織りながら
あなたに添うことを思います

機小屋の周りには村人が火をたいて
私が逃れられぬよう夜通し見張り ....
隣の席のゆういち君と
昨日から廃屋係をすることになったことに
泣いていたら「弱虫」だと怒られた
だって私は女の子なのだ

毎日友だちとお喋りしながら帰った
スクールバスにもさよならしなけれ ....
深く、深く
溶け合った酷い青
 
不協和音のアレに
無機質な喪失感
 
Dive to.
Dive to other.
 
あの日、失った感情は
何処へ消えたの
 
Dive  ....
「Le Poete」(詩人) 
という名の店が姿を消した後 
新装開店して「Dio」(神) 
という名のピザ屋になった。 

消えた、前の店と同じく 
ピザ屋は毎日空席だらけ 

カウ ....
ブルータスよ、お前もか
そう言えたら楽なのに

今はもう連絡の取れない尊敬している友人が昔日記でこんなことを書いていた。
もう何年も前になる。何故か未だに覚えているこのフレーズ。
凄くかっこ ....
嵐のあと 
歩道に{ルビ棄=す}てられた 
ぼろぼろなビニール傘 

雲間から射す日射しに 
一本だけ折れなかった 
細い背骨が光る 

あのような 
ひとすじの {ルビ芯=しん}  ....
綺麗や

綺麗やなぁ

綺麗すぎるよなぁ



自然が創った宝石は、あんな冷たい石ちゃうもんなぁ

あぁ

自然のシンピ

眩しすぎて、花粉症の目がじんわりするわ。


なぁ
そう、思わへん?
               2007/03/06

アラビア風に
目の下を
コール粉で
黒く塗る
世紀末の
ガングロの起源かと思ったら
直射日光の
眩しい反射を遮って
目を
 ....
実習中
「妊娠してます」
とは言えず
患者さんを
抱きマットへ移動

母泣かせ
父失望させ
私たちは親になる
春3月の風凍みて

結婚式
暗い顔の両親親戚
 ....
カノジョは抱きしめると林檎の匂いがして
ニュートンの空を見つめている

ちきゅう

と、くちびるが動いて
俺は抱きしめて
「おまえさんを中心に地球は まわってるな」と言うと
 ....
しずかに ね 猫

私は いま しんでるんだから

かたおもいのこい とか
あしたのしけん とは

わけがちがうのよ 猫

しずかに猫



はなれて ね 猫

私は す ....
当時はもてはやされた
流行のデジタルカメラ
今では部屋の片隅で
勢いで買った専用のプリンタとともに
すっかり埃にかぶっている
電池も完全に切れている
プリンタに差し込まれたままの紙は
純 ....
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