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おさむとかなめの家の後ろには
同じ造りの平家があって
銀髪をひっつめた細い老婆が住んでいた
地味なワンピースにいつも前かけをして
家作の花をかわいがり
ピンクと一対の青いスイートピーを息子と ....
よく行く空き地の向かい
おさむとかなめの家はくぼ地にあって
ペンキの剥げた木造平屋だった
変な名前!とからかっていた
一学年上のかなめは面白くて
運動神経抜群だった
兄のおさむは頑丈な体つ ....
火曜日の放課後は
グラウンドの半分をサッカー部が使う
野球部はだから守備練習だけ
あとはひたすらスイング、ラニング
ところがサッカー部の連中は
ピッチャーマウンドの盛土が時たま
そのままな ....
耳鳴りのような白日が暮れ
まだしも今夜は
築地渡りの湿った風が吹く
朝からの汗で油染んだような
背中の生地のこわばりが不愉快で
ストッキングは梅雨明けから
本当はスカートも履きたくない
 ....
さかんに水が降りますね
明日に蓋でもするように
おびただしく注いでおります

地面の下はどうなっているだろう
私はこんな時決まって
泥濘に埋もれた兵士の白骨を連想します
それから恐竜の化 ....
 人災テポドン
   {引用=   東京ムービー企画部 作詞
   平壌ダービー企画部 補作詞
   渡辺岳夫 作曲}
父から昇った正日が
草場へ沈む(あっ たいへん)
これでいいのだ こ ....
ロンサム・ジョージ、ロンサム・ジョージ
溜め息みたいにふっ と死んだ
ロンサム・ジョージのニュースを知って
何億人かの人間が
溜め息吐いたことだろう
お前は何の為に生きたのだろうね
手当た ....
こんな日だ
薄曇りがやんわり晴れ
暑くもない、寒くもない
欠伸がよく合う昼下がり
うたた寝みたいな日曜日

乾いた目やにを払いもせず
裸足の男がリビングで
ぼんやりと窓を見ている
昨 ....
日照りつづけば苗が枯れ
長雨つづけば根が腐れ
海がさらえば塩害の
汚染鳴かすな馬子痩せ
棄民の身のうえ口惜しいと
べこの親父がくび吊れば
だれが都会で困るでなし
ダイヤの運行障るでなし
 ....
春が来るたびに
色が褪せて行った
女はテーブルに きいちのぬりえ を開き
サクラクレパスで塗って行く

夏が来るたびに
心が剥がれて行った
何ひとつ帰り来ぬ家の 何ひとつ得られぬ部屋で
 ....
まるちん・るったー
ヴィッテンベルクで思索の散策中
村の娘をやっちゃった
長いおくれ毛、まあるいお尻
めくれ上がった唇が
まるちん・るったー 
そそったと

まるちん・るったー
女子 ....
 成分非表示


1本のソーセージを自我とする

貫く串はリビドー又は時間軸だろう

小麦粉と溶き卵、それに砂糖
このブ厚い衣が自尊心

適温の食用油で適宜に揚げる
これは処世術 ....
舌を切られた者はともかく
一度口に放り込まれたら
二度とキャンディーの味は忘れられない
どんな果実よりそれは甘く
どんな甘味より刺激が強く
思うだに唾液が溢れ
食べ続けても満腹感は決して来 ....
冬の雪夜を仕舞っている
夏の波濤を想っている

儚い薄い殻の外
ひとむれの皐月の襤褸
うぐいす色の花粉を肢に
マルハナバチ
咲き残りの蜜を尋ねて回る
それも昨日のピリカの国へ
曇天の ....
あなたは善い人
選手を案じる気遣いの人
でもうるさい
うるさいです
言葉にならない地団駄と感嘆符・間投詞は
極力要らない
言葉じゃないのですから
解説者なのですから

手に汗握るの感 ....
この顔はデンマークとか何とか
そんな緯度の産
しかもダ・ヴィンチの
妖艶ヨハネが指差す方角からの下賜品
ってところ
そして色素の少ない
血色もないこの乾いた肌は
ケルトの俗謡、ドルイドの ....
空のツリー
その足元に水族館だと
日本人は好きだな
サンシャイン市にも作ったっけ
新名所には水族館
呼び水の呼び水
徒に易くは帰すまじ
展望ついでの家族巡礼
妖しく爽やかデートスポット ....
ニーラは{ルビ主人=マリック}の為に
四種のカリーを毎日作る
チキンのカリー 豆のカリー
マトンかさかな 野菜カリー
グジャラートは三人の女中に
朝昼晩を割り当てている
そうしてその日一等 ....
協議離婚し幼い娘を引き取った母は
幸福追求やまない女であって或る日
男と出会い同居を始める

こうして連れ子という不利は
夜な夜なまぐわう男女の力関係で決まる
小突き回され足蹴にされ
飯 ....
短針はいけない物でしょう? 
あの人に消失の堆積を告げ口するのだもの
毟り取りました
長針だけがぐるぐる回る愛らしさ
それは日を終わらす害意がない、
健気な女の恋ごころ
窓も扉も塞ぎました ....
橋の下市長は
公務員の真皮着色は「そぐわない」と主張する
否、彼の公務員という概念に「フィットしない人体の様態」
という意味だろう
が?
公務員の皮膚に公共性はあるのか。

刺青をするよ ....
例えば
渋谷のセンター街でうんこ座りしている若者を
通行の妨げになるからと追い立てるのは仕方ない
がしかしモラルを問うのは的外れである
何故なら
アルツハイマーのじじいなどは衆人環視で「本物 ....
{引用=Tanning red}
雲ひと筋ない昼下がり
日差しがもう頬を刺す
樹々は一段と深くなり
更地の砂埃の向こう
間延びたロングショットを打ち合う
2面だけのクレイコートの4人は肌が ....
小雨に当たって今日の花は
桜の花々は眠っているよう
だから金環食の事を考える
五月二十一日
太陽、月、地球が一直線上になるという
些細な椿事の天体図を想う

それから太陽のフレアになって ....
はらはらと花のすずろに散る夜の
天に半月血膿のおぼろ

鉢巻の日の丸手向けきりもみで
修羅が散花の空挺部隊

施餓鬼会の夜風に濁声放ちます
モンペ逆子の父恋唱歌

皮膚病の犬のあばら ....
         作詞 花 水子
         作曲 奥座敷まこと
         歌  キャシー芭菜々田
 赤ちゃん列車


あゝ、カンテラもなく黎明の
生ぐさ暗きトンネルを
 ....
 齟齬の由来

影はいつも
動く舗道の上
坂もスルスル
ずるいね
こっちは歩いているのに
考える人はこっちなのに
のっぺらぼうの頭の方が
よっぽど考え深げ
憂わしげだ
「そうね。 ....
私がクリームを塗るあいだ
兄たちは指さして嘲笑っている

私がクリームを塗るあいだ
妹たちは人形を投げ合って騒いでいた

私がクリームを塗るあいだ
彼氏たちはクイーンのベッドでTVを観て ....
体が重い、頭が重い
手先が器用で走るの遅い
夕やけ嫌い、夜ふけ好き
考えるのが趣味
思うのがよすが
知っているけど知らん顔
わかりもせずにわけ知り顔
かき捨ての恥まみれ
含羞忘れの外聞 ....
夜中、近くで唐突に
金槌の連打が始まった
どこかで屋根を叩く
天気予報では
明日は雨と言っていた
大工は屋根を叩く
厚い雲の下、夜闇の中
もの皆眠る屋根の上
一人の大工が屋根を叩く
 ....
殿上 童さんのsalcoさんおすすめリスト(289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
まえのばちゃん- salco自由詩7*12-8-6
おさむとかなめ- salco自由詩3*12-8-2
安全神話- salco自由詩5*12-7-30
怪談_をんなふくら萩之変- salco自由詩4*12-7-28
黒アンモナイト記- salco自由詩10*12-7-21
替へうた- salco自由詩4*12-7-20
ワンセズ_アポン_ア_トータス- salco自由詩5*12-7-16
日和- salco自由詩10*12-7-8
故事の事故- salco自由詩4*12-7-5
ぬり絵する女- salco自由詩12*12-7-3
検証_淫らはマグダラか馬鹿野郎- salco自由詩6*12-6-30
腸詰めをものする- salco自由詩10*12-6-24
生きる証- salco自由詩9*12-6-21
六月の卵- salco自由詩12*12-6-17
松木さん- salco自由詩6+*12-6-16
女神の肖像- salco自由詩7*12-6-13
水族- salco自由詩9+*12-6-9
クリニズム- salco自由詩16*12-6-5
お猿の森で- salco自由詩5*12-6-1
マルガレーテ_ニヒトステュレン(Nichtstür ...- salco自由詩11*12-5-29
入墨- salco自由詩7*12-5-26
うんこ座り考- salco自由詩7*12-5-24
タニング_レッド- salco自由詩4*12-5-23
位相- salco自由詩14*12-5-20
血判- salco短歌7*12-5-19
演歌のニーズを探る_2- salco自由詩11*12-5-15
かげぼふしのありくくに- salco自由詩13*12-5-13
クリーム- salco自由詩18*12-5-10
人種- salco自由詩8*12-5-9
連打- salco自由詩7*12-5-5

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