鳥の名前を覚えることから
始めようと思うの
と、その人は言った

たとえば、つばさを一瞬たたんで飛ぶ
あの鳥の名前を覚えたら
あの鳥はもう
見知らぬ鳥ではないでしょう?

さらりと雪 ....
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた

大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた

夕方 ....
顕微鏡の中で人工のひかりをうけて
雪片が光る
結晶が無言でのびてゆくのを
ぼくは視ていた

浅くつもった雪の中を
きみを迎えにゆく
ローカル線の駅は雪につつまれ
こどもの夢のように光っ ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
{引用=
アウトバーン、
幾筋も空に架かって透明なチューブ状の、
それはアクリルガラスを通した人工光に照らされて
オレンジ、グリーン、イエロー、
ゆっくり蠕動する虹色の生き物みたいで
なん ....
ここがどこかわからない
灯りは煌々と道路を照らしている
壁のように積まれたプラスチックパレット
無人のフォークリフト
コンテナ
なぜここに来たかわからない
すこし伸びをすると
手が届きそ ....
 おれの友達なら「地球の時転だって、おっさんのくしゃみだって、ぜんぶ詩なんだぜ」って言うだろう。そう言った後で「おれは全然そう思わないけど」と付け足すに違いない。



 日本列島が歯車を剥 ....
 作品を提出するときに、やっぱり自分だけではこれがいいものかどうか、とても心もとない気がいつもしています。

 僕はおうおうにして物知りのように大きく語るわけなんだけれど、何となくいいものだとい ....
もうここに望むものは無いから
左手にある出口から出て行ったらいいよ
追うことはしない
追うことはもう止めるから


淡白な日曜日に落下した
簡潔な性格がことごとく
キラキラ ....
 しお きかせてくれ
 なみのまにまに
 うまれた
 しろい
 あわつぶのようなしお

 なつのうみからあがって
 かわいてゆくくろいはだに
 いくつも結晶するしお


 しお  ....
やあ、遠くまで行ったね
久しぶりだ
きみと知り合って
気づけば一年がたった
前きみがいた 地図の西の上のほう
俺の想像だとしろかべの 赤いあつい国
気温じゃなくて水の温度がだ
そこよりは ....
 
話す声が小さくなっていく、朝
きみは一冊の
ノートになった

軽くなった身体をめくって
話の続きを書く
これからは大切なことも
大切、とは少し違うことも
こうしなければきみに届か ....
 駅に人垣ができていて通れない。『ちょっと?おれ終電なんですけど?』まあ見てごらん、外国人が改札前で揉めている。終電に走る足が次々に止まる、日本人は深い溜め息をついた。
 それを制する力も術も持たぬ ....
自殺しようと思った日に、おじいちゃんが死んだ
おじいちゃんとの思い出が
たくさんよみがえってきて悲しかった
ぼくが変わりに死ねばよかった、なんて思ったけれど
そしたらおじいちゃんが悲しむだろう ....
「愛されたい」と
傍で吐息混じりに呟いた
僕たちの均衡は
愛情が濃くなればなる程に
一つずつ剥がれていく
変化する形状に怯えるが
壊れたらまた創ればいいと簡単に君は言う
会う ....
もう少しだからと笑って嘘をつく僕を泣かせられるのは君だけだ

窓から見えてるあの水色は何という名前ですかって君が尋ねた

「窓ガラス割って飛び出してしまえたら」ここからじゃカーテンすら開けない
{引用=体温の変化って
すごいね


+



うるんだ夕刻の
スプリンクラーからは


しずまないでいる陽が
不遜で
わたしたちは
落日みたいなことばで喋る

 ....
銀盆の月が
ばったにかじられた
あれは いなごか
欠けたところが
水分を染み出させて
水銀のようにふるふると
ひときわ輝いては
痛々しい

痛々しいものは うつくしい
なんて
十 ....
捨てられるものより捨てられないものの方が多いと気付いて泣いた


流れ星 まばたく暇さえ与えない またたく間にぼくらをスルー


きみのこと嫌いになれると思ってたのに目が合うことが えへへ ....
貴方の言葉が小玉の辺りに浮いている
シーツはやがて真っ赤に染まり
その上にはペランとした貴方の皮だけが乗っていた

ベランダに干しながら
見上げた空には大きな貴方の生首が

すっかり貴方 ....
「挙手なさい。指名しますから」

 と、言っておきながら先生は今回も、窓の外を憂鬱そうに眺めている由美子を選んだ。
 由美子が渋々立ち上がり音読を始めると、皆が黙って聞く姿勢。まあしかし、一部の ....
一.


舞いそこねた息が
蜜擦れしている

まつげのながさは
わたしたちのいのち




二.


等分できないものをささえる
ゆいいつの幕間
背泳される 水は
 ....
一円の雪が降った朝
十円のゴミを収集する車が
難しい顔をして通り過ぎる
百二十円のココアを
二千九百円の手袋で包み
三円分のリップクリームを塗った唇に持っていきながら
それを見つめていた
 ....
わたしのあげた小さな声を
今か今かと待ちかねていたかのように
彼はわたしの身体からそそくさと出て行った

愛し合う余韻に浸ることもなく
そして満ちはじめようとした潮の流れが
素っ気なく沖合 ....
途中だった思案を開いてみる
また白紙になっていて
今日という日があるのはそのせいだ
記憶なんて信用できないもので
記録のほうがあてになるかもしれないと
毎日、一頁ずつ
日々を書き留めていて ....
プラットフォームの
割れた電光掲示板
傷ついた蛍のように
オレンジに
滲んで


ゼリー状の夜を滑りゆく
ゆるやかに
最終列車のネオン
行先不明の僕たちは
いつだって最後 ....
タイヨウが
くるくるっと回って ぱーーん

口をすぼめて
ぴゅーっと吹いたら ぴーーひょろろーー

歌が聞こえて
ふふふーーんの へーんの ぽっかぽかーー

ひらがなで
○ っ ....
肉が張り裂けている沈黙
情熱と諦めと冗談
焦げ臭い髪に放つ汚物
刺絡するのは御自由に

膚の皺にすらりと絵具
筆を使って詰る様にゆるりと

御覧よ、右腕が青い
血脈をなぞり腋へ乳房へ ....
うつ、という言葉が好きではありません

その言葉で
ああ、自分は、そううつというヤツなのだ、
と思えば
すこし、居場所をあたえられたような気にもなりますが
なんだか、その言葉ひとつで
自 ....
しんえん と呟きながら
浅瀬をえらんで 辿ってゆく
夢をつたうひんやりとした風が
時折 うなじに触れてゆく
誰かが指をつないでくれているような
そうでないような気がする

深淵
踏み込 ....
石田 圭太さんのおすすめリスト(1522)
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名前を覚える- 北野つづ ...自由詩11*08-2-25
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キタキタキタ_- リーフレ ...自由詩508-1-16
静脈(匂う)- 伊葉幸緒自由詩108-1-16
そして、光- わら自由詩20*08-1-14
拡_散- 塔野夏子自由詩12*08-1-13

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