すべてのおすすめ
落ちてくる葉すべてに
文字が刻まれていたので
集めて詩を作ろうとした
だけど
うまく言葉が繋がらなくて
飽きてしまってすぐに止めた
空は淡い色に染まりはじめ
集めた落ち葉を焼 ....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
なにかこえにだして
ことばをいうとしたら
きらいとかすきとか
これがいいとかわるいとか
ただしいとかちがうとか
だからとかなんだとか
むずかしいとか
けっきょくとか
わけもなく ....
くすこはつんぼ
むかしから
なにもきこえぬ
かんじてる
くすこはふれる
はなのこう
やけにげんきな
ばばのこえ
てづくりゆかた
なつまつり
はなびうちあげ
ひかりみた
....
光を触知する盲目の{ルビ蟾蜍=ひきがえる}は
いつまでも舌を伸ばしつづける。
私たちの知り得ないなにものかが
呑み込まれたそのとき
時間は蟾蜍を自らの鼓動に流し込んだ。
ささやかな いたみを ともなった ささくれ
きっと きずかない
きもちに みあった じかんで
きもちの こもった きすを
へいきなかおして そのすきまを
とおっていくのは やめて
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
劇的な何かを求める手が 疼いている
あるく
そぞろあるく
奥にあるものに かたる
いらえをあてにして かたる
かたりながら だまって 歩く
歩く
やあ、なんという沈黙
雲さえとうに まいちった
がりがりと ....
「人間はおおきくわけると2種類にわけられる」
村上春樹の小説に良く出てくる言葉だ。
僕の中で
2つに分けられる人間は?
それは
「人間は2つに分けられる
君か君以外」
....
ねころがる
わらう
しぬ
またはしる
ふとんをまたぐ
すてきな
ひとに
ぼくできる
繰り返すことだって
ころころ
かわる
のだって
らくなんだって
ほんとだよ
さばくだ ....
今夜は
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く
おそらく
好物のどら焼きをえさに
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
開かれた窓が必ずしも
空ではないとゆう君が開く
歌集の背景も部屋ではないとゆう
綱渡りな瞬間が連続している
今日は一番新しい日
みんなに会いに行こうと思ったけど
道はすべて絶たれて ....
夕方
雨が降り出し 雨宿りのできる場所を 探している
今までに 見たこともないような 喫茶店
独り ドアを開けて 独り 窓際に座る
蒸した雨に さらされ
雨なのか 汗なのか ただ体が湿ってい ....
青く揺れる影
むせかえる油絵の具
染まりゆく
ある日見た青空に、こがれて
狂人にも似た欲望で
部屋中を空への入り口に変える
たった一言交わして
すれ違うだけの人にも
私を憶えていてほしい
それは贅沢なことだろうか
食卓や墓地や廃屋にさえ
いつも人の面影があった
私の生まれは人だから
....
朽ち果てた夜行列車の寝台に
寝転んで星空を見ている
至るところが錆びていて
天井屋根はぬけたまま
よじ登る君はそのまま戻らない
仲間たちもどらない
まるで夜だ
屋根裏部屋で見 ....
回転椅子でグルグル回されて
遠心力に簡単に負けて
いろんなものが僕の中から
勢いよく辺りに散らばった
目や心臓や脳みそは
お金に困った少年が
あっという間に拾っていった
君に伝え ....
おなじことばが ゆれている
おなじえいぞうが ゆるんでいる
なだらかに ながれ
すぎさってゆく かぜは
わたしのめを くゆらせては
いつだって そらに かえっていく
こわいとは
こわ ....
道 たんぽぽ 笑い声
父 温もり 母
私はその時子供だった
息 白い 細波
私は 歩む
薄い 夏 戯れ
昔 いつ うしお潮は
果てなく沈む日の
向こうにも続く
それがクニ ....
今日、雪が降らなかった土地に
雨が降る
今日、晴れなかった土地が
曇り
曇らなかった土地が
晴れる
起こらなかったことも起きたことであり
起きたことも起こらなかったことのなかで
....
琥珀色の部屋
細い指先が伸びれば、
全てが開放されて
あたりに充満する
あの日から
いくつもの罪を
学問と呼ぶことで
耐え忍ぶ人たちは
かろうじて名を残した
パンドーラ
あ ....
きのう
ゾウガメに乗って
都庁へ行ったら
穴がいっぱいあいててさ
モグラはみんな1メートル
ふさふさした毛で
ごあいさつ
鉄筋も
コンクリも
大好物なんだってさ
かわいいね
わた ....
暑い日だった
太陽が少年を焦がしてた
キラキラ光る河原で一人
吸い込まれそうな透明の流れの中で見つけたやたらと厳つい石コロ
まるで怪獣みたい
そう 水中モンスター
すぐにマジックで目を描き ....
くろねこ くろねこ
ひとみは 金色
おや どこいくの? と
たずねたら
私は ちょっと ねこの国まで
どこか 知らない 曲がり角
すきま抜けたら ねこの国
....
夕暮れの川辺に浮かぶ
黒い人影は芝生に腰をおろし
ちぎれ雲に目を見やり
ぎたあを抱いて
ぽろろん ぽろろん ・・・
黒い人影の胸には穴が空いており
ぎたあの体つきとどこか似 ....
連れてこられました
真っ青な部屋です
まるで深い青空のなかを
迷う小鳥のような気分にもなれ
濃ゆ過ぎる空を切り取ったような
真っ青な部屋です
君は今ごろどうしているだろう
連れてこられま ....
雨を壊して
ななめの空
抄いとる角度
つばさてのひら
蜘蛛の巣 しずく
あおみどり
浮き沈む空
つばさてのひら
ふたつはひとつ
ひとつはふ ....
泣き虫だったあの子は今どうしているだろう
と
眠いだけの午後の中で
当てはまるように浮かんでくる
絡まりそうな思考を
かき分けるように居座る
昔、記憶
ひとつ
指切りで交換した約束 ....
そうですね
風は ただの風です
誰の声も
運んできたりしません
ここにあるのは
なにもかも
ただの全て です
ひかりも 雨も 空も
単なる不在を
....
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