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小指の先が
少し内側に曲がっているのを
あなたは気にしているようでしたが

ペンを走らせるとき
他の指から少し離れているのが
文字のかわりに飛び跳ねているみたいで
好きでした

あな ....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする

それはまるで子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている


と ....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃

閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく

そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている


私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う

すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
風が言葉をさらっていった

ただ黙って
夕暮れを見送る

綺麗なものへの憧れは尽きることなく

たとえばそう
悲しみの結晶が透明であるならば
過去も無かったことにできるだろうか

 ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....
毎日たくさんのものが
あなたから生まれることを知っている
それは言葉であったり、声であったり、感情であったりする、けれど
それらはあなたの分身でしかないことも知っている
そのことをあ ....
雨上がり湿った空気

屈折した気持ちで見上げる空に
描かれた虹の橋

一つ悲しみを乗り越えるとき
失くしてしまうものがあるとしたら
それはある種の光なのかもしれません

吸収して拡散 ....
(お金なんていらない)

昨日、100円のおにぎりが買えませんでした。
財布の中には104円あっても、
税込み105円のおにぎりが買えませんでした。
コンビニの店員さんは残念そうで、
僕は ....
小学校4年生のとき
はじめて「せっくす」という言葉を理解した

小学校5年生のとき
クラスの女の子に
「ねぇ せっくすしよっか」て言われて
股の間をさわられた
赤くなって黙った ....
歩くほどに遠ざかる
自分の影を睨みながら
駅のホームの黄色いでこぼこ道をゆく
足の裏から伝わる違和感は
通過列車の突風にあおられて
鞄を持つ手の方へ傾いてゆく身体を
大きく ....
飛べるはずもない身体を
立ち入り禁止のフェンスにあずけて
みるみる遠ざかる飛行機を見送る

だんだんと小さくなってゆくのは
きっと僕の方だ

手の届かないものたちが
近くに感じられてい ....
   
狂うがままに放たれた色

花びらは
その身をくるむことなく背景を抱く
自ら屈してしまいそうな首をしならせて
けれど
滑らかな曲線はこちらに向かって投げ出され
それを支えようと身 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
張りつめた風の端
やわらかい記憶の糸をほどけば
泣いてしまうかもしれない
あなたは

ほころぶ桜の薄い花びら
その散り際の光景を思い浮かべるとき
過ぎた時を惜しむ眼差しで
未来を見つめ ....
あなたを想って
一つ一つ記憶を浮かべていたら
どこからか笑い声が

鎖骨のくぼみに頬を近づけて
澄んだ胸を押さえると
その声が
自分の中の空洞で響いていることに
気づきました

そ ....
一月の風が過ぎ去った頃
空を迷って辿り着いた木の実が
夜を探していました

まだ
日暮れ前の鳥たちが並んで飛んでいる
公園の歩道には誰かが落としたハンカチが
あと少しで浮こうとしています ....
空に向かって
「さよなら!」って言っても
空はなくならなかった

僕もそのまま

ただ思い出だけが
涙を揺らします


「さよなら」は

いつも寂しい風でした
きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない

びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであるこ ....
猫の眼のような月が
僕を見ているようでしたが

見ていたのは実は僕でした

そこには宇宙が広がっていましたが
実は僕こそが宇宙でした

常に生まれ
常に死にます

それは調和のた ....
画用紙に迷うことなく色をのせた
空の青は
記憶にはない
白い画用紙が
とても不自然に思えて
窓ガラスに
水を浸しただけの
筆をはしらせると
透けた空が濡れた
いっそ瞳を
青く塗りつ ....
空が白けて
窓にしがみつき
指先で書いた文字も
ただの水滴

さくっと
逆立った地面から
突き出た衝動のような
脆い僕だから

結晶を解いても
蒸発してしまうだけだってね
わか ....
体中の細胞がいっぺんにしゃべりだしたら
そんな素晴らしい詩はない

分裂を繰り返しながら受け継がれるのは僕だ
どこかで乾燥して剥がれ落ちるのも僕だ

みんなも感じているのだろうか
恐 ....
もう今年も終わろうとする日に
めずらしく大粒の雪が降るなんて

もう薄っすらと雪化粧をはじめてる

ぺたぺた点描画
世界を白く塗りつぶします

そう言えば今年も大変だったな

この ....
僕の家には絵の具がない

だから
絵を描きたくなったら
煙草の灰を水でとかす

その色は黒ではなく
少し茶色がかっていて
乾くほどに色を変え
ほのかな光沢をおびてゆく

筆を使わ ....
ふかーい海の底へ飛び込んだら
途中で深海魚に出会いました

「深海魚さん、どこへ行くの?」
「なーに、わたしは夢を叶えに行くんだよ」

そう言って深海魚は浮上していきました

「深海魚 ....
いまここに 書きかけの手紙があります
あと一言書き足せば
それは郵便やさんが届ける必要もなく
わたせることでしょう

「死ぬ」なんてことを
簡単に口にしちゃぁ いけない

こうやって命 ....
松本 涼さんのベンジャミンさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
指先- ベンジャ ...自由詩4*10-6-2
ときどき僕は、まだ羊水の中で- ベンジャ ...自由詩8*06-10-1
まるで難しいパズルのように- ベンジャ ...自由詩11*06-8-20
北風の工場- ベンジャ ...自由詩14*05-12-16
悲しみに別れを告げるとき- ベンジャ ...自由詩12*05-10-13
めくるめくなめくじ- ベンジャ ...自由詩37*05-6-2
あなたから生まれる- ベンジャ ...自由詩14*05-5-16
虹の色が足りない- ベンジャ ...自由詩6*05-5-10
お金なんていらない- ベンジャ ...自由詩10*05-3-30
きたないもののように- ベンジャ ...自由詩10*05-3-29
境界線- ベンジャ ...自由詩305-3-27
黄昏色の翼をかりて- ベンジャ ...自由詩305-3-20
ひまわり- ベンジャ ...自由詩4*05-3-9
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
それが旅立ちなら- ベンジャ ...自由詩705-3-7
鎖骨の奥のあなた- ベンジャ ...自由詩6*05-2-9
「錆びたトタン」より- ベンジャ ...自由詩12*05-2-1
「さよなら」と言ったとき- ベンジャ ...自由詩5*05-1-31
空と大地の間で交信する- ベンジャ ...未詩・独白7*05-1-30
宇宙- ベンジャ ...自由詩6*05-1-26
青い空を知らない- ベンジャ ...自由詩9*05-1-17
銀世界- ベンジャ ...自由詩8*05-1-8
細胞たち- ベンジャ ...自由詩8*04-12-30
この雪は積もりそうです- ベンジャ ...自由詩4*04-12-29
灰画- ベンジャ ...未詩・独白6*04-12-15
夢見る深海魚- ベンジャ ...自由詩7*04-12-15
書きかけの手紙- ベンジャ ...自由詩4*04-12-15

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