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迷惑の
困惑の
生成だ
ペンキを塗り過ぎた
ペンキを塗られ過ぎた
ペンキだらけの身体
敷き布団に放る
それから掛け布団をね
パフェになってくると
き ....
夜が終わる音を
聴いてみたくて
ふとんから顔だけ出して
ひっぱった毛布の端で
口元の辺りが隠れている
暗い水槽の中で
向きを変える熱帯魚の尾ひれは
水を斜めに ....
空の下には雨中がある
大勢の僕らは包まれながら
漂うばかり
支えるものは見つからなくて
あちらこちらへ、くすぶりながら
時々にはぶつかったりする
足跡ばかりが目立つ夜は
いつだって水 ....
とぶ 背中を みていた
なめらかな 飛翔
ぼくが 地球から
ぽつり おちても
世界は たえまなく
あたらしい 歴史を
年表へ かきこむ
肉体が 骨になり
たましいは また たび ....
さましている
頬 の 上
いくつも の
星が
裏側 へ
地殻に 馴染んだ
息の まつ毛
強く つられて
苦い ゆきゆく 渡りを
にごらない 粒に
かえていく
憂鬱な鳥が若さに飢えて転がる三階
防風林が倒れて久しい今夜の過去に
裁かれることは嫌
雪まみれのやわらかいを脱いでぬいでぬいで
今 分かち合う幻想の氷
冷たくて縫う/つめたくて縫う
濾過さ ....
24番目の駅で
赤いきれいな花を買う
枯れないうちに帰れればいい
ここより、どこかへ
帰れればいい
車窓は空を飛ぶ
すべる、すべる、寝息の上を
寝息に夜が積み重なって
もう、こんな ....
私は大腿骨である
私は頸骨である
私は肩胛骨であり鎖骨であり肋骨であり
胸骨であり恥骨である
私は横紋筋と平滑筋である
私は繊維質の束である
私は気嚢であり胃腸であり ....
いつもは乗らない鳥に乗って
いつも挨拶をしていく家をいくつも
通り過ぎる
梟に会いに行くと言ったきり
雀が帰ってこなくなったので
少し怖くなった
こわくなった
引ったくりが多い物 ....
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして
遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
....
いま
昇ってゆく
はりついた水平を
捨てて
乾いた土も
取りこぼして
一人きりの
拍手のように
器用な着地も
知らないまま
誰を
背負うことも
ない
あの
....
「なんだ あれで間違いは無かったんだ」
そんなことが言えるタップを踏み鳴らす
今日、拾ったんだ
あの川の輝くあたりで
あの空の疼くあたりで
あの山の轟くあたりで
幾つかの種を拾ったんだ
今日、種を植えたんだ
この氷のような胸に
....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ
暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
体中の細胞がいっぺんにしゃべりだしたら
そんな素晴らしい詩はない
分裂を繰り返しながら受け継がれるのは僕だ
どこかで乾燥して剥がれ落ちるのも僕だ
みんなも感じているのだろうか
恐 ....
悲しい話ばかりする君、こんにちは
あの朝は、原っぱの真ん中で、
ころりと転がる君の横に座っていた、
てらてら包む太陽のひかりのなかで
きみは、とてもとてもかなしい話を
笑いながら並べていくの ....
シビレエイに
さわったことはない
海のふくらむ昨日
しらないことは
ありすぎる
とおりすぎても
とおりすぎても
新しい
もう今年も終わろうとする日に
めずらしく大粒の雪が降るなんて
もう薄っすらと雪化粧をはじめてる
ぺたぺた点描画
世界を白く塗りつぶします
そう言えば今年も大変だったな
この ....
あおいだ ゆびさきから
つむぎだされる よるの とばり
その やみのなかで てらしつづける
ゆらめき つづける
ふかしぎな かたち
さまざまな ゆくえ
ねがわくば わたしの あとは
....
鍵を なくしました
鍵 という言葉と
なくした という言葉が
うずまいて うずまいて
とりかえしつかなくて
必死でさがしましたが
ありません
仕方ない ....
雪が
自由にしてくれると言うの
で歩き出すと
なみだが
サクサク落ち
みみやはながぼとぼと落ち
ゆびなどもぽろぽろぽろぽろ落ちて
振り返ると
うでもあしも全部
....
四隅にはさびしさの影
灰の空気がそこに居る
窓を開けると冬の色風
耳くすぐり吹き抜ける
白の色風は部屋を回り
四隅連れ去りまた外へ
色風残してくれたのは
窓辺のち ....
かなしくて
なんだか どうでも いいような
ほうしんじょうたい
ともすれば しかいがぼやけて
かんたんな かんじょうやら
もつれあった きもちやらが
きゅうそくに そだっては しぼ ....
そこにあった かこに
おもいが もっていかれる けしき
わたしたちは ながれゆく ときの
だくりゅうに のまれて
ひきとめられず ただ やどる
やわらかな おもいで
あたたかな ....
車窓の向こうが止まる
けれど流れている家や小道
その車窓のガラスに溜まっている
眩しい海は
俺と君が辿り着きたい瞳
そしてその光りに
その海に
今日は君の悲しみも揺れる
器用に生き ....
ふかーい海の底へ飛び込んだら
途中で深海魚に出会いました
「深海魚さん、どこへ行くの?」
「なーに、わたしは夢を叶えに行くんだよ」
そう言って深海魚は浮上していきました
「深海魚 ....
いまここに 書きかけの手紙があります
あと一言書き足せば
それは郵便やさんが届ける必要もなく
わたせることでしょう
「死ぬ」なんてことを
簡単に口にしちゃぁ いけない
こうやって命 ....
榊が揺れて鳥が鳴いた
庭の隅
雨粒が降りてきた気がする
雨音が聞こえた気がする
冬模様の服を着ようとする頃
紙の上を走らないペンの先で
言葉にならない
遠くの音を待っていた
本 ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
〔3月の風〕
風上に向い口を開ける
口の中を短い鼓動で回流する風は
粘膜を乾かすことをやめようとしない
〔幼少の頃、〕
「この子は他の子より唾液が多いみたいで」
母は決まっ ....
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