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昨日と同じ言葉でわたしはおはようをいう
昨日と同じ声で
昨日と同じ表情で
昨日と同じ空に
昨日と同じ色合いの雲が浮かぶ
というのは嘘で
昨日と同じものはなにひとつなく
昨日と同じではあり ....
夜だけひらくその店の
すこしよごれた扉をあける。
煙草のにおい。
ソーダ水。
チョコレートと紅茶。
「スピカちゃんは来てないの?」
「さっきちょこっと来て帰っちゃった」
「そっかー。 ....
初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、
あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
猫が空風の空き地を歩いている。空耳。夕暮れのネックレスはもうすっかりラピスラズリの感触だ。味わったはずのコーヒーの苦みは、いまやどこにいってしまったのだろう? 透明な連鎖。青ざめたトルソが、臍のあたり ....
黒い円盤に封じこめられた過去の叫び
くるくるまわる盲目の蜥蜴
蜥蜴の王は
わたしを
見ない
幾千の音符が
それぞれは鎌のかたちをして
わたしの胴と四肢とを裂き
全体 ....
私は大腿骨である
私は頸骨である
私は肩胛骨であり鎖骨であり肋骨であり
胸骨であり恥骨である
私は横紋筋と平滑筋である
私は繊維質の束である
私は気嚢であり胃腸であり ....
人間であるのがいやで山を行く
スパイする鳥には鳥の秘密あり
晩飯の足しに菜を摘む生き抜くぞ!
春もみじ赤く萌えても桜に負ける
迷彩服迷彩帽で環境保全
どこまでも誰かが踏ん ....