ぼくのこの手に

あのあたたかい

陽だまりを拾うことができるなら


あなたのもとに持ってゆくよ




いのりが

ああ、
きこえない



キズだらけのあな ....
眠りかけの夜に

キスをするしぐさの

芳しさ




ああ…




少女は

小さくため息して

壊れかけの夢を

抱きしめていた



 ....
綿毛に乗せた
ことばの行方を
わたしは知らない

それは
さほど深刻ではない心当たりで
暖かすぎる夏の日に
ときどきそっと
距離を置く


まっ白な
姿かたちは
どこ ....
楽しいときほど
思い出してしまうのは
あなたと過ごした夏が、きっと
あまりにも輝きすぎていたから
あいたい、と
そんなき持ちに自分の笑い声で気がついた
だって二年前、あ ....
ひとりぼっちで
過ごしたい夜が
みずたまり
雨の波紋が
せまいむねのうちで
干渉しあう

ふたりだけで
見つめていたい夜が
みずうみ
交互に投げ入れた小石が
たいがんへ
消える ....
目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
 
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
 
 
多分そ ....
頭上に広がる

厚い灰色の雲

突然 切れ間から

青空が見えてきた

それを見て

次の週末に あの交差点で

あなたと別れても

生きていける気がしてきた



 ....
もし、80歳ぐらいで、先に僕が死んだら
「やっと死んでくれて、せいせいしたよ」と笑ってください
 君が死ぬときは 僕が迎えに行きます


君は
「爺さんのお迎えが来たよ 、、、まだ、早 ....
小さく折れ曲がり
玉蜀黍畑にうずくまる
光と共に、空から
夥しく剥がれ落ちる玉蜀黍の葉の
激しい葉脈を見上げる


光、
青、深緑、
夏、
という、灼熱
 ....
車椅子に座る 
小さいお婆ちゃんを 
前から抱きかかえる  

少し曲がった 
「 人 」という字そのものに 
なれた気がする 

ごめんなさい、ごめんなさい 
と繰り返すので
な ....
身体中の夏を零しながら、
どこまで君とあたしは行かれるだろうね、

理解と時間との途方もない距離を思うときプリティ・ヴェイカントは場違いなノイズでしかない。
イヤフォンを片方、君に

ほら ....

永遠に
閉じる日が来ても

耳は
絶対に閉じないでいて
わたしの声を
受け容れていて

肩越しに過ぎてゆく
景色の速さに
その
狂おしいほどの
純粋さでしがみついて

 ....
都会の道路に沿って
綺麗に並べられた街路樹は
まっすぐに立っていたが
その緑は曲がっていた
歩行者や大型の車に合わせて
その枝と葉は
捻じ曲げられていた

緑はいつも
土や大地の色は ....
電車に揺られながら窓の向う
つまらなそうな顔して見てる君よ
僕の声は聞こえないだろうけど
一つ伝えたいことがあるんだ

「そんなにも怯えなくていいんだよ」

毎日何かに追われてる ....
 
深い海を
描いてみて
七色の魚を
泳がせる
ゆっくり
ゆっくり
沈んで
でたらめを
好きなように
歌いながら
そっと
目を閉じて
揺らいでる思考
掬い上げて
笑いかけ ....
あなたが

自分を必要としていると

思い込んでいて

勝手に

色々無理をしたりしました

勝手に

疲れたり

勝手に

悲しんだりもしました

だけど

 ....
これまで
たくさんの人と出会ってきた
ただぶつかっただけの人もいたし
ふり返るだけの人もいた
目線を合わせただけの人も
いい出会い 悪い出会い
たくさんあったろう
だけど私 ....
なにも伝えられない
こんな夜は

静かにあなたの詩でも読んでいよう

なにも言えない
こんな夜は

静かにあなたの歌声でも聴いていよう


今夜だけは

あなた
ひとりでい ....
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ

太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし

太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
1 + 1 = I Love You

2 - 1 = I Miss You
オートクチュール
私ぴったりに、しつらえた愛を下さいますか?

遠き月が啼く夜に
迷子のままでキスをする
盲目のロストヘヴン

でも独りよがりではいけないね
一人で恋は出来ないね

 ....
初めてラムネを飲んだのは
確か5歳のときだった

ママとパパに連れて行ってもらった
近所の夏祭り

小さなベンチに腰掛けて

ガラス玉を落としてくれたのは
パパだった

ビンに口 ....
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した

僕の手は
どんな温度で君に ....
抱き締めて
抱きかえす


口づけを交わして
手を繋ぐ


肩を寄せ合い
眠りに就く




言葉はいらない

だけど

言葉が欲しい
先生、わたし怒ってた
だってね、やったことが酷すぎる
あれはどう見たって 虐待よ

だけど、先生、どうしてこんな早く死んじゃったの?

わたしはもう、あのころの先生の歳になりました
こん ....
楽しみも
悲しみも
自分の体で
起こっているもの

いつも恥ずかしがり屋の
雨の中を立っている
心を痛め
苦痛に耐えている

心の滴が落ちた
夢は流れた
世界の人々が幸せで
 ....
彼女が指を絡ませる

僕の指に絡ませる

くるくると表情を変えながら

楽しそうに話をしている


行きつけのバーに彼女を連れて行くと

マスターが僕に言う

随分可愛い子つ ....
テーブルの向こう側で

少し緊張気味に彼が笑う

あんなに長い時間を

過ごしてきた彼は

いつの間にか手の届かない存在になっていた

街角や

喫茶店に置かれたフライヤーで
 ....
私の中の空が、
ひっそりと雲に寄り添って
涙を流している
 
綺麗な星を散りばめたのに
黒いシミはみるみる広がって
(私は何になる)
 
 
あっけなく夜になって
小鳥のさえずりは ....
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう

雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
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