すべてのおすすめ
夜のドレープに裂け目が入る
夜明けが裾にそっとくちづけると
私はすべてを脱ぎ捨て
一羽の鷹になって飛んでゆく
まとわりつく冷気を翼で切りながら
あなたを求めて飛んでゆく


   私は ....
{引用=ふたりきりでも まだ
さびしいので
ラジオをつけると あなたは
雨音だけで充分だと言った}

愚痴を云わないけれど聞けない
つまらない女ですから
晴れ女でいいねと羨ましが ....
僕達は容易に 
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら

時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて

無くなってしまったものを ....
悲しみやら
目につけば
水に腕をくぐらせ
滴のきらきらと落ちかがやくさまが
この雨降り以外
かわかし続ける陸のうえ
路の上で

美しくなどないよ
とりあげられたある日は
何 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく

そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート

立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
 ....
二番地の内田さん    前田ふむふむ

白いあごひげをはやして、美味しそうに、キリマンジェロを飲む、二番地の内田さんと呼ばれている、この老人は、若い人と話をすることが、何よりも好きだ。よく、真面目 ....
森の夢―古いボート          前田ふむふむ

     1

青い幻視の揺らめきが、森を覆い、
緩んだ熱を、舐めるように歩み、きつい冷気を増してゆく。
うすく流れるみずをわたる動物 ....
走る戦場に文字を投げつけてると
膠着した後、跳ねられました。

それは拒否ですね
戦いからも弾かれる
世の隅で土を掘り
突き当てた文字を
渡したかっただけなのに

今は黒い空を見て
 ....
暗闇が押し寄せて

冷たい驟雨は街を灰色に染めた

ミッドナイトを巡る 静かな宵

闇 深く 真実の時は流れ始めている
嘘をついたような蛍光灯の下で

折口信夫  読み止さしのページ ....
街なかで白い小鳥を配っていた
籠に入ったたくさんの小鳥を
小鳥配りの人が要領良く配っていく
受け取らないつもりでいたのに
いざ目の前に出されると受け取ってしまう
わたしが手に取ると
それは ....
五月の夜の街道は

緑の風の香りする

きのう遅くにつけた香水


藍の影絵に、

刹那な、微小な

罪びとまえの姿形


五月の夜の街道は

緑の風の香りする

 ....
葉っぱたちのとがったきっさきをさっきから風がはげしくゆらして
じべたに並べられた各種弾頭のことを考える
雨上がりのひんやりとしたゼリーのような中を
ゆっくりと自由に空気を押しながら
あたしは記 ....
降り注ぐ陽光の
ウルトラバイオレット
億千万の雨粒は
一つ残らず光線に撃ち抜かれ
無数のプリズムが
宙に弾けては消えていく
木漏れ日の中で
メロディは加速する
水たまりがスプラッシュす ....
仰向けになった僕の胸に、女がうつぶせていた。二人は裸で、繋がったままでいるから、少し動くたびに、女は小さくため息をこぼした。キスをするとその湿った息で、重たくないかと聞かれた。大丈夫、胸の上で寝かせる .... くすんだ青いタイルに
ステンレスの浴槽
不純な鈍い銀に湯気
小粒の泡に満たされる壁

足は真っすぐ伸ばせない
狭い角ばった湯舟が
都会のビルの林の奥で
私を静かに待つオアシス

窓 ....
 
その奥にはいつも
僕がいた

誰かの家があって
誰かのように
そこで暮らしていた

その奥にはいつも
T字路の
道がふたつあった

僕はその部屋にいた

時々わからなく ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
波線の午後を
すりぬける腕
指の大きさ
夜のまぶしさ
花に埋もれ 花となり
花を生み 花を摘み


深く鏡を被る人
無数の火の穂の歩みの先へ
冬の浪の浪の浪へ
着 ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
                 080513





水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
         080510



生まれたばかりの赤ん坊
歳を喰った赤ん坊
仲良くならんではしゃいでる

これから通る寄り道は
怖いお化けが威張ってる
拳骨 たんこぶ 雛あ ....
激しさの夜を覚えているかい?
立ち止まる君はうすい雨に濡れていた
月が照らしてた
灰色の月がそっと

流れゆく雲は魚の群れのよう
風の音は映写機のようにまわり続けて
吐く息は花のように咲 ....
残像を組み立てていました
それは最果ても永遠も知らぬ 孤独な作業でした
自分の醜悪さと隅っこに残った光 それだけが材料だったのです

それで あなたを 作れると 思っていました

思い出の ....
一週間後に脳の手術をする 
八十八の祖母の部屋に 
慰めの言葉もみつからぬまま 
顔を出そうとした 

{ルビ襖=ふすま}の隙間から 
すべての恐れを一時忘れた 
安らかな寝息が聞こえた ....
沼に沈み
泥を愛した
苦しく重いこころを
抱きしめたまま

窒息する森
痺れた月光
吐き出せない砂利のように
時の流れが喉に詰まる
翳りの中の黒い影
どこにもいけずにたゆたって
 ....
円型劇場を模した半円状の空中庭園
切り取られた空も等間隔に並ぶ樹木も
思わせぶりだけど何の意味もなくて

ただ造形の美しさだけを求めたもの

こんなところで超芸術に出会えるとは
それが証 ....
時雨れて 灯る

電飾の街に
密かに流れている 音楽
それぞれの想いに

灰にむせぶ
軒の低い 並びに

人 人は傘に身を寄せて 通り過ぎ

雨足に歩道は すっかり

足音と ....
いつもじとじと湿っているこの街が
珍しくからっとしている
空に雲はなく
赤裸々に青を露出させている

そしてぼくは手帳の予定をなぞる
風は穏やかに通り過ぎ
なにごともない

なのに
 ....
迷いや憂いが
くもらぬように

目から
胸から
耳の奥から
にごりに満ちて
澄み渡れ、




 愛するべきと
 かなしむべきと
 つつしむべきと叫ぶべきとに
 ....
渡 ひろこさんの自由詩おすすめリスト(2684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五月の鷹- 石瀬琳々自由詩16*08-5-20
- よしおか ...自由詩21+*08-5-20
- rabbitfighte ...自由詩20*08-5-20
らくじつ- 水町綜助自由詩708-5-19
五月のひと- 恋月 ぴ ...自由詩34*08-5-19
マリー- atsuchan69自由詩16*08-5-18
二番地の内田さん—デッサン- 前田ふむ ...自由詩21*08-5-18
森の夢ー古いボート___- 前田ふむ ...自由詩24*08-5-18
カケデスト- 木葉 揺自由詩5*08-5-18
帝都の驟雨- アハウ自由詩5*08-5-17
できごと- 小原あき自由詩34*08-5-17
五月の香水- 吉岡ペペ ...自由詩1208-5-16
夏至- モリマサ ...自由詩28*08-5-16
キラーチューン- 大覚アキ ...自由詩208-5-15
胸の上で、- rabbitfighte ...自由詩6*08-5-15
湯舟と月- 木屋 亞 ...自由詩1*08-5-15
T字路- 小川 葉自由詩408-5-15
パンダなひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-5-13
夜の声- 木立 悟自由詩508-5-13
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
水の空席- あおば自由詩22*08-5-13
盆地- あおば自由詩2*08-5-12
ある夜から- jin自由詩308-5-11
断罪の祭壇- 灯兎自由詩208-5-11
祖母の寝息_- 服部 剛自由詩108-5-11
沈み- jin自由詩308-5-11
超芸術- kauz ...自由詩5*08-5-10
雨に煙る_街_街- アハウ自由詩508-5-10
距離- 餅月兎自由詩608-5-10
澄み渡れ、春- 千波 一 ...自由詩7*08-5-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90