答えだけが
求められるから
今日は太陽が沈むでしょう
そのたびに
遠ざかっていくのです
飛鳥の石舞台は夕日に
廬山寺の桔梗は夕日に
やってくる未来を信じないにしても
....
キラキラキラ はじける光
これは涙ですか
叶わぬ恋が残したものは
夏の名残りと痛みだけ
サラサラサラ 気まぐれな風
あれは嘘ですか
ささやいた言葉が風を伝って
まだ耳元でこだまする
....
潮のせいでくちびるの端にこびりついた砂を噛む
違和感
そのついでに日記にも砂をかませる
八月はつめたい
指先で這った波の曲線は
私の中では体温を持たない
数 ....
夢現な朝露が
透明を保つ空気の中で
そっと
身体を震わせる、朝
細やかな振動は
私が眠ったままの揺りかごを
徐々に強く揺らして
目を開くことを
強要する
ああ、空に ....
この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい
この手が
いくつもいくつも ....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
(おしえて
そっとめをとじるだけでは
くらやみのうまれるまえになってしまうから
もうすこし おかおのみえるばしょで
やさしく すいこんでほしい
こどもだとおもっても
....
目の届かないところで 何度も僕は殺されていた
気づかないままでいられたら まだ歌を唄えただろう
誰が見るわけでもないのに 淡い紅の線を引いていた
覗き込む鏡もないのに どういうつもりでいるの ....
眠れない朝にあなたを思う
夜を通り抜けて
窓越しに出逢うあさやけは
そこはかとなくかなしい
あなたを抱きしめるだけの日々に
空で時を知ろうとしなかったから
この ....
私が見つめていたいのは
空だけであり
私が見つめられていたいのも
空だけである
その真実が
私から空を遠ざけている
今日と明日の夜の谷間に
微かだが
感じるあなたのため息
ソプラノ歌手よりも
こころに染みる
透き通ったそのひとの言葉
最上の音楽に聞こえる
胸のふくらみがさらに大きくなり
木管の寂 ....
かわりばえのない
窮屈な日常も
とりとめのない
退屈な会話も
それはそれで
何らかの意味があるんだと
そんなふうに思えたなら
自分が自分である事を
思い切って許してあげ ....
あの人のうたはいつも悲しみに満ちていて
僕のちっぽけな悲しみを一緒に包み込んでくれるんだ
あの人のうたはきっと全てが苦しみだけど
僕のちっぽけな苦しみをどこまでも引き連れてくれるんだ
....
知らないうちに
あなたを傷付けてしまいました。
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
わがままだけど、
最期まで知らなきゃよかった
でも
知ってしまいました。
で ....
べれいれん…だなんて
あのひとが新聞に目を落としたまま
ひとりごとを言ったような
ヴァンヘイレンがどうしたのだなんて
おまぬけな返事をしてしまった
わたし
べ平連
ベトナムに平和 ....
平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ
偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう
覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられ ....
さよなら
と言ったはずなのに
あなたは笑って許してくれた
ピンクの薔薇の花束と
なくしてしまった
パールのピアス
差しだすあなたの優しさが
ナイフのように
わたしを貫 ....
「さざなぐ海へ」
Runaku Masaki* Zakuroishi* Fujko*Rin Kazanagi
蒼低く岸辺に寄せる夜想曲(ノクターン)傷みをけして、染める ....
「赤い兵児帯」
Musako * Yui Hasuno * Runaku Masaki* kaz * Issey Azusa * Rin Kazanagi
夏祭り心そ ....
なんとなく
名前を忘れたら
気持ちが楽になった
苦しみもなくなって
痛みもなくなって
しがらみもなくなって
名無しも悪くない
まるで自由みたいだなって
思えたのは束の間
....
いのちは
大観衆に埋められた
ステージの上で
歌いたがっている
鳴り止まない拍手を浴びたくて
いのちは
気を失うほど
ビールをとことん
飲みたがっている
みんなを笑わせ
喜ばし ....
たにんのこころは
しりたがるのに
じぶんのこころは
みていなかった
ことに
きがついた
しゅんかん
まっしろにわれた
こころが
こういった
もう きらい
どう ....
最終的に行き着く先は
やはり 過去なのか
途切れた雲に重ねるパズル
欠けたピースがいじらしいほどに
巡回を滞らせた
転んで泣いて
起き上がって笑って
当たり前に出来ていたことが
鈍さを増していく
....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
去年会社を辞めた先輩
久しぶりに会ったら
夏みかんみたいだったのが
色白美人に大変身
何があったのかな
街中で呼び止められても
しばらく誰だか判らなくて
どなた様ですか
だなん ....
風になった
あなた
が さする
星の瞬きは
永遠という
はかなさを
楽譜に残し
美しいなんて
残酷な想い出
聞くことのない
あなたの調べは ....
女の子は、言いました。
「おそらがね、ないてるの」
青く、晴れ渡った日のことでした。
「かわいそうだから、えがおにしてあげるの」
得意げにクレパスを掲げて
リボンふり ....
何年ぶりだったろう
母のうでの中で眠っていた
幼いころに 暑がっては
アトピーの背中で いら立つわたしを
そうっと うちわで仰いで寝かせつける
記憶が 優しかった
起きたときに
とても
....
つきと金星のあいだに
カチャリと流れていったものが一瞬をすぎて
それは未来のような行方で
幸せとか苦しいとかというものと別次元
何もない世界のもとにある、わたし
すべての動作や感情を ....
あまりに授業がつまんないから
後ろの方の席で
寝たふりしていたんだ
そのうち授業も終わって
学級委員の相馬君が
「起立」って言って
みんなの立つ音が聞こえてきた
それでも ....
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