2007/05/12
テレビの中にも
イースターエッグが飾られて
西欧の春のお祭りとして
楽しげに語られていて
季節の再生の喜びで
人々は笑顔ではち切れそ ....
五月の日差しが強くて
今日も真っ白なレースの日傘を差すの
傘の細い柄を ちょっと傾ければ
私は日傘の中に消える
すぐ横を通っても あなたは気づかない
別に あなたを気にしてるわけ ....
あなたが わたしを
過去のこととして
話すときがいつか
くるのかな。
だった・・・だった・・・だったって。
時間は無限に循環しているといいます。
じゃあ、この風はどこからきたの?
....
雨音は優しく
掌に溶けていく
頼りない指先を震わせながら
包み込む無機質を織っては
瞬間を紡いでいた
蒼が泣き
灯りの落ちたアスファルト
落ちた星星が還る頃
力なく映す街灯の柔 ....
窓際で
君の寝息を背中に聴きながら
どう仕様も無く渇いた空を
見つめていた
形にならない雲と
伏せ目がちな太陽と
遠く飛ぶ鳥がすっかりと
吸い込まれてしまうまで
いつか ....
ボクはナニから逃げてイルのか
足は思い通りに動かない
キモチだけが先を行く
あぁ
なぜボクはこんなにも遅いのか
あぁ
後ろからナニが追ってくるのか
いい子ねえ、って
大人からいつも
あたまをなでられていたから
ぼくはおおきくなれなかったんだ
と、いって
そらちゃんは笑う
海のみえるブランコが
そらちゃんのなき ....
ぼくをいじめないで
ぼくは消しゴムだから
えんぴつで書いたものを
消すために生まれてきたんだ
だから
ぼくに直接えんぴつで書くのはやめて
さらに
えんぴつは書くものであって
注射器 ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから
と
あの人は言った
ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか
思いとか信じるとかのことなの
そう尋 ....
クエストオ、クセ
クエストオ、クセ
その一語に秘められた想いは
天秤ばかりにかけられはしたが
もう片方にかけたものは一枚の爪でしかなかった
クエストオ、クセ
夜 ....
君のプールだったベビーバスは
金魚さんたちのお住まいになってしまった
泳げないね
これでは
今度君のプールを買ってこよう
しばらくがまんしてください
ファインダー越しに 麗しの笑顔
シャッターを切る 指先は まだ青い
かわいい少女 カメラの中に とりこむ
永遠の一瞬 フィルムに焼き付ける
あざやかなグラフティ 妖精のストーリー
....
レイン
あのとき足音にかき消され
君の言葉が聞こえなかった
雨が降る
自由が再び吸い込まれていく
星が湿度を復元する
束の間の動作
長旅を終え
地面に歪んでは消える ....
フロントガラスに映る
木漏れ日をなぞって
睡眠体勢をとる
外に出てしまうと
少し、汗ばむ陽気だけれど
一つ隔てた世界では
丁度良い感じだから
上昇気流に乗って
飛ばさ ....
自分を表現する時は
中の下で
誰かを表現する時は
中の上で
きっとそれで
世の中まるく収まりますよ
山鳥は、
語りえない
ゴム、しゃぼん
せかいは いとも
かんたんに
喧嘩する
きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
ぼんの せかいは 簡単に
....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
少女のころに作った 綺麗なビーズの首飾り
無垢だったあの日の記憶をたどり
ひとつひとつ 大事に
糸に通すように 言葉をつなげる
どの色のビーズにしようか
迷いながらも 真摯に選んで
こ ....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
嘘は夜につくといいよ
あの人がそう言った
特に夜が深ければ深いほど
真実が闇の中に入り
人間も影に身を潜めて
やがて「嘘」が「本当」になるんだって
今夜はまぶし ....
海に還る
手続きはいらない
横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する
やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる
心配するな
そのころには
陸な ....
貴方は優しくささやく
貴方の思いは岩をも砕く
傍にいて欲しくて
泣いた。
かわら煎餅を食べた
元気が出た。
貴方のお母さんの作ってくれた
おにぎりの味は忘れられない
重き荷を背 ....
このかた ふわり
ふわり
ほかっておいてもいいのにね
あのかた しゃらら
しゃら ら ら
ささやいてゆくので
ふわり
「ゆうれい列車」
ホームで下を向いていたので
うっかり
ゆうれい列車に乗り込んでしまった
しまった
向かい合った二列のゆうれいたちが
脚をそろえて腰掛けている
脚は途中か ....
晴れた空
僕は誓う
あなたを愛します
曇り空
僕は誓う
あなたを愛します
雨の空
僕は誓う
あなたを愛します
どんな空の日であれ
わざわざ誓わなくても
もうこの運命に ....
玄関の扉を開けると
君がいた
僕の姿に驚いて
まっすぐに電線へ
驚いたのは
僕の方だったというのに
さげずむような視線で
僕を見ていた
まるで僕が
劣った動物のようだ
そんなことは ....
ほんとうはね
「ほんとうはね」っていう言葉が嫌いなの
何だか嘘をついてたみたいじゃない
たしかにね
「ほんとうはね」って言う前に言ったこと
やっぱり嘘になっちゃうかもね
でもね ....
あの
光る目を盗んで
チョコレートを
口へと運ぶ
事実
今は授業中なのだけど
私は自分の
欲望に忠実なので
食べてしまう
生産者が
緑色の板に向かう間は
絶好の ....
空の青を一枚剥がしてみた
それでもまだ空は青かった
私は意地になってもう一枚剥がし
そして何枚も何枚も剥がした
そこには青い瞳をした少女がいて
私の嘘を全て映し出していた
....
ここはどこかとおもう
そしてすぐに
ここは大地だとおもった
風がふいて
雨がふって
鳥がないて
いきて
いる
奏でる というようなものではない
どこからともなく湧 ....
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