すべてのおすすめ
朝と別の朝はつながり
声や水を憶えている
光や傷を憶えている
頬をかすめゆく小さな 小さな
見果てぬもののかけら かけら
定まらぬ世界をゆく定まらぬもの



水色と銀色
 ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
あなたの
黄金の背の裏側の
やわらかな音が風をわたる
浮き沈み
絡み合い
陽のにおいに波打つ



雨ではない雨
雨のままの雨
けして閉ざされない湿り気として
地平線と ....
窓のふくらみの目がひらき
風をゆっくりと見わたしてゆく
どこからか来る黄金の音
越えてきた土の混じる音



目には青空と野が映り
どちらも南にかしいでいる
煙る碧と子らの手 ....
 一人でいることに、何年も飽きなかった。シートの、海に伝わる神話を読みながら、永く暇をつぶしていた。精霊の女、の横顔の表紙。空腹の中、海に向かう道、カセットで、オペラを聴きながら、わたしは車を走らせた ....  

  
 杏のさがは悲しい地下鉄
 もぐらのように
 地底に潜っておはようをする
 何層にもエスカレーターを
 乗りついで地獄篇*のアクリルにあう
 蜘蛛の巣のようにはりめぐらされ ....
                  「メリーゴーラウンド」 11

  声

何度も何度も
くりかえし読んだ童話がある
街はずれの丘のてっぺんに
大きな観覧車があって
雨の日も風の日も ....
夜の真ん中の
縁をなぞりながら
影だけの月の
少しだけ零れる明かりを
晴れることの出来ない日
ここでも
傘だけは、ある

夜に、越えられずに
息の詰まる深みを
ゆっくりと
息を入 ....
迷子のお知らせをします
赤い帽子をかぶった
ワンピース姿で
後期量産型の
中年男性が
迷子になっております
アナウンスはスロープを
なだらかに崩れ落ちる
伏せられたメガホン
かぶせら ....
昆虫を描いてばかりいる少年が
今日は汽車の絵を描いた
たび
と口にしてみる
えい、やっ
気持ちをくしゃくしゃに丸めたい気持ちになって
余白にひどく不釣合いな
一匹のノコギリク ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
ひとつが
どこまでもひとつに感じられ
ふたつが
どこまでも数え切れなく感じられる
街が街を過ぎるような
水のような音の時間を
子は歩む
子は沈む



千の手の波
 ....
ロウソクが一つ増える度
アンテナの数は減っていく
小さなことに喜んで
小さなことに傷ついていた頃
ガラスのような脆さと透明感を
恐る恐る抱いて生きていた

今はもう少し図々しくなり
そ ....
たったひとつの睡眠を
羊たちと分かちあって眠る
もこもこしてるね
なんて今日は言わない
めえ、と寝言を言っても口をふさがない
数をかぞえない
何も思い出さない
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
すうすうと水は目に入る
水には空に向かう手が映る
曇は過ぎてゆく
地には駆けるものがある



どこにも行けない火が
どこにも行けないことを知りながら
十月の光にはばたいてい ....
人間を止めたい日には
零れそうで零れない
流れない涙に黙祷を捧げる

風にゆれる彼岸の花を見ながら
遠い彼の地の人々を思い出す


無償の愛に包まれ生まれ
無償の愛に育まれた

 ....
 
 たった一言交わして
 すれ違うだけの人にも
 私を憶えていてほしい
 それは贅沢なことだろうか


 食卓や墓地や廃屋にさえ
 いつも人の面影があった
 私の生まれは人だから
 ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう

ときおり
あっ、とか
 ....
木漏れ日の落ちた

静かな川の流れに



映してみる

日々の暮らし

己の姿

こころ



清らかな水面に

とうてい映しきれない

複雑模様

 ....
僕がほんの少し目をはなした
その隙に
君はまた万引きしてるし
暑い午後

いったいどんな手口なのか
それは知らんが
普段はずいぶん平凡な娘で
トロいくせに

バナナ
分度 ....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる

おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
今日の朝

シーチキンご飯を食べた

一日三食

睡眠七時間

食べて寝るだけ


それが僕にとって生きること

生きがいは・・・・今考え中
また浮かび上がっていくことになったとの事で
もう二度と水蒸気にはなれないと想います
ほだした絆のロープは、きしんだ音をたてて
また雲っていう 名前になるんだってさ
ぼた餅みたいな しり餅ついて ....
おおきなみずいろのそらを
とんでいるとりはじつは「か」で、
じんせいこんなもんだと
しんみりおもうのです。

きみがとっぴょうしもなく
かたをポンポンするから、
なきそうになります。 ....
遊星の昇る日
空の縁
半円を描いたら
落ちていく


時々振り返ってみたり、見上げてみたり
大通りの騒音がすっかり馴染んでしまったせいか
空の動きのほんの少しなら、気にならなくなってい ....
ゆうぐれが
ひとつずつ死んでいく

さよなら、それでも
また明日
会えるといい。

なんども手をふる
彼は
東ばかりを見る



橙の
奥 ふかく
つめたく 
や ....
冬の間 
じっとしていた玄関前
夏になると
手がいっぱい 
青々と
生き返り 
軽やかに


おいでおいでをしている
風がそよいでいる
手の形がたくさん


にぎやかな木だ ....
つきのいし.さんの自由詩おすすめリスト(899)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かけら- 木立 悟自由詩604-10-25
図書室- たもつ自由詩3704-10-21
血と冬(わたしとけだもの)- 木立 悟自由詩304-10-17
ノート(こがね・ふくらみ)- 木立 悟自由詩604-10-15
バード_(「バード連作集1」)- 光冨郁也自由詩20*04-10-13
白鯨*- 天野茂典自由詩304-10-13
- アンテ自由詩604-10-13
月曜の夜の晴れない日- 霜天自由詩1004-10-13
3000リットル- 黒川排除 ...自由詩804-10-13
一日の終わりに- たもつ自由詩1504-10-10
あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
降り来る言葉_XVII- 木立 悟自由詩704-10-7
アンテナ- 快晴自由詩3*04-10-7
誓い- たもつ自由詩1804-10-6
忘れられた女- たもつ自由詩1504-10-4
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7304-10-4
響水領- 木立 悟自由詩604-10-3
彼岸花- 斗宿自由詩1*04-9-28
人_(2004.9.25)- 和泉 輪自由詩2904-9-25
真空フラスコとティンカー・ベル- umineko自由詩45*04-9-20
根拠のない永遠(その翌朝)- たもつ自由詩1404-9-15
「_せせらぎに_」- 椎名自由詩104-9-15
くらし- Monk自由詩5*04-9-15
- AB(な ...自由詩1404-9-14
普通- ナガシー自由詩204-9-14
ふゆうものがたり- 祐伸自由詩104-9-14
じんせい- 月山一天自由詩404-9-13
遊星- 霜天自由詩804-9-13
土の匂いを噛む- 自由詩13*04-9-10
ヤツデ- たまご自由詩4*04-9-8

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