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眠ると、小さな死、
眠ると、生きた夢、
境界を超えて、
時をおしのけて、
小さな死を、眠ろう。
時によりかかって、
思い出せない夢を眠ろう。
とおくから
しとしと やってきて
きがつけば ずぶぬれ
こころは ゆるやかに しっとり
であい
よろこび
はんせい
こうかい
わかれ
....
素敵な言葉を 誰かの中に
一つでも残せたなら
もう死んでもいい
心に生きるさまを
ゆっくり見つめよう
かるぴすの おと
ひぐらしの こえ
かげろうの はね
おばさんの かげ
うたたねの ねこ
みあげれば ここ
すいそうの そこ
てんかわの そこ
....
ネジを巻くのに疲れると
どうしようもなくなるんだ
考えられること全て
支える翼を持たない君
翼を支える悲しみも喜びも
いまは皆どこに行った
その姿が見当たらないよ
どこにも誰も見当た ....
緑の海がたなびいて
少しのカーブで横切るレールを
3両編成の電車がすり抜けていく
乗り合わせた肩は語らないまま
ひとつひとつ 暮れていく
天気予報は雨
降水確率は不明
飾らない傘の行 ....
ひからびた夢が
ひんやりと
かもいのあたりで
くびを
つっている
これは、これで
けっこういいあじ
するんだよね
魚たちが
にぎやかに
しゃべりながら
....
おじいちゃんの葬式の日は
雨の降らないカミナリの日でした
おじいちゃんは畑仕事の帰りに
自転車と一緒に倒れていました
おじいちゃんの畑には
夏は西瓜がなりました
おじいちゃんの西瓜 ....
深さ が 粉末 となり、平面 に 降りつもる朝、
夜のあいだ、萎縮を続けてきた 重い線 は、
あちこちで弛(ゆる)み、細長い悲鳴の波は 重なって、
少しずつ、解放され、広がる。
聴く 耳 ....
つかれちゃった
こころのおくに
なげやりになった
こころのおくに
いろんなことが
いやになっちゃった
こころのおくに
ほんとうの
つよさが
ねむっているように
おも ....
暑いので
昼食のあと横になったら
二時間も寝てしまった
どこにいるかわからなかった
イモリの夢を見ていた
二匹のイモリの夢
言葉の裏側は、足の指のような不揃いさで、
感触 呼吸と名付けられた ふわりと
羽根を広げる 鳥のような舌 見上げられる影 のように歩き
足音 おそらく成長の凍え 沈着と 隣り合わせの揮発
重曹 ....
鳥と世界が
左目を語ってやまない
他のものが皆
目を閉じている夜も
砂浜では
さまざまな色をした風が
透明な凧をあげている
砂の羽が
ひらいては散る
雲が波に近づ ....
羽きり鳥が輪を描き
くるくるくると
舞い落ちた
手の平に落ちた
羽根を握り締めた
地面に落ちた鳥の
翼は無く
何処からやってきたのか
羽きりで
風が吹いた
手の平の ....
あの空の話
もう遠くなった映像の中では
坂道の向こうの太陽と
薄くなるグレーの空とが
混在していて
蝉時雨
引いては寄せて
寂しさを反芻している
知らない知らな ....
雨が近づき
誰もいない
贈り物を捨てた
霧に立つ
赤と白の脚
ひとつの弦を聴いた
動かない虫
窓ごしの雨
深緑の声
夜は去り
水は残り ....
そらが
投げかける光を
見なかった
膨らんだ
ほおぼねのあたり
あかく火照る
夏の痣がひりひりと
ひりひりと
うずいて
コンロのうえ
やかんから溢れる
湯気が
おも ....
とじそうになる
まぶたから
すぅっと
こんやも
しらないくにへ
たびにでる
のったことのない
のりものにのって
いったことのない
くにへ
あったこともない
たくさんのひと ....
何も無い冷たい朝
青白い何もかも
月明かりを殺して
太陽は上がる前に皆で食べた
闇ではなかった
光りを失ったが
そこは確かに闇ではなかった
太陽の名残か
月明かりの残像か
....
カップめんにお湯を注ぐ
ふと見ると
テレビの前に
男がごろんと寝ているので
わたしも隣にごろんと転がってみる
意味なくいちゃいちゃする
あっちこっち触ってみる
3分間
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
夢は、夜の
街灯の明かり
スポットライトの下で
夢にならない浅い日の
出ていかない言葉を
止まりそうな川に投げ入れて
岸辺の草原の
揺れる夜露の中
反転している街並み
空 ....
空間と空間の境目は見えないものでして
本当はいくつもの立方体によって作られているであろう
この空間も
1つの大きな立方体として展開されていくのでございます
そのいくつもの立方体も いくつも ....
湖底の朽木となって
魚のはねる音を
聞いていたい
とびおりて
とびおりたまま
じっとして
いつまで
たっても
じめんに
つかないので
こころなしか
ふあんになったけど
したを
みるのは
やっぱりこわくて
ちょっぴり ....
くちびるを閉じると
世界とわたしは
分かれます
くちびるを開くと
世界とわたしは
またつながります
分かれたり、つながったり
くりかえし、くりかえして
わたしはまた少し
遠くへと ....
ほんのちいさな
おもいがけないよいことがあったときの
きみのひょうじょうがすきで
そんなふうにかんじるきもちがたいせつで
きがつくと
きみがよろこびそうなことを
せっせとひろいあつめては
....
へっぽこ
かみさま
きょうも
あっちで
ごっつんこ
どうやら
あいさつしようと
してたみたい
でもでも
むこうも
こんにちわって
きたもんだから
あたまと
....
となりのとなりのとなりのへやの
めざましどけいがなりやまないので
ゆうがた六時半にそとにでた
まだ日はしずまず
ふだんよりずっと赤いかおで
西のやまの端にキスするようだった
あんがいあ ....
まぶしい青空と
静かな夕焼けが終わって
世界は 青く青く 暮れて行く
やがて 闇が 忍び寄る
あなたと私は ふたりで
同じかなしみを
のぞき込みながら
なるべく あたたかく
....
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