すべてのおすすめ
きっとずっと昔から変わらないんだよね
れんげ畑に座っていたあの頃から
茜色の空は繰り返し
私を迎えてくれていたんよね
いつの間にか見なくなった
忘 ....
まとわりつく寒さと湿り気に
からだの花は目を覚ます
欠けた明るさ
まばらに降り
起伏の上にうすくひろがる
曲がり角に集まる闇へ
消えてゆくひとりの背の影を
あなたは海 ....
廃墟の街 焼け野原にひびく声
人々はなみだを拭い立ちつくす
蒼白の入道雲 そまる
白朱へと
たび人は ソフト帽に丸眼鏡
しずんだ日のもと
嶮しき夜の丘へと
歩いてゆく
....
もし人間が 地球で一番のゴミだとしたら
この地球は 宇宙で一番のゴミ箱なのかな
僕等人間が 好き勝手描いた夢は
この日まで 生きるために使ってきた
エネルギーの 何分の一の大き ....
さてもさても
誰もかれも信じられなくなってきた
僕のことをわかるのは僕だけだ
君にだってわかりゃしない
不完全さは人を安心させる
明日には誰かから聞いた
おなかに優しいらし ....
だって
どの午後にも
煩い色彩がありました
静けさは無く
とりわけ静かな白は無く
ぬるい絵の具にわたし
どうしたってなってゆくみたい、と
教わらなくても、 ....
きれいなあきびんを
ひろったので
ひとり
となづけた
ごしごしあらって
ちいさながらすだまをいれると
そこをころがって
からからおとをたてた
まどべにおくと
ひとりは
かぜやあ ....
なぜだ
なぜふられてしまったんだ
この不快感はいったいなんなんだ
何なんだいったい
おい誰か何とかしてくれ
内臓が迷子になった
うう
家がない
確かにここにあったはずなのに
その中に ....
つよくつよく
いだいていたきもち
ふとしたしゅんかん
このどうしょうもない
スコール
おねがいです くものきれめを さがしているのです
たいようは
あたたかいことを
しって ....
光の
光りはじめと共に
鳥が始まる
朝の
あと、少しなんだ
四角い窓枠がなければ、人間を忘れられる
身体がなければ、わたしを忘れられる
朝の
鳥が始 ....
激しい睡魔に襲われながら三日月は
いっそ雨になれば良いのにと思っていた
軒先でギターを弾きながら渡辺さんは
一昨日見た夢を何とか思い出そうとしていた
渡辺さんの「246M」をMDで聴き ....
シーソーの両端にふたりで乗ると
どちらか重たいほうが地面に着くんだ
シーソーに乗る前から分かるものなんだ
どっちが重たいかってことは
駆け引きなんてものはない
君がいくらわたしの方が
重た ....
夜多き午後に生まれて
水に逆らい 森になり
少しだけ埋もれた地の月を見る
暗い光の束を見る
血のにじむ手のひらの先
雲に重なる雲を見る
空が示すものに応えつづけて
ひ ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた
さよなら
さよなら
さよなら
夏
駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
いくらだって涼しい
夏の夜に熱をあずけて
じょしゅせきから
あなたのひかるめがねのふちを
みつめる
星は
いつだって
ここにあるよ
はるな湖のりんか ....
僕は一頭のロバ
痩せこけて貧相な一頭のロバだけど
君の重い荷物を背負って
毎日運河沿いの道を
とぼとぼ歩む
僕が何か粗相をしたときは
右手に持ったサボテンで鞭のように
僕を叩いておく ....
空から下りくる
花のつぼみに目を閉じる
花を戴き 花をいだいて
花にいだかれて
花のなかに咲く蜘蛛に
目を閉じる
昼の雨
夜の雨
濡れた緑に影を落として
朝の光 ....
言葉は形そのものだ。
つまり本質である。
壊れることのないもの。
失われることのないもの。
永遠に変わらないもの。
....
ここが
せかいのはしっこだ
もんばんが
ゆびさした
しょっていたものを
ぜんぶすてると
からだがかるくなった
せのびやくっしんをするあいだ
もんばんはうでぐみをして
かぎのたばを ....
追われてゆく、陽の速度に倣って、大気は燃えている。すべての失われた魂を鎮める夏。その高温へと連れて行かれる。靴の紐がほどけている間に、素早く足裏をさらけ出し、女の後ろ髪がほどかれる間に、どうにかいまを ....
青い青い空を
どこまでも続く空を
落ちていく私
海に沈むことも無く
大地に刺さることも無く
落ちていく私
私は何故か不安も無く
むしろ昂揚した気分で
遠ざかる空を
飽きる ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
それは明け方病院からの訃報
病の床にあった父親は
生命を生きることから開放され
静かに去ったという
今を生き残るものたちは
悲しみはさておき
思い出話を必死にかき集めるが
肝 ....
空の影
雨の輪の下
土に立つ火の槍
みずうみを照らす
雨の瞳が
水のまわりをまわり
ゆっくりと中心へ近づいてゆく
沈むより先に浮かび
浮かぶより先に沈む
....
光アレルギー
シンメトリー標準的にうつ
常に、こぼれ落ちる血液のように
害虫が
熱風に舞い、撹拌され
私たちの肉体に被弾し続ける日常には
何の特徴も見られなかった。
それは完全に ....
九月になれば
誰かが語る
わたしは頷いてみる
そこに誰かはいない
誰かが語る
語り尽くせないほどたくさんの物語を
空には大きなノートが広がっている
鳥はそこに詩を描く
誰かが語る
....
その人を
密かに私は欠片と呼ぶ
遠く離れていても
いつも傍にいる
会えないことの悲しさも
自分の欠片が
どこか知らない街で旅してるだけなのだ
と思うと希釈されるのだった
私 ....
谷の底に静かな村がある
昼の光が色あせて
働く人たちが 夢もみず
疲労のなかに眠ると
月と星が そこから昇る
鳥の死んだ目
亀の
平べったいの
動かない
体は来ない
のに心に来る
心が立ちすくむ
昔は
いきものが苦手だった
来るものの
怖さを
小さい僕は
よく知っていたのだろう
....
それは
いまにも
きえいりそうに
ふわふわと
ぼくらのまえに
あらわれ
ながれにおち
うすみずいろに
ひかりながら
ながされていったけれど
あのひ
こげちゃい ....
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