すべてのおすすめ
ぼくのいえの
おとなりさんは
おれんじの
かべで
ほそながくて
みどりの
かみのけをした
かぞくが
すんでいる
あらしのひ
かんばんが
あたまに
ごつんって
あたって ....
夕日からしたたる
オレンジ色の果汁を
黒いボンネットではじいて
ハイウェイ
海はぎらぎら
一日のおわりに感動してうるんでるね
世界が古びた写真みたいに染まる
グラ ....
この庭を今
黒猫が横切りました
急ぎ足です
影だったのかもしれません
向日葵は私を追い越して
手探りで空へ
夕暮れの角度を真似して
ちょっと斜めに傾いてみると
向日葵と空が
一緒 ....
なんの思い出にもならないパンをかじる
作った人も売った人もおぼえていないパン
レシートもなければ味もない
名前はなんだっけ
そもそもほんとうにパンだっけ
おなかのこどもはもうあいたよ ....
悲しみの扇風機に顔を近づけて
あー、と泣けば
雨が降る
扇風機は
どこにも行かない
たまに、本物の宇宙人がやってくる
古ぼけたジャムのように
君の記憶が
水になる
そちらは
どうですか
晴れていますか
からだは こころだ
こころは やっぱり からだだ
だから からだが とまると
こころも とまる
それでも からだは
こころとして
みえないものに
....
うたに
あわせて
リズムに
うまく
のっかって
けん けん ぱって
まえにすすむ
ときおり
バランス
くずしそうに
なるけど
けん けん ぱってね
けん けん ....
ほしまつり きんのほし
つきまつり ぎんのつき
ふえのね たいこ かねのおと
きつねに たぬきに やまねこ いたち
うさぎに りすに むささび てん
どこか わからぬ ....
カタツムリは眠りからとけ
雲は姿をたちまち透かす
おまえはありもしない虹を見ては
何食わぬ顔で明日にむかうことだろう
憂鬱は空に達し
そうやって
そうやって
私は存在をなくしていく
蛙 ....
五感をはたらかせて
すれすれ を
歩いてゆく
波が薄く寄せるので
バランスを崩しながら
逃げよう
追いつかれたら
もうそこは恋で
出たり入ったり は
さくら貝 ....
むむむの
はとどけい
ぱかっと
ひらいて
どうも
どうも、
なんて
はとのすがたして
ちょっと
きょうしゅくしたりして
よくわからないけど
えどっこで
「あっし ....
海が
ちいさないびきをかきながら
かぜにふかれている
いるかが
とおいきおくを
うたっている
ゆったりと
こすもすがまわり
ぼくらはやがて
かぜになる
草原の秘密基地
今はもう影だけで
虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ
通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
そばを
とおると
あぶないよ
いま
からだじゅうの
ネジがとれそうなんだ
おっと
ほらほら
そんなこと
いいだした
いまでさえ
ぽろり からり
おとしそうに
....
ゆら
ゆら 男が現れ くしゃみする
丸くなる背中 男 ひとり
ゆら ネクタイが 飛ぶ
男 引き上げられる 皮靴
会社へ 行きたくないと
取り払う 背広 ゆら 名刺
雲雀の羽 離れ ....
とってん
からから
ちまたを
ゆく
とけいと
ぼくの
とってん
からから
ときを
きざむ
ほうそくは
ちょこっと
そくどが
ちがう
ふと
みぎどなり
す ....
心も体も逆立って
どうしても眠れない
汗だくになりながら
何度も何度も寝返りを打ち
記憶を掻き毟る
流れる血の色は
見たこともない
どす黒い色で
こんな満月の夜にきっとわたしは
....
夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る
デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
壊れちまったぜ、ベイビ。
高速の滑走路で月まで飛んでいっちまった。
探してたあの子は
月明かりの下で俺を笑ってる。
ベイビベイビ、どこまでも遠い。
いつか夢なら逢えるかも。
....
軒下で猫が鳴いた日
街は雨だった
雑音が混じる電話の
聞き取れない君の声
こんな日が原因かもしれない
街に
傘を持って
ついでに長靴も用意した
ばらばらに音が降ってくるので
軒下 ....
長い長い眠りから目覚め
ゆっくりゆくっり目を開ける
繰り返し繰り返し見ていた
悲しい悲しい夢が瞼をかすめる
なぜこんなにここは白いのかと
あたりを見回す
白い壁
白いカーテン ....
108号室のスガワラさんは
ボンノーのかたまりのようなひとです。
っていっても子ボンノーですけど。
今日もまたカベごしに
「たかい、たかーい」
ってきこえてきます。
「たか ....
海からは程遠いこの部屋で
僕はパン生地をこねる
できるかぎり薄くひらたくのばす
それを焼くための釜がないこの部屋で
彼方の水面
君は手をかざしていた
何が見える?
「何も ....
こつこつ
ノックは
なんのおと
ひたひた
しみるは
なんのおと
ぼくの
まわりで
ちゃかぽこ
ぴょん
ざぁーざぁー
いったり
きたり ....
路上の車の窓ガラスを
ツバメの低空飛行が横切る
それを見ないふりをして
7月はやってくる。
その間にもわたしは
あなたのことを見ている
アジサイの花びらで
四つ葉を作ってよ。
....
あなたは
とてもかなしく
笑う。
こすもすの
ひろがりのように
笑う。
いきものの
さがをいとおしむように
笑う。
くるしみ
くもりぞら
町
ちょっとむしあつい
いぬ
かわいい
くろい
ちぃちゃな
いぬ
みてても
人々
すぎゆき
押し返し
なごま ....
街に忘れかけられた
公園のベンチに座って
西日の中の滑り台の上では
始まりかけた夏が
くるくると回っている
夜に向かっている
夕暮れの片隅で
ジャングルジムの天辺じゃ
出たがりの金 ....
まわりの
おんどは
うらはらに
つめたくなってゆく
ては
わたしの
こころを
みすかした
ぶんせきすべきは
そのことば
ぶんせきすべきは
そのうしろすがた
ぽこ ....
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