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私は壊れた人形
誰に思われるでもなく
忘れられて箱に仕舞われた
確か主人が名前をくれた筈
だけど思い出せない
螺子がくらくらと緩んでゆく
元々欠品だった私を
主人はそれでも構わな ....
安っぽいイルミネーションに彩られた
クリスマス・イヴの東京の街角
元・恋人に貰ったiPodから
アクセル・ローズの悲痛なシャウト
全てはもはや記号に成り果て
ウォーホルもレノンもコバーン ....
{画像=071224181905.jpg}
日が暮れる前の12月の空が好きだ。
藍色が地平から薄くなって行く。
夜に成るともっと濃くなる色がこの時だけ
....
この快晴烈風に
栗毛の駿馬の体が発している
いななきと情気した 赤い汗
馬が飼われている
隣の部屋では
いつも朝日が細く差し込んでいる
扉を開ければ
広い原野は俺のものだから ....
幸せが側に来ると
男は
おびえて
目を背けた
いままで
幸せなどというものを
見たことのなかった
男の目に
それは
あまりに
まぶしすぎた
男が
幸せから
目をそらし ....
何がプレミアムなのかも分からずに
モルツを口に運びます
くだらない形容詞が世の中に溢れて
肝心なことが言えずに今日も終わる
たった五文字の言葉の中にも
行間が絶え間なく滑り込んで
最後 ....
地球の民が
原子力を利用し
人工衛星を宇宙に放ってから
ガイアは自由交易・解放地帯
人に神・仏の残滓を感じさせ
愛や慈悲を発露する存在が増えている
宗教感情が盛り上がり
人の生き ....
ふたりで仲良くはしゃぎながら
飾り付けなんかして
これが幸せなのかなと思ってみたりした
去年のクリスマスナイト
今年も飾ってみようと
押し入れの奥から引っ張り出してはみたけれど
背高の ....
どうか どうか 僕の首を絞めて
殺してやって 下さい
優しく ではなく
力いっぱい
憎しみ を込めて
そうです そうです
意識 ゆっくり白に侵食
右から左 左から右へ
音はどこか ....
黒いいばらの棘が締め付けるたびに
長い睫毛が綺麗な夜空を覆い
しずくがきらめいた
その場所は苦痛を伴うのでしょうか
誰もが眠りにつき
訪れるもののいないいばらの国
陶器のような白い ....
クリスマスローズは薔薇じゃない
電飾まみれの、トウカエデが、
アオ、とミドリに照らされた、
噴水の、プールにも、映る。
ラッパを吹く天使たち、と、幼く
小さなトナカイたち、 ....
花の名前をひとつ忘れる
波の音が庭を巡る
部屋の空をひとつ名付ける
花が花をなぞる
目を閉じ 聴いている
指先へ指先を唱うかたち
羽の輪を呑み
誰もいない明る ....
停止線を越えたぼくの感情のかたまりが
きみの言葉で編まれたハンモックに絡め取られた
ぼくが自分の臆病さを知る頃にはすでに
第二の呟きが世界の水面に波紋を描く
....
雑踏で喫煙をしていると
衛生的な感じの服を着て
酸素マスクを付けた人たちが
群れを成してやって来て
あなたはどうして煙草を吸うのか
と言う
くちごもっていると
健康の為に今すぐにやめ ....
真冬に尖っている
(栄養摂りすぎちゃった)
真夜中に尖っている
無数の電線を切り裂いた
自動販売機の釣銭を漁った
真夜中に尖っている
....
最初は綿ぼこりかと思った
小さな白い塊が
ふわふわと目の前に浮かんでいた
疲れた目の錯覚と決めつけてはみたが
白い塊はその数を増し
やがて
小雪でも降り始めたかのように
凍えた集会室 ....
聴こえるかい? プーチン、
/////(ノイズ)。
私は詩人たちの口をとおして
今も尚、歴史を変えることが出来る・・・・
ウラジーミルは一九二四年一月二十一日に死んだ、
旧い日 ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
{引用=クリスマススター
どうかあの子を助けて
クリスマススター
炎ですべてを燃やして
クリスマススター
クリスマススター
この聖なる夜に 神様!}
雪の降る寒い夜
あの子は裸足で ....
ましろい壁に伏せた顔を
100数えて振り向くと
そこは360°静まり返った
今日という日の地平だった
いつのまにか鬼になっていたぼくは
今から探さなきゃならない
閉ざさ ....
それは光のなかに
夕暮れどきの街灯にある
一〇〇円ライターの炎のなかに
乱反射する水面にある
やさしい気持ちが消えないように
祈り続ける心の奥に
....
{引用=私は失敗の多い女の子じゃない。}
生々しく映えている淡い光の中でみっともなくすがりつく、皮膚のたるみなんかでもない。
大きな椅子の中で眠りについて教えてアリス。
時間はまだ探せないの?
....
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡
指 は
震 えて
チェックメイト
後ろ指
指さない ....
亡き人を偲び
酒の机を囲むと何故か
予想外におまけな
一本のビールや
皆の和に
入りたそうな誰かの為に
余分なグラスが運ばれる
皿に盛られたつまみはどれも
....
わんと鳴いたから
「ぼち」
わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする
とげぬき地蔵じゃないんだってば
雪が降って ....
{ルビ霞=かすみ}のかかる朝
交差点を横切る車の窓に
雲間から射す
日が光った
( 冬の澄んだ路上に浮かぶ
( かたまった光の残照
次の瞬間
「通りゃんせ」の唄は流 ....
この管理社会に狂気を携えて
部長の頭をかち割るぜ
この管理社会に狂気は正気
いじめる奴は股裂きだ
不条理 矛盾 渦巻いて
叫びにならぬ 嗚咽 飲み込む
今日も晴れ
元気ににこにこ ....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
こどもたちが
口を真っ赤にしながら
園庭であそんでいる
誰かをつかまえ
気に食わなければ噛みつくために
こどもたちは
細い睫毛にひとつずつ
金銀の王冠をつけており
その毛並みは ....
三日に一度は
インスタント食品レトルト食品
ベッドに広げられたシーツの皺のように
時間は寄せ集められるから
僕は読み止しの本を手に取る
気の利いた中国製の服が
安価で手に入るから
....
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