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雲の傷を見つめ
花の傷を見つめ
夜の風に会う
川と光
野をさする指
草に埋もれた門のまわりを
月の光が
何度も何度も踊り巡り
いつまでもいつまでもやめないので
誰 ....
にがうりの夢を見ていた
だれもけっして
にがうりをゴーヤと呼ばない夢だ
まだあたしはにがうりのさわりごごちも
あじも
においも
にがうりの見ていた夢も
その夢の続きも
知りませぬ
知 ....
赤茶けた街のほとりに
くぐもった電飾が舞い
砂めいた波の{ルビ間=ま}の{ルビ音=ね}に
荒れた手の女が遊ぶ
草臥れた解体現場
風の吹く
干物の匂い
上り行く老若の唄に
焼き魚 ....
わたしたちはお互い
愛してるフリ
が得意
やさしい人のフリ
も得意
でも馬鹿じゃできないそういうことが
できるあなたが
わたしは結構
ほんとに好きだったり
するの
だから大丈夫
チョコリットも積んだし
燃料も じゅうぶんだ
さて。
火星へ行くことにしたよ
彼女があんまりうるさく
ぼくをがんじがらめにするから
もう、ぼくは
火星ならタコ(みたい ....
こたえなんかない
まいにちを
どろだらけで
はしりつづけている
ぼくのなかの
にほんの
らせん
たえず
くりかえし
むじゅんを
たえず
くりかえし
ある ....
のぼれない日を
のぼりゆく砂
昨日に落ちて
明日に落ちて
ぱらさら
明るくやさしい
何も無さに囲まれ
花がすべて落ちたあとも
木は黒々とかがやいて
ぱらさら
....
空から降ってきた
ちいさな星に
空飛ぶ舟をかしたっけ
ちいさな星は
お礼を言って
ぼくに
ちいさな箱を
くれました
ちいさな星が去った後
そっ ....
ひとつのからだが
草の夜を重ね着て
水の夜に浮かんでいる
舞はとどく
舞はすぎる
喉を 胸を 腹を 脚を
声はおりる
声はのぼる
知るはずもない見知った森を
わ ....
軒下で鳴ってる
縁側ではいつも同じ場所で躓いてしまう
窓は池
今日も小さな沈黙を保ち続ける
外の通りを
笑わない男の人が歩いていく
僕らの小学校
黒板の右、日付の下では
誰かが ....
ないほう
している
いたみ
ばりん ばりんって
おとがする
このいたみは
ぼくを
すこしだけ
おおきくして
そのうち
....
空の鋭角
小鳥は啼く
野の終わりのしるし
小鳥は啼く
碧のようで
碧ではなく
ひろびろと
緑に傾く石
路から空まで
はばたきは水から離れない
....
真夜中に
何の前触れもなく
何かが 来て
全て 崩れ去る
拾い集めることができず
崩れたままに ただ座って
何もない 目の前に
目を すえている
かなしめる訳でなく
くるし ....
あれはてた
さまざまなものに
みちみちた
さまざまなものに
ふれて
めをとじる
ぼくのれきし
だけじゃなくて
ほんをひらけば
せかいのれきしが
しるされている
....
夕立が来る
7階の窓から
君と
西の空を待つ
真っ黒な雲が空を覆う
風が
ビョウ、と低く鳴く
その風をまともに受けて
コウちゃんの顔は
明らかに変である
うひゃあ、とか ....
ごろごろ
ごろごろ
ぐーきゅるる
そらが
おなかを
....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。
いそにのこされた ....
広がる上空を囲むように
その日は 曇り空だったのですね
ゆるく波打つ 水面は
際に立つ 私達の少し後ろで
薄暗く 揺れていました
かと言って 私の心が
景色と 同調していた訳ではな ....
サンダルをはいて
かわべりをあるく
ゆうだちのあとの
なつのにおいはわたしの
あしのつめににじんで消える
わたしがいなくなる
みどりのなかにとけはじめ
ゆっくりとかぜにながれる
上 ....
ことばは
たましいを
つれてゆくよ
ひとつの
ぶんに
おもいを
はせて
ひとつの
ぶんに
きょうを
のせる
ひとつの
ぶんの
なかにも
ぼくは
いきて ....
音へと変わる木の影の道
風がそのまま過ぎ去る道
やわらかく目をふせ
空あおぐ道
遠さと遠さの間は濡れて
縦の緑は震えている
北の星と朝焼けは消え
光はかすかにたどり ....
右曲がりの坂道を
30歩のぼったところ
雨上がりには
アジサイが
酸性やアルカリ性に色づくので
それならば涙は、と
通りすがりのにわか雨を
ふたたび
つま先に
ひと ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
いちにちじゅう
いつもここにたっている
へんなやつがいるんだ。
なにをするでもなく
ただぽつねんと
くうきみたいに。
やつは
あのころの
おれかもしれない
これからの
きみ ....
ちらつきながら水平に下り
疲労の渦を抱いて
硝子瓶の粒輪が昇る
ミネラルの刺激
風鈴でうすまる
ソーダ水
....
ほんじつ
ちかりょこうへ
ごどうこうさせて
いただきます
ガイドです
よろしく
おねがいいたします
みなさまと
おもいでに
なるような
りょこうに
したいと
おもっておりま ....
手が届きそうな低い空を
逆光に輝く雲が流れる
私は何か恐ろしかった
歩く犬の眼が不吉だった
堤防の道を愛想笑いで
私は歩いていたと思う
濁った ....
四角い出窓にひじをついて
わたしは お空をみてました
ときどき 桃色の雪が
紛れこんではちらついたりして
世界は彩られたりしましたが
わたしは お空をみてました
ひじをついたまま
....
そこから逃げてしまいたい心は
きっと次の街からも逃げ出すでしょう
永遠に次の街を求めそして逃げ出すのです
永遠とは輪廻のことです
ふりだしに戻るのです
もっとも醜い鬼がやってくる
....
天野茂典+古川由美
風の通り道には
いい匂いのレストランがある
新鮮な野菜と
おいしい魚の塊が
ゴッホのひまわりのように
置かれている
これからどんな料理ができるの ....
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