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夏の暑い日差しの中に佇む古いビル群
道路の照り返すビルの窓硝子の中
子供たちの笑い声が蝉の音とともに響き渡る
外には溶けかかったコンクリートの街並み
蝉の音を抱え込んだ街路樹
呟きが聞こえる ....
音楽とは何か?
えっ

君は歌っているか
君は本当に歌っているのか
君達の中に音楽は鳴っているのか?

君は奏でているか
君は本当に奏でているのか
君達の中に音楽は放たれているのか? ....
溯れない川の流れに似た
時間に浸りながら
自分の座る椅子を捜し回っていた
私の片割れの具象化した腫瘍は
いつまで経っても不定形の
気味の悪い生物で
恐ろしい程脆い
その割りにはしぶとく
 ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
夕方の地下鉄
小学生を連れた母親
吊り革にぶら下がろうとする悪がき
それを止める自称かぁさん

ボリュームのつまみの無い小悪魔どもは
あっちへ行ったりこっちへ行ったり
結局、母親もスマホ ....

良い夢を見ようと
集中していたら眠れなくなった



仕方がないので
起きようとしたが
眼が裏返っていて
何も世間が見えない

暗転した中、手探りで
部屋の灯りのスィッチを ....
おはよう



僕のベットの隣に君がいる
肉と皮を蒸発させた君がいる
地上に置いていった骨だけの君がいる

ろうそくの炎が揺らめいている
数本の線香のか細い煙が揺らめいている
僕の ....
君の右側がどんどん物化してゆく

歩くこともままならない
食事することもままならない
まして字を書くことはままならない。
自分の署名すら出来ない。
君は苛々する。

もうだめかも知れな ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
突然ブガチャガ窓の外
ブガチャガ悪い缶蹴りが
ブガチャガドリブル人を避け
ゴールに向かって一直線

どんなに悲しいブガチャガに
どんなに苦しいブガチャガに

今日は繕い(つくろい)知ら ....
下総台地の片隅で
遠く筑波の山なみを窺う
古来東国の歌垣は
いま離陸する輸送機の
後方彼方に鎮座する山
男体山に女体山
周辺に遮る山もなく
関東平野の中央に
香取の海を睥睨して
ほん ....
朝靄の中
白い影が一歩また一歩
呟く声の方向は
白い視界の中の山脈
吹雪いている心の中の
一線の黒い帯赤い線

ほんの三ヶ月前には
仄かな暖かさのため
身を寄せ合って生きてきた
そ ....
およそ文芸である以上読者がいて、個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。

詩として

C42 サンフランシスコブ ....
桜並木の木の下には
死体と狂気が
埋まっています。

今年も桜の木の下で
散りゆく花弁ひらひらと

桜並木の真ん中を
足早にすぎる風一陣

見上げる花は真っ盛り
目も眩むばかりの ....
僕は、世界一面食いです。



君は色々な男に言い寄られても僕と結婚しました。


とても優しい君は僕といういい加減な存在をなんとかしたかったのかも知れません。



やはり ....
庭の片隅にある金柑の木
棘の生えた枝の先に
その日もイモムシがいる

太い緑色の胴に
胸には眼の黒丸
突っつくとオレンジの角が
にゅーっと
その日もイモムシがいる

イモムシはじっ ....
白い季(とき)の帳は
突然目の前に現れ
薄いスクリーントーンのように
視界を屈折させる

肌に訪れる
乾燥の刺激と
氷点下の憂鬱
眩い雪原の幻惑は
うなだれた首元に
重くのし掛かる ....
黄砂の舞う交差点
目を細めて上空を窺う
直立不動の小学生の左手には
やや大きめのファーストミットが

反対側の信号機の下
サイドスローの怪人が
華麗なステップで卵を
直立不動の小学生に ....
酒浸りの毎日が厭きてくると、突然思い立って詩なんぞを書き始めるようになつた。

 詩を書くことにしたのは、既に日々欠乏しつつある己の体力と得体の知れない精神と何とか帳尻が合うかも知れないと言う甘 ....
夕焼けなんか見たって
ちっともかっこよくないことは
分かっていたけれど
お金もいらずにかっこつけるには
これしかないから
汚い街しか見えない崖の縁に立って
夕陽を見たりしている。

テ ....
おはようございます。
誰にでも呼びかける太った駅員さん
その改札は朝にしか開かない
仕事や学校や病院や用事で出かける人に開かれる
上の子が赤ちゃんの頃にもそこに居た
9時を過ぎるとシャッ ....
金の無い人間を殴りつけ

ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり

躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く

外の乞食に金をせびる
育 ....
猫砂に埋もれた二人の思い出は
一部は綺麗に乾涸らびて
形だけくっきりと存在している

一部は砂がかけられずに
異臭を発して、未だ砂の上の鎮座する。


軋む心と身体を引き摺って
ほん ....
あなたは笑っているのか
どこにいてもわかるお日様の声

私たちの心臓は揺れていて
駆けつけたい気持ちではちきれそう
あなたの詩は泣いていて
文字をなぞれば指が濡れ
ゆき場の無い塩水が光っ ....
懐かしいという言葉を話すと
鼻の奥がツンとくる。

春はまだ来ないが、
冷たい風が吹いている。

君と二人、風に乗って行けるものなら、
君の生まれ故郷のこけし橋の欄干に行きたい。

 ....
目立たぬようにまとわりついてきたあなたたち
こんばんは
眠れないので話そうか

寝返りを打つたびに首の汗を拭う
空腹
泳ぎくたびれた金魚
月の無い窓際
控えめな秋の羽
消えゆく蝉 ....
多摩の春は立ち
梅の便り
雪の予報
氷のうさぎをせがむこども
声は眠らず
温もる床を抜け出る
もう未明なのに
待ちわびている

あなたが呼吸を恐れ
感じすぎるのだと胸を震わせる
 ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
空に向かって伸びてる道を
僕は一所懸命歩いていた。
歩いて歩いて歩いて歩いた
いつか空に着くもの
と信じて。

歩いて歩いて歩いて歩いたが
空は全然近よってこない。
そればかりか
空 ....
君が左腕を僕に差し出す。

痒いの、掻いて

君は右手が使えない

痒いのだが右手で掻けない

僕は指を立て君の左腕を掻く

とっても白い左腕を指で掻く

掻いている間中

 ....
渡 ひろこさんの自由詩おすすめリスト(2684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
たそがれどき- ……とあ ...自由詩6*15-8-17
音楽によって- ……とあ ...自由詩5*15-7-28
長椅子- ……とあ ...自由詩10*15-7-14
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
地下鉄に乗って- ……とあ ...自由詩8+*15-6-17
- ……とあ ...自由詩6*15-6-8
平成27年5月13日早朝- ……とあ ...自由詩16*15-5-25
物化- ……とあ ...自由詩16*15-5-14
あなたに終わらない五月を- たちばな ...自由詩30*15-5-11
ぶがじゃが- ……とあ ...自由詩5*15-5-8
筑波歌垣- ……とあ ...自由詩6*15-4-27
狐夫婦- ……とあ ...自由詩11*15-4-21
自称詩人- ……とあ ...自由詩9*15-4-13
桜並木の下で- ……とあ ...自由詩6*15-3-30
面食い- ……とあ ...自由詩7*15-3-25
幼虫- ……とあ ...自由詩9*15-3-11
晩秋から- ……とあ ...自由詩7*15-3-9
冤罪(えんざい)- ……とあ ...自由詩7*15-3-3
日常- ……とあ ...自由詩8*15-3-2
見栄張る- ……とあ ...自由詩5*15-2-26
朝の改札- たちばな ...自由詩5*15-2-23
チャーリー- ……とあ ...自由詩5*15-2-20
猫砂- ……とあ ...自由詩11*15-2-17
お日様の詩- たちばな ...自由詩12*15-2-17
思い出- ……とあ ...自由詩11*15-2-15
残暑- たちばな ...自由詩615-2-13
黎明- たちばな ...自由詩8*15-2-13
年をとるといろいろ- ……とあ ...自由詩13*15-2-5
道のさき- ……とあ ...自由詩8*15-2-3
カイカイカイカイ- ……とあ ...自由詩11*15-1-29

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