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流行のウイルスは たちが悪いみたい
君のことだから 不用心なんだろう
満月だからといって 明るいからといって
女がひとり夜道を 歩いちゃ行けないよ
....
路地裏のちび猫は
突入する赤に
踏み出す肢を迷わせる
産み落とされた残り香
ずぶ濡れのステップ
行きずりのハーモニカ犬は
油のしみ込んだ木柱に
鼻先をふがふが押しあてる
かつて高く ....
黒縁の眼鏡をかけた教授の講義が一段落すると
スクリーン上に映し出されたままの
夏の星座がゆっくりと回転し始める
古びた校舎の窓側を覆う暗幕は
その歳月 ....
夏祭り 寄り添うふたりで 誓い合う 永遠、、、
そんなこと 夢に描いてた 憧れを 胸に抱いてた
瞼に焼き付いた 君の笑顔は セピア色に見え ....
1
もう、
ふりかえらないのだ
髪をゆらしていった風は
束ねることはせず
つまさきは
後ろに広がる汀を
走れない世界にいて
こころだけがいつまでも
波になりたがっている
....
06/05/02無題
垂れ流した嗚咽のあと
ショットバーで出会った女を抱いた
車の過ぎ去る音が気持ちよかった
いま途方に暮れている
意識が朦朧としているのに
まだ捜している
誰にも似つか ....
?
朝ゴルジ体を食べ
細胞からケーブルを引きずり出し
視覚からネットワークへと接続する
角膜と水晶体と網膜を
ヤニくさい玄関に放つ
わたしの感情の起伏は
たばこの火柱に似ている
数時間 ....
朝、部屋の窓を開けると
鳥がさえずっている
実はあなた
この鳥ではないですか
朝、食卓につくと
あじの干物がでている
実はあなた
この、あらわに開きにされた
あじではないですか
....
どきん どくん
私の傲慢な心臓がこだまする
どきん どくん
なんてわがままなのだろうか!
どきん どくん
まるで反抗声明だ
どきん どくん
しかしあるいは自慰行為の後のようで ....
携帯はコンパクトに似ている
電車のなかで
そして街角にたたずみ
見つめる先に映っているのは
わたしであったり
わたしの知らないわたしだったり
お気に入りに登録した
サイトを巡る
....
夕闇せまる中
水面にゆらり ゆらり
満月に近い月が
ゆっくりさらさらと
映っている
それは
雲が少し出ていたので
淡く光る月だった
そんな中私たちは
海の中を
....
遠くから 私を呼ぶ声がする
振り返ると そこには 大切な人たちがいた
手をふって 微笑んでいた
あのときのままで
どうして 気がつかなかったんだろう
あんなに 心寄せていたのに
いつだ ....
溢れでるものが 涙だけならば
錆びたナイフで故意に 傷つけたりしない
優しい感触で こぼれ落ちるなら
汚れた手を翳して 罪を重ねたりしない
ときどきは 昔のように あなたを想ってる
....
初潮は こなかった。
とうとう この年になっても
恐れていたことが
現実となりDr.の口から 告げられた。
わたしは
子宝に 恵まれることはない。
わたしは 女なのに ....
あたしは あんたのことがきらいだと言う
たてじまのTシャツを着たあんたは 聞こえないふりをして
うすべったい腹を 時計まわりになでていた
あたしには なんの文句もない
いつもど ....
ファインダー越しに 麗しの笑顔
シャッターを切る 指先は まだ青い
かわいい少女 カメラの中に とりこむ
永遠の一瞬 フィルムに焼き付ける
あざやかなグラフティ 妖精のストーリー
....
ヒトのあかちゃんはね
うまれてくるときに
りょうてをにぎりしめて
うまれてくるのよ
ぎゅ〜って
それはもう
すごいちからで
それはね
このせかいにうまれてきた
....
確かめるように差し出した
金魚引換券は
手のひらの熱で
もう、よれよれだ
(ううん
(いちばん小さいのがいいの
(だって
(いちばん大きくなるでしょう?
わがま ....
どっかのブログに書いてあった。
『キャバ嬢の仕事は、夢を売ること』
少し苦笑いになってしまった。
日曜日は連絡つかなくてごめんなさい。
化粧だけうまくてごめんな ....
赤い糸が見えるなら 黙って斬って
脈が打つままに 起こして狙って
眼鏡をはずしたほうが 視界がぼやけて
あのひとのこと 想像しやすいでしょう
誰かの代わりでも あなたなら構わ ....
夜のジャスミンは
嘘のように もったり 香る
群生の競い 咲き
可憐に淡く 仄かのピンク
あまい 夢の光景
女の花
じょうきする 深い谷
茂り 巻きつく つるのしな
初 ....
帰ろうとしたら壊れていた
自転車
サドルが遠く 曲がって
きっと人ごみに
押されたのだろう
かたちあるものは壊れていく
いつから
怖くなくなったんだろう
父の記憶も
それに似 ....
暗がりのなか 痛みを見つめる
舐めとるように
呑みこむように
ひとつの静寂と
ふたつの静寂を
片目は聴く
雨が近づいてくる
羽をひろげ阻む
丘に棲むけだもの
....
心配事の多い夜に
あなたがまつげを上に向けて
なにもない灰色を
そっとめくる
そらのうらがわには
てんごく なんてものはなかった
ただ
春めいたゆうやけがとろけていて
おも ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
途切れがちの遠い波音に
あるいは
いつかの風景の肌ざわりに
私は
何を求めていたのか
カンバスは
筆先の触れた瞬間から
額縁にきちきちと収まってしまう
握り込んだ青い爪が
手のひ ....
もっともっとメを開いて ずっとずっと僕を見てて
君がスキだよ 他の誰かの代わりじゃ厭だよ 代わりじゃヤだよ
君に逢いたくて 逢いたくて 逢えなくて Ah... 辛い
君が好きなのに ....
あたしは、男が苦手だ。
あの優しさが怖い、
優しすぎて怖い。
優しい男は嫌い。
男はあたしに決まってこういう、
「化粧をしてみろ」と。
化粧をしたあたしを見て、
男は欲情でもするの ....
その上目遣いのまなざし
裾に纏わりつきながら
思いっきりの
甘え声で
欲しいものをおねだり
あなたの笑顔は。わたしの総てだった
もう少し我慢したらと
皆に言われた
おとこのひと ....
振り返ってみれば
いくつもの名場面が
風のように流れていました
初恋の別れ路には
薄紅のソメイヨシノが
咲き乱れておりました
老いて衰えた脳のフィルムは
青い春の余 ....
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