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よく晴れたからお散歩に行ったよ新宿に
気持いいから君も誘ってあげようと思ったけど
五丁目まで行ったところで日が暮れてしまった
靖国通りは駐車タワーを過ぎると途端に郊外じみて
人影の絶えた街は芒 ....
府中市立白糸台小学校
校庭の一隅には珍しく
二宮金次郎の銅像があり
{引用=刻苦勉励・立身出世de官僚の道}
総身黒ずんだ彼は
歩を運ぶ態勢で停まっておるので一見わかりづらいが
用心しいし ....
鳥肌実の美しい右翼
小田実の美しい左翼
何でも良いが信念ならば
身・銭切るべし幻想にはな
本買う程度の小銭でなしに
街宣車買え
対戦車砲撃て
腹かっさばいて噴水になれ
生恥の身投げて人 ....
移ろいにつき従うなら
時ではなく
私は風について行こう
それはいつも流れており
地上を巡り行くから
私は世界を旅するだろう
決して行き着く事なく旅するだろう
過去を嘆く事もなく
未来に ....
月が紅くなったので
酒がすっかり不味くなり
呑み屋はどこも缶コロリ
夜目裏新聞そのよにあります
月が紅くなったので
白のノラ猫いなくなり
ひん剥き出された肉のよだ
白鳥アヒルも見なくなり ....
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
夜ごと女は白面を貼りつけ
コラーゲン、ヒアルロン酸、レチノール誘導体
スクワラン、高麗人参エキス、丁子エキス
零芝エキス、甘草エキス、陳皮エキス
当帰エキス、真珠エキス
面皮が乾くと浸透の幻 ....
その夜半、電話が鳴った
冴え冴えとした月光の前庭を
一本の意図が貫いた時
女は不快な胃もたれの中で横たわり
じっと目を開けたまま
太陽の午後と雑踏の音楽を想っていた

女は喪服にアイロン ....
しかし何故羽根を持たないか
我々がそれを具有していた
(些か夢想的な)証である
残滓としての肩甲骨
その悲しい佇まいを見よ

また何故海を恐怖せねばならないのか
産声と共に肺呼吸を開始し ....
男は毛まで立っている
口の周囲を
まるで鉱物よろしく皮膚を押し上げて伸び
 (しかしありがたい事に
  神はそれを顔下半分のみに留めて下さった)
陽に透け腕を覆っている
何と安物の古毛布の ....
天下諭吉を壱枚弐枚
どーでもいい女だけ抱き
月に向かって好きだと吼える
元カノを亀の主食に股間見る
君はサイコロジカル・チェリー
耐えかねて握りしめた手のひらは
いつも汚れていつもからっぽ ....
{引用=現代狂言}
般若(シテ)、男


男   母上様、母上様。

般若  なに用。

男   それがしの願いをお聞き下さいますか。

般若  事と次第による。

男   薄 ....
て何だ
ガソリンスタンドはこればっか
客に手を汚せというのかしら
石油の匂いは嫌いじゃないけど
まどっちかゆーと愛してるけど
可燃性危険物がボタボタ垂れるレバーハンドルを
何で金払ってまで ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
 あんたの事は食わしちゃる
 あたしが部屋で何しとるかは
 詮索せんといて
 覗きでもしたら出て行くきね

女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
ふと雑誌の広告を見て
コーセーという化粧品会社の存在を忘れていた自分に
ちょっと驚く
長らくpdc(ポーラデイリーコスメ)を使って来たからか
いずれ価格帯のせいだろう
ドラッグストアやスーパ ....
雪前は冬が温む
低気圧の湿気が降りて
虚の体積は収斂する

降る雪は音を引き上げる
積もる雪は世界を聾する
雪は聴力を催眠する

未明
耳を澄ます
動物として耳を澄ます
(1.意 ....
スー・チーは全くかしこい
十七歳のおばあちゃんなのに
この冬から
おとがいを同居人の鼻の頭に擦りつけて
痒みを解消する手管を見つけた
たまに唇を舐めてくれるようになったのは
やっと同類と認 ....
ラッシュアワー
千本足の林立の狭間
スーツケースからはぐれた
よそ行き幼児が泣いている
わめき声は動物じみて
朝を病んだ善男善女の苛立ちを
憎悪域にまで掻き立てる
半ばは勤労地獄に子を詰 ....
 謹んで新珠の御慶びを申し上げます。御父様つたら昨夜の破魔矢を旧年のとお思いになつて、神社へ納めに行かれたのですつて。 恒子


 スミソニアンの地下ボイラア室にはホオチミンの木乃伊が刺さつてい ....
ゾウのすむ森
という名の運動場
いちばん小さいウタイは
頭を振っている
振り子みたいに夕暮れ時
歩いてやり過ごす二頭をよそに
空中に鼻をしならせ
耳朶で風を鳴らすよう
右に左に頭を振り ....
高い高い塔の上
いにしえの鎖の枷のその先に
脱ぎ捨ての襤褸と見まごう
汚物まみれの女の転がる
まだ生きおるぞ
ひび割れの口ぱくぱくと
慟哭、悪罵も枯れ果てて
面影に爛れの眼から涙を流し
 ....
これは君主を戴く国ならではの
「ああ、どうしましょう!」な
悔恨の忠義立てかな
申し訳より“OTOSHIMAE”
日本人には解りやすい情動だけどさ
{引用=貞女にして勤労賢母
ウィニフレッ ....
娘は
今日も一日家にいた
年を取るのは嫌だ嫌だと言いながら
母親は水ぶくれの手で
何種類ものクリームを塗ったくっている
客の食べ残しを載せた皿を今日も洗う為
にせ鰐皮のバッグは椅子の上
 ....
金もナク仕事もナク
展望も若さもナク
妻子には捨てラレ
責も任も負ハズ
誰にも期待さレズ
東にも西にも行カズ
誰を労ふ用もナク
暮しの足は大丈ブ
家計一人このオカズ
雨にも当たラズ
 ....
体臭は毛布のようだ
男臭い布団はそれだけで暖かい
男にとっては逆だろう
遠い子宮の記憶を辿り
疲れた胎児は体を丸めて
全てを忘れて眠るのだろうか
女の体の匂いの中で

私には子宮より
 ....
 目には目を
 歯には歯を
タカ派のネタニヤフを選んだ時から
この基本方針の底上げは決まっていたことだ
 目ん玉1ケにつき10ケが100ケに
 歯1本につき建物1棟が1街区ごと吹っ飛ばすに
 ....
 讃辞

あなたのセーターは暖かそうだ
あなたの体は温かそうだ
あなたの体温は優しそうだ
心が優しそうだ


 犬

霧雨がそぼ降っている
門灯はあかあかと
門扉は堅く閉ざされ ....
マダム・スミダを貴方に
   (原題:Serve The Last Pie For Me) 
     {引用=作詞:Doc Pomus・Mort Shuman・岩谷時子
補作詞:因縁崎渡世子
 ....
冬の季語は陽だまりの猫
私は三匹の寝子の母親だから
人間だけどまどろんでしまおう
北風の中を歩いたところで
ろくな事はないよ
みっともないほど着膨れしてても
身ぐるみ剥がれた樹分でみじめだ ....
太郎さん
紛らわしいぢやありませんか
太陽の「とう」と云えば
 ♪こおんにちわぁ〜こぉんにちわぁ〜っ
世界の国ではあの梅原画伯と同じく
 「こらぁルノワールとセザンヌの折衷だべやー」
何の ....
殿上 童さんのsalcoさんおすすめリスト(289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ねこと神楽坂- salco自由詩8*13-3-14
二宮考- salco自由詩1*13-3-12
思想碑- salco自由詩4*13-3-8
慰藉- salco自由詩11*13-3-6
色変期(しきへんき)- salco自由詩5*13-3-3
砂をんな- salco自由詩18*13-2-26
仏壇をんな- salco自由詩9*13-2-20
喪服- salco自由詩10*13-2-18
肉と骨について- salco自由詩7*13-2-16
毛と肉について- salco自由詩7*13-2-6
月下桜桃(サイコロジカル・チェリー)- salco自由詩4*13-2-3
鬼灯- salco自由詩10*13-1-31
セルフ- salco自由詩7*13-1-27
鶴の恩返し- salco自由詩31*13-1-22
オバサン覚え書き- salco自由詩10*13-1-17
消失点- salco自由詩6*13-1-14
相性- salco自由詩11*13-1-9
貨物- salco自由詩11*13-1-7
一筆箋_恒子- salco自由詩4*13-1-1
振り子- salco自由詩10*12-12-26
徒刑- salco自由詩3*12-12-24
ステイト・オブ・ハラカリ- salco自由詩2*12-12-19
ウェイトレスの娘- salco自由詩11*12-12-16
文句しか垂レヌ- salco自由詩8*12-12-14
- salco自由詩11*12-12-10
遺産- salco自由詩3*12-12-6
修辞- salco自由詩8*12-12-5
マダム・スミダを貴方に- salco自由詩4*12-12-1
北風- salco自由詩5*12-11-27
何ですか- salco自由詩3*12-11-18

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