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綿毛に乗せた
ことばの行方を
わたしは知らない
それは
さほど深刻ではない心当たりで
暖かすぎる夏の日に
ときどきそっと
距離を置く
まっ白な
姿かたちは
どこ ....
通り雨を
息継ぎしながら
ぼくたちは急いでいた
離れることを
急いでいた
手のなかの熱は
次から次へ
一秒後
つよくなろう、と
{ルビ翳=かげ}りをひそ ....
揺れる、
ということを
幾度も揺れながら
風景は、
まったくとおい
わたしで
あった
と
えがかれてゆく、海
まっ白なのに
それはもう
古いかげ
波 ....
かけ足に過ぎなかった
いまでもそれは
よくみえる
ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い
わからないほどに
からまり続けて
いるからね
....
脱ぎ捨てたシャツには
汗の匂い
それはそのまま
あすへとながれて
うっすらと
口づけをもとめる
よるの首筋は
片付けきらない部屋の
すべてを横切り
とけてゆく
....