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春の雨が
細く断続的に降る
風が吹いて
竹の葉が軽い音をたててはじく
雨の音は
こまやかに落ちる
しまい込んでいた
奥底の溝に

いつの間にか濡れる
銀色の針のようなしたたかな ....
あなたから教わったことが
いまでもわたしをたすけてくれる
そんなあなたは魅力的であると言ってもよくて
いまでもわたしは
あなたへの愛を感じているのに
会えないんだ
障害はなくて
順調に進 ....
コカ・コーラの瓶ボトルを
一日一本並べていく
コカ・コーラは好きじゃない
だから中身は飲まないまま
飾っていけてちょうどいい

たまには飲む日もあって
少し飲んだもの
半 ....
川面に浮かべた林檎を手にすくい
また沈めながら
「きれいだ」
「きれいだ」
それだけを呟いて
繰り返し林檎を見つめるあなたは
この月の光と照らし出された波を
どう眺める ....
すなおな気分だったから
つづったことばはとても
おさなくてかんたんで
だれにも見せられないとおもった

むずかしいことばばかりを
ひとは求めていないのに

すなおになること
 ....
つよくドアを開けた
勢い込んで歩き出した私を
なまぬるい夜が迎えた

予告なんて
してくれやしない
自然も人も

昨日までの冬が
過ぎ去っていたのに
日中は太陽がいるから
冬も偽 ....
いつも電車の中から眺めていた
いちめんの菜の花畑
あこがれは日々つのって
あの黄色に身をうずめたい
私の何かが変わる予感がするから

電車は目的地まで
定めのままに運んでくれる
 ....
図書館の中に
戦場はひっそりと息をひそめていた
爆音も叫びも飛行機のエンジン音やプロペラ音も
溜息も束の間の笑顔も
音のない写真に詰め込まれていて
それらは見る者の脳に聞こえてくる ....
ねえお金をちょうだいよ
あのヴェルサスのワンピースが欲しいのよ
私をもっと綺麗に飾り立ててくれそうでしょう
ねえもっとお金が欲しいのよ
この肌を美しく保つためには
あの高価なコスメティックス ....
君は知性と権力を持っていて
だから私は君に惹かれたのかもしれない
実際私は君から知性を吸い取り権力を利用し
君を捨てて君から逃げた
あどけない私自身も置き去りにして

君がお金と美貌を持っ ....
はらだまさるさんの九谷夏紀さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
春の雨、森で- 九谷夏紀自由詩707-5-9
いつまでも- 九谷夏紀自由詩407-4-22
コカ・コーラ瓶ボトル- 九谷夏紀自由詩6*07-4-8
月のように川面のように- 九谷夏紀自由詩7*07-4-8
すなおなことば- 九谷夏紀未詩・独白307-3-26
春の闇に咲く- 九谷夏紀自由詩207-3-25
菜の花畑- 九谷夏紀自由詩907-3-17
音のない戦場- 九谷夏紀自由詩11*07-2-13
お金をちょうだい- 九谷夏紀自由詩5*07-2-4
かなしい境遇- 九谷夏紀自由詩507-2-4

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