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睡眠が追いかけてくる
ひたひたとひたひたと
眠りに落ちることによって
この体系が崩壊するイメージが
ぼくにまとわりつく
秩序は乱されるために存在し
常に潜在的な破滅が存在する
瓦礫の ....
浴衣着て髪をゆって会いにゆきたい
慣れない下駄は足をきりきりひずませ
夏の暑さが心地よくなる
柔らかい心が潰れてきりきり悲鳴あげて
あの日一人で見上げた橋桁の花火
....
果物屋のおばちゃんは
リンゴでピラミッドを作って
バナナにそれを眺めさせて
スイカでバナナのための日影を作ります。
どこよりも甘いグレープフルーツを
毎日同じ男の子が ....
たまには外に出て
散歩でもしようと
ぶらぶら街中を一人歩いてみた
毎日の張り詰めた空気が
あまりの快晴にどうでもよくなり
胸のあたりがくすぐったい
通りかかった音楽教室から
見覚 ....
ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変 ....
青臭い匂いが
つんと鼻をかすめ
風格ただよう大木達は
ささやかな密約をかわしている
静寂に耳をすまし
一歩
ゆっくりと踏みだすと
山猫が背をのけぞらせ
大あくび
ぽっかり空いた暗闇に ....
帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨
ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた
縁取り、白
フレームは銀
それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて
....
今を足蹴にして 昨日にツバしても
守りたい物がありました
月がみていた あなたの秘密
月が嗤った わたしの憶い
月が謳った ささくれていく心を
寂しい夜が膝を抱え
....
彼女は振り向いた
おかしな顔をして
僕は何も言えず
苦笑いをした
愛することなんて星の形のようにうまくひっつかないんだ
いくら輝いていようとも
いくら見えていても
僕はうつむいた ....
排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる
部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー
守りが約束されているの ....
時が人を変えるのではない
その人がその時をどう生きたかによる
自分に責任を
今のあなたはあなたに作られている
もやと
白い光と
雨の降る音と
どこかで掃除機をかける音が
ゆっくりと
窓から流れ込んでくる
それから 誰かがずっと
なにか語りかけているのが聞こえる
心地よく穏やかな声
朗 ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった
ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている
道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた
陰った景色は
....
消えたカラダを
拾い集めに
旅にでる
ゴミあさりして
錆びた鉄板を胴とすると
腹からピューピュースキマ風
コンクリートの下から
生えている草を指にすると
たよりなくふにゃり ....
原をわたる風は沈み
日陰はまるく動かなくなる
中庭のまんなかでひとりの子が
空をあおいで立ちつくしている
風は草に降りた鳥たちに
気づかれることなくすぎてゆく
雲を焦がして ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか
思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら
月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
胸の奥につないだ
遠い思い出の時間は
時折
甘美なひとときを
わたしの中に
もたらしてくれるけれど
つなぎめが
とても痛くて
ささえきれなくて
今にも
ぷつんとちぎれて
....
はりついたちりぢれの
鱗のようなゆううつを以ち
こうして居る君は
見るもの全ての目に留まり
詩のように据える
それを誰もが秋だと覚え
ひとつの忘却にあてがい
それぞれの食卓に眺 ....
蛍の熱さの砂のくぼみに
産み捨てられたまだらの水晶
偽物を探し求める群れがゆく
風は足あとに倒れつづける
空を機械の音がまわる
網の内の冬
三重の星雲
....
春の色よ
飛び出すのは今だ
それは、今だと叫んでいる
春の景色よ
きみはやさしさに包まれる
そよ風にのって
きみの命は、はばたき ....
一篇の詩に洗われて生まれてきた
風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く
{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
....
ばらばら つち
のど こすり
だくおん あやす
かや なびく やかい
かげぎぬ の ぎょうこう
されぬ あかみ
くずし うつす つゆたま
わけいる つきの あし
ほ ....
ふっ、
ふっ、と、
ふれてゆく。
静かすぎる夜に、
綿毛の意志を運んでゆく。
日にさらされて、
火にあぶられて、
またもやさえぎられて、油っぽい焦りだ。
ふう。
....
右と左を足してトシの数で割ったら真後ろになったらしい
上と下を引いてカネの量で謀ったら一面にのったらしい
自然災害が自然に見て取れないらしい
成功者が人格者に見て取れないらしい
....
うずくまった鳥が
地上におりた日
オレンジの花は
空をながめていた。
空の下 星の上 貴方との朝ご飯
爽やかな日差し 浴びて進む時間
ここは片隅か中心か 極端な世界観
いつまでも 生まれたてのように
何事も 上手くいくわけじゃないけど
ひとつ 成長しては ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中
それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまった ....
つよい風でゆれる木が
叫び声をあげている
夜は
だれかが故意にこぼした
つぼの中身
ぼくの指先までも暗闇で包む
視覚をうばわれて
ぼくも叫ぶ
泣いてみせても
だれ ....
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