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君の季節
君の季節
君の季節がやってきた
君色に吹く風は
あの頃のいさかいとはまったく違って
とても優しくて
だから余計に寂しい

君と一緒にいた頃より
君と別れてからの方が
君を ....
世界は認識の中にある
平面に沿ったGのみの世界
天井が眼下に
床が頭上に
滑り落ちながら
眼下に床が
離れた鉄棒の上から
回転しながら上昇し
そのまま落下する
視点から眺める部屋 ....
ところで
我々は何をすべきなのか
なぜ図書館が涙を流しているのか
うまい奴はたくさんいたが
非の打ち所が頭には入ってこない。
などと奇妙な唇が呟く。

さては
眼前の靄を凝視する
な ....
ゆうちゃんは無口な転校生だった

四年生の春に
ぼくのクラスにやってきた
ゆうちゃんと、ぼくは
なぜか気があって放課後はいつも一緒にあそんだ

がっこうは友だちできへんからきらいや。
 ....
やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと ....
哀愁のコートを纏い

感傷の中を走り抜けて

憂鬱の煙を吸い

恍惚のため息を吐き


嘲りのヒールを鳴らすと

マゾヒックな水溜りが弾けた




煩わし ....
他の女の子よりも、
三千円高い女を呼んでみた
出勤表から消えていたので、
てっきりキャンセルだと思って、
他の女の子を写真であたっていたら、
ふつうに22時過ぎに行きますということだった ....


抜けるような
青いうしろめたさを



ぽっかり浮かんだ
白い嘘でなぞって



可憐な
ピンクのあてどなさを



みずみずしい
緑のお節介が抱き ....
育てる
花を育てる

愛しい我が子を抱くように

育てる
花を育てる

我が子の明日を夢見るように




よく見かけるひと

花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
午後の大きな顔が公道の真ん中を通ってずんずんこちらに迫ってくる。何の躊躇も無いその目の色は鳶色だ。逃げ出すことも無く同じ方向に歩きだす。その顔は側面から夕日を受け端正な顔が陰を作って歪み出した。夕日は .... この地球を彫り上げる彫刻家と
話をする機会があった

「初めまして。僕は日の光のように形を持たないのですが、日の光のように、物の形を影として作り上げます。ですが僕が作り上げるのは影です。影は光を ....
俺の意味は着走している
何度もフライングし、審議に掛けられる
目線はゴムのような地面を貫通し、聖者の
夜と乏しき月夜の夜の雪崩、吸着し、
太ももは痙攣し、就きに出る、栄者の
儚き焦燥未来。唾 ....
つき立てたスプーンは
さながら銀嶺

氷寒は、あまい
あまくて
ぬくい


だれかの失くした王冠と
つとめてしずかな
舌鼓


ありふれた脱ぎ捨て方で
癒しのすべが
 ....
{画像=111016151903.jpg}



迷ってばかりではないんだよ
ゆっくり歩いて来たんだ

途中に声を掛けてくる者もいたけど
脇目も振らず歩いて来たよ

 ....
宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
両親の法事にも出ず/確定申告
何ができる/何もできない
電車は相変わらず/余震の陰に沈んでいる。
空は青空/心は鈍色
地震は嫌いだ/自信家はもっと嫌いだ
安全が第1/完全が第1
落ち着かな ....
かり かりらん からん
鉦の響きが行列を先導する

満ちていく途中の
なまめいて誇らしげな月の下


馬の背には選ばれた幼子
金襴にくるまれて
視線を集める戸惑いを隠せず ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさ ....
雨が静かに降っている。
この悲しみを流せるか
悲しみすべて流せるか

雨がしとしと降っている。
この嘆きを流せるか
嘆きをすべて流せるか

雨がひたひた降っている
この苦しみを流せる ....
{画像=111010205059.jpg}

 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
旅ってなんだろう

帰るところあっての旅なんだろうけど

住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく

そんな旅路もあるような気がする




 ....
希望の楡の大樹の根元
絶望の日溜まりの中で
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

柔らかな秋の陽射しの中
ゴツゴツとした大樹の根元にしゃがみ込み
君は何を想い
溜息を吐いているのだ
 ....
冷たい雨粒が
傘をノックする
居留守をつかう僕を
執拗にノックし続ける

開けてはいけない
部屋を覗かせてはいけない

開けたら最後
あいつはズカズカと
上がり込んできて
胸 ....
{画像=111007000549.jpg}


窓ガラスに映る大空は青く
青いパネルの上に白い雲が貼り付いていた
冷たい空気が流れ
机や椅子は緊張している
床の上には煤がざらつき
チョ ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
  そんな老朽化した家屋の
  偲ぶ場所
  なんて
  もうこの世の
  どこにもなくっていい
  壊れてしまってもかまいはしない

  ぼくの
  わたしの
  想い ....
 「上を向いて歩く−はてどこかで聴いたような」

風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
 ....
私、光なんですって。
文字が書かれたチノパンに、光がそそぎ
海の向こう側の浮島が、深く染まる
写真。
私、少し泣いてしまったのです。
悲しみの遺伝子
控えめな微笑み
フレームの外がわ ....
あきらめてみる

たとえばわたしでいることをあきらめてみる

すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか

なんだかふぅっと身軽になれて

お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
十月の午後の坂道は
陽が傾くほど急になる

呆気なく転がり落ちていく
未消化の棚牡丹と
未開封の地団駄

十月の坂道の午後は
追い縋るほど暗くなる

勝手に暮れなずむ
未完の ....
渡 ひろこさんの自由詩おすすめリスト(2684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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