本を読むのが好きなら
スエードの手袋がいいよって
3回目のデートの時に教えてくれた君
手袋はあたたかいのが一番だと思っていた僕
そりゃあ雪だるまを作る時には
撥水のがいい
スキー用 ....
あの日
君と出会ったことは
偶然じゃなくて
必然だった
出会えたことは
きっと
私と君との間に
なにかが生まれようとしたから
だから
明日を信じてみても
いいよね
君はいつも
自分が歩いてゆく道を
見つめ続けている
道の先には
新しい君と
新しい僕がいることを
きっと願って
君はいつも
自分のいる場所を
迷い続けている
道の上には ....
ハロー、グッバイ
まわる世界
君の手のひら
夕暮れてく空に
まどろんでいても
昨日の続きなんてどこにもない
意識が遠のきそうなほどの
鮮やかなオレンジ
それでもうまく
あの空の青さに ....
何の明かりから順番に消していけば
少しのためらいもなく、眠れるのだろう
どんなに光の射す部屋に迷い込んでも
最後の明かりを消すのはあたしだ
肌寒いこたつの中で眼を閉じても
....
押し寄せる波が私を連れ去ろうとする
どこか遠くの私の知らない世界へ
もう終わりだと知っていた
これ以上続かないとわかっていた
だからこそ
信じたくなかった
この波の音が聴こえるこの ....
プリンタから大仰なオノマトペとともに
吐きだされた紙は
わたしのこころの化身の化身
余白がもう白すぎて
わたしは震えてしまう 指先 くちびる
間のぬけた音がきかい ....
きみは中から凍えていくようだけど
私はきみに触れている指先から凍傷になっていく
きみからぶら下がる氷柱が落ちて
私の足を貫くから
もうどこにも行けなくなるよ
私は冷たい水しか持ってい ....
誰か来てよ
黙ってても良いから
傍に居てよ
言葉はいらないから
お願い 私に言葉を喋らせないで
お願い 私に笑みを作らせないで
共鳴する誰かと融けあいたいだけ
私は一人、円を描き
つま先でリズムを取りながら踊る
夕暮れ時の空は頬染めて
つま先まで 染めあげて
私はは震えを押し隠し
未知の世界に挑むべく
くるりくるりと回り続ける ....
闇に押し潰されて
ぺたんこのあたしと
黒猫いっぴき
三日月の下
『ねこ、ねこ』
ぺたんこのあたしはぺたんこの声
黒猫はにゃあと、
やけに現実でただいっぴき
おまえはあたしを愛し ....
愛してる、と何度言葉にしても
飽和し続ける
あたし、そのすべて
瞳からぽろぽろ
それはもはや溶けることのできない
あたしの愛だ
あなたの舌で掬いとって
味わってよ
あたしの ....
ああ寒いね暗くなってきたし
風が入るね
まあ待って、おじさん違うのよ
おじさん違うのよ
ただのおじさんよ
まあ、
どうやっても二十五分は電車は来ないから、
おじさんの話聞くのもいいも ....
携帯の画面上の
イチバン星みたいに
薄紫の空に
消えていった
追いかけたいけど
向かい風で
足動かなくて
目で追って
背を向けて
・・
・
僕も帰ろう
僕は憎む
青硝子をはめ込んだようなこの空を
あなたのいないこの世界を
僕は憎むよ
翼をなくした僕には
もうこの空を飛ぶことはできない
あなたへの嫉妬でたぎり狂う
僕の醜い心よ
壊れ ....
あの曲がり角を右折すると
あなたのステージは燃えてしまってるわ
火の粉が
ひとつ、またひとつと
逃げてゆく
あ
今度は一度にいくつも
あなたは
愛しい場所と野次馬たちと ....
冬の砂浜で拾った貝殻は
すこしだけ無機質な感じがした
太陽の角度が変わっただけなのにね
心は同じようにここにあるのにね
海岸線をどこまでも歩いて
歓声とパラソルと波の ....
気狂った悪魔は
迷える人を助けた
一つの戦争を終わらせた
地獄への討伐隊を編んだ
気狂った悪魔は
人々の恋路を促す
愛の矢を天使からレンタルした
人々はそれはきっと天使 ....
初めてこの道を通ったとき
小さな花が咲いていることに
気がつかなかった
初めてこの道を通ったとき
向こうから歩いてくる人が
君だったことに
気がつかなかった
初めてこの道を通った ....
勇者は旅に出た
武器も無く
力も無く
仲間も無く
勇者は旅に出た
勇者はどんどん強くなった
武器を手にし
力を得
仲間を作り
勇者はどんどん強くなった
....
風をぐっ、と掴んで
わたしの髪が、ふうわりとクールダウン
こころもちが静かにチルアウトする
ついに視界がひらけて
この丘からの風景は、やさしく収斂されて
頼んでもいないのにひどくうつ ....
わたしのようなものならば
独りの夜は 寂しさもまた友のようなものだ
しかし何の悪戯か酔狂か
時にはおもむろに紙とペンを取り
意を決し かの人に思いを綴る
酒や ....
「キスしてよ」というからした、キスのあとに
「キスしてよ」というカノジョ
まったく
今日1日で何回したと思ってるんだと言えば
「0回しかしてない」なんて
いけしゃあしゃあと
そ ....
夕陽オレンジがとても綺麗だ
と
あなたもそう感じたのなら
わたしの手は握らなくていい
舌を出しながら遊んでればいい
まわる毒がまわったら倒れたらいい
これはきっと夕方のはざま
....
大口開いた土曜の午後に
憂鬱を誘う時雨雲
買い損なった幸福行き切符
今日もこの星行ったり来たり
友人達はジャングルジムでかくれんぼ
雨宿りせし小鳥は幸せ歌う
響き渡る鳴き声見 ....
ゴールに着いたあの人は、
今、何をしてるんだろうか。
何十年かけたのかな。
色々大変だっただろうけど。
おつかれさま。
そうそう。
閉めきったカーテンは、
開けないま ....
家族を見送る朝
友達と別れる時
恋人にオヤスミをいう夜
バカみたいな話だけど その都度
明日は逢えないかもしれない
今日のうちに死ぬかもしれない
バカみたいな話だけど ....
生きてると
嫌なことや
気持ち悪いことや
やるせないことや
許せないことや
悔しいことなんかが
いっぱいある
ま、いっか
自分の心に言い聞かせる
言 ....
大切にしまいこんだ昨日
両の手でそっとそっと
塞がり始めた今日
密やかにただ密やかに
目覚ましを掛け忘れた明日
もう、たくさんなんだよ
何かに追われて、何かをおそれて
夢さえもみれなくて ....
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