すべてのおすすめ
風邪をひくと
風邪の気持ちがわかる
希望がないのだ
夢を見ることはできても
悪夢ばかり
風邪は子供
もう会えない人が
夢の中にいる
もう会えないとわかってるのに
また ....
子犬が母犬にじゃれる様子が
かわいいというあなたをみる私
あなたという母親を見る娘の目で
あなたが私を生んだことは確かですが
私は私の意志で生まれたんですと
いう機会はない
あなた ....
白い波間に 漂ひながら
をいをい泣くのは どこの子か
紅い波間に 繋がれながら
こいこい招くは たれがため
揺らぐ 夜空の片隅に
この世の黒を残さぬよう
明き月はまだ消えぬまま ....
サラみたいにさ
ピアノでロックを歌いたいと、思っていたから
キーボードを買った
トランクに積んで、運転席からメロディーを紡ぐ
音楽を思うと、ときどきからだが、高校時代に浸される
私立校の ....
痩せて行く月を眺めながら
君はにこやかな笑みを魅せ
二人っきりの時間はそんなに無いはずなのに
黒猫は二人の間を取り持つように
しっぽを足に絡み付け媚を売り
君はそれににこやかな顔で応 ....
海へと向かう
風になりたかった
誰にも
心地よい匂いで
なんにも傷つけずに
透き通る
そんな
自由に
なりたかった
けれど
夕暮れどきの
風はいつも冷たくて
帰 ....
橙に染まることはあっても
緋の季節は 彼方へと去り
空はただ 紺のトーンへと落ちていく
ロイヤルコペンハーゲンブルーに暮れる今日は
やがて三日月の窓の明かりを際立たせる
....
もっと簡単にあなたを愛したい
複雑な手続きなど経ることなく
もっと簡単に
もっと簡略に
僕は僕の皮膚を越えて
外に出て行くことはできない
僕から出て行くのは言葉
それは様 ....
午前一時七分
ごらん
粉雪が降っているよ
まるで天使の羽が舞っているように
今は
僕らだけの窓辺
君と一緒に過ごしたクリスマス
最初の告白
....
指紋を眺めると、そこに宇宙があった。切
株を覗くと、そこに宇宙があった。時計を
見上げれば、秒針の音が絶えず響いていた。
日常の風に紛れていつも周囲に渦巻いてい
る、それぞれの宇宙。肩を ....
{引用=
この胸に住まうミノタウロスは
私が死んでも幾等も嘆きはしないだろう
あれの愛した竪琴を
私が壊して極寒のヘブルス河へ捨てたから
あれは今も代わる竪琴を探しているのだ
だから私は死 ....
なんとなく
繰り返されていく今を
なるべく続けられるように
わたしたちは願い
歌うことさえした
歌うことよりも
大切な今があると知った
わたしたちは押し黙り
声を失いさ ....
(貴女は、だんだん、眠くなる。)
欲望はいつも、最後に瞳孔をひらかせる。
深く閉ざされた眼をもつ者の数だけ、暗い夜の、虹をみる。
荒野を疾走する犬の群れ。
....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
疲れてきたのかな?
女子マラソン観てたあの人がつぶやいた
どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った
背後に見えるのは何なんだろう ....
ちいさな声
まちがいでなく
そんな
気がしたのです
さくらの木の下で、
ぽつんと
咲きほころんだ
黄色いクロッカスの花に、
そこだけ、せっかちな春がやってきていました
“Ye ....
汚いワンルームのアパートに逼塞する
筋金入りのジャンキーで
しかもアル中
詩を書く痙攣性のケルアック
自己嫌悪を嫌悪する C31
シャワールームのパイプは錆びていて
壁はそこ、ここ ....
「大事なのは、ギアがガチッ!と切り替わる、あの瞬間」
暗い真夜中の道路、車を走らせていく、
今夜は寝ないかもしれない
光る猫の目のように黄色いヘッドライト、
センターライン追いかけ ....
{引用=
とがった影は、みすてられ
切り取る冬の陽を証明する
見上げる円錐のモミの木から
どこまでも つらぬくように
まっすぐに伸びた
疑うこともせず、迷いもせずに
影を作り出し ....
春の兆しであたためてあげるよ
川沿いにみなぎるさくらの木々たち
さくらの紅のような ほんのりとした色づきで
水のあるところには命が溢れるんだ
溺れてもいいよ
溺れてもいいよ
わたし ....
おもいで
10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって
コンクリートだらけの街並みはいつも ....
お嬢さん、ハンカチ落としませんでしたか
なんか懐かしいよね
それから腕時計しているくせに
いま何時?とちゃっかり左手首隠しつつ尋ねてみれば
そうねだいだいね♪
あの頃のあなた ....
豊洲から有明へ
ゆりかもめ沿いに
豊洲駅を東へ歩く
すぐに現れるガス資料館を抜けると
広大な空き地が広がる
新開地とはこんな
空っぽの場所を指すのだろうか
遠景は遠すぎるが故 ....
連続するシグナルが流れ込み
激しく流れ込み
とりとめのない水圧に
胸を押される
匂いのない夕暮れが満ち
眼球の裏側に満ち
屹立する剥製のように
赤光を反射させる
{引用=
僕 ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ
古びた床へと無数の疵を残して
錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
凍える戒厳令下の冬。
圧倒的な武力によって民を統治する狂信者が叫ぶ、
人民に必要なのは日常的な流血と惨事である
もはやパンの配給や馬鹿げた奇跡の捏造などではない
果てしなくつづく粛清 ....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる
ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由
どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
{引用=
白く、鉄塔が、明け方の空に溶けこむ。昨日からの読みかけのページをめくるように、朝は、なめらかにわたしに降る。ここから失われたものなど、ひとつもないかのように、無音のまま、満ちていく。水を ....
{引用=
{ルビ錘=おもり}によって、わたしの外側の水位は上昇し、その先のどこにもふちはなく、溢れることができないままの記憶を、てのひらですくっては、こぼして、すくっては、こぼす、そうやって衰 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ
夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを
縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
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