埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと

触れて欲しい

昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に

季節は夏
 ....
この水滴はなんだろう
風に混じりながらほそながくのびてゆく知らない子供のよだれ
常磐道
星をちりばめてする虫たちのセックスのしずかなマジさ加減にびびりながら
自転車の沈む前輪と後輪 ....
水無月の夜
長雨が流す 街波の排気
初夏の風が 白いブラウスを
揺らす

雨後の 空気は 新鮮で
深呼吸する 肺は透明に
清々しく

木々たちが 雨梅雨を
振り落とす 街の路上 ....
自分の名前を失くしてみた

自分の名前をてのひらにのせる
初めてちゃんと手にとってみたそれは
案外に硬く
今までそれを身に付けていたにしては
まだ馴染みきっていないような感じがした ....
こどもが目隠しして 
こども同士
セックスしている

もう1時間も前からだ


こどもがおにぎりを食べている
次から次へと

もう1時間も前からだ


こどもが足元の何か ....
換気扇が、軋んだ音を降らす。
両親たちが、長い臨床実験をへて、
飼い育てた文明という虫が、頭の芯を食い破るようで、
痛みにふるえる。
今夜も、汚れた手の切れ端を、掬ってきた、
うつろな眼で、 ....
  一 「ミッシング・ピース」

手渡されたたった一枚の
欠けた切符のように
行き先でもなく
日付でもなく
空白のはずなのに
それ以上に大切なものを
どこかに忘れたまま
 ....
はしゃいで飛び込んだプールの底に顔面を泣けるほど打ったけど
涙をプールの水に紛らせ笑った夏でした

カルピスが痰みたいに絡んだけれど
白くて甘い夏でした

台風で傘が根元から折れたけど
 ....
めまいがするほど
一度どくんと心臓が跳ねて
膝につけた頬が重い
何度迎えても夏は早足で


あの歌が流れるたび
いないあなたの口笛がついてくる
今も泣けない苦しさで
胸がやぶけそうな ....
一度で良いから
真珠の館に住んでみたい

というのは
我が家の小さな家蜘蛛が
梅雨時になると決まって呟く言葉だ


『真珠の館』

 
   漂白された空から降ってくる雨粒は
 ....
裏通りに 傾いた陽が落ちてくる頃
放課後の声たちが 初夏の帯にのって
泳いでくる
バギーの乗客を覗いて
ほんのり口角を上げて
青いランドセルが追い越してゆく
まだかたそうなランドセル
さ ....
群れを成し
一点を見定め
乱れぬ様は
予め組み込まれた
仕掛けのように

波紋がやがて
飲み込まれ
波間の一部となり
消えゆくように

石瀬に映る影が
揺れながら
あとを追う ....
東京、ぼくの見た東京
髪や服に滲みついた煙草と、酒と青春と


01/06/2007
イヤフォンは四六時中、質問を繰り返す
だから答えばかり眺めている
きみのいないところで
間違い ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
「もしもしかいちゃんいますか?」

かいちゃんは今日も
おもちゃの受話器を耳に押し当て
どこかへ電話をする


「もしもし もしもし」

まだ言葉にならない言葉で
一生懸命お話をす ....
年を重ねる度
少し背伸びをした
大人になったね
そんなふうに思われたかった
 
3年前にとまった身長と
手のひらサイズの心
変わらない自分に苛立ちと不安
 
変化という義務感に圧迫さ ....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして

滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
涙のかわりに詩を書く
泣きたいなら泣けばいいと
言ってくれた人の前で
泣く事ができなかった

感情だけが
私の取り柄です
おとなしいと言われる
雰囲気などは全く
この胸の深層とは
 ....
穏やかな日々の陰からはみだした恋という名のあてなき手紙


忘れたい忘れよう忘れられるのか君に恋がるる熱き自分を
新しい町で
食料品を買う
就寝の手順について
思いをめぐらす

建物はどこかに
年輪を隠し持っている
タンポポの茎が
配管されている
新しい町への食欲と
昼時の食欲と
どちらが本 ....
 責められた
 ぼくは何も
 言えないよ

        最初にであったのは
        いつだったのだろう
        隣りにいた気がする
        気付いた瞬間の反応 ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた

さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
くちびるは人体で一番敏感である箇所
一番皮膚の薄い部分

誰よりも先にキスをした人は
それを知っていたのだろうか

やわらかくて あたたかくて やさしい

それはキスの相手が君だからか ....
露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く

どこへ行くのと手を振ると
今度は白い子馬となって
東の空へ駆けて行った
 ....
「秒針」




いちばんほそい針が
無段階に滞りなく
滑ってゆく
きちんと六度ずつ
かっちこっち
鳴っていたはずなのに
いつのまにか


一秒、
という物差しを
見落 ....
私たちは互いを必要としながら
それぞれの場所で夕陽を眺め
明日の湿度を欲しがり飲み込む振りをする

あなたと私は
埋もれてしまったいつかの夏に
栞を置いたままかもしれない
そ ....
小学校の時の算数のテスト


「たかしくんは、80円もってぶんぼうぐさんに行きました。

 50円のけしゴムを1こ かいました。

 おつりはいくらでしょう?」
 ....
てんで
ばらばらの
掃除機の
中身
わたしのなかから
すっぽんが
どんぐりになって
あっかんべー
二酸化炭素の味のなか
でんわのベルが
りっぴっぴ
蝶の
時計は
水玉をこ ....
   一  アンタレス disk1


君と夜の海辺を散歩していた、
はずなのにいつのまにか
空を歩いていた

頭上に、海
でも今日はよく晴れていたから
涙の一滴も落ちなくて ....
石田 圭太さんのおすすめリスト(1522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 恋月 ぴ ...自由詩43*07-6-21
メガ- モリマサ ...自由詩1007-6-18
水無月 - 鈴鈴自由詩7*07-6-18
自分の名前を失くすはなし- Utakata自由詩1207-6-17
6時限目- ヨルノテ ...自由詩207-6-17
あまのがわ- 前田ふむ ...自由詩34*07-6-16
パッセンジャーズ- Rin K自由詩43*07-6-15
そんな夏でした。- もののあ ...自由詩34*07-6-13
口笛- 藤原有絵自由詩707-6-13
真珠の館- 蒸発王自由詩807-6-12
青いランドセル- たちばな ...自由詩17*07-6-10
錦鱗- 自由詩1307-6-9
東京無音日記- はらだま ...自由詩32*07-6-8
森番—透過する森のなかへ- 前田ふむ ...自由詩38*07-6-6
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6
かいちゃんともしもし- 未有花自由詩22*07-6-6
18歳- 倉持 雛自由詩1507-6-5
夜の飛行場- Rin K自由詩43*07-6-5
帰る場所のないものたち- 自由詩11*07-6-3
そっと泣いた日- さち短歌11*07-6-2
新しい町- 葉leaf自由詩15*07-5-29
両面キューブ- 零椅自由詩12*07-5-27
悩ましい朝- 吉田ぐん ...自由詩35+07-5-24
キスについての一考- 朽木 裕自由詩10*07-5-23
露草色の空を_ー海へー- 未有花自由詩22*07-5-23
「秒針」- ソティロ自由詩11*07-5-23
私たちの欠落(夏の日の)- 藤丘 香 ...自由詩45*07-5-23
算数は難しい- むむ自由詩907-5-21
ユッカ蘭- ペタ自由詩307-5-21
アンタレス_- Rin K自由詩33*07-5-21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51