嫌になるときだってあるよ
そう言うと
友だちは笑顔でうなづく
さほど広く無い部屋に
ふたつ机を並べ
四十六時中
お互いの気配に触れ合って過ごす
それでも机と机を隔てる
背の低い ....
わたしたちも歳をとったね
幼い頃に持ってた可能性なんて大して活かせずに大人になっちゃった
だって昔から
泳ぐのは上手かったんだから
何が欲しい?
酸素と食べ物と寝る場所はもう当たり前 ....
なんだ
もう寝るのかと思ったのに
お水を飲みに行っただけ?
やっぱりいつも通り
10時まで遊ぶのかい?
季節に翻弄され
ここは何処なのだ
私は誰なのだ
遠い記憶に兄弟で遊んだ公園が浮かぶ
母は美人で私達の誇りで
父は何でも出来るスーパースターだった
母は毎日出かける前 ....
貴女の日傘になって 美しい肌を 紫外線から守りたい
白いワンピース 雲の欠片
痛い日射し 夏の空
ふわふわのワンピース 建物 ....
私の足は
君の友だち?
もう30分も
遊んでいるよ
通り過ぎた列車の
なごりの風が、引き連れる
潮のにおい
線路沿いにこの道をまっすぐ行けば
ほら、海が近づいてくる
そう言ってふたり、短い影を
踏み合いながら走った日
無人 ....
{引用=
【悪魔の証明】あくまのしょうめい
「ない」ことを証明するというだけのとても簡単で難しいこと}
空白く(あれ)僕がいるはずだった夏のブラジルゆきのひこうき
ビートルズゴ ....
バランスをなくした 積み木はまた崩れて
四方に散らばった欠片を 僕はゆっくりと拾い集める
カタカタと無言で 最初から積み直す僕に
ベッドの上から 時期はずれのミッキーマウスが声をかけた
....
押し寄せてくる人並みの中で
ただ一つの背中を探しています
三ヶ月前の雨が降った日
見失ったまま行方不明です
受話器越しのさようなら
それが最後に交わした言葉
自分だけ言いた ....
コーンに生まれてごめんなさいと、
すっかりポップになったトウモロコシが言うので、
何も謝ることはない。私は君がコーンに生まれて良かったと思っている。
いや良かったとすら思っていると伝えると、
....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる
雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
僕はいつも喋っている
同級生達が試験勉強している静かな教室で
もう受験諦めたんだ
勉強している前の同級生にしょっちゅう話しかけては
日本史演習用プリントの裏に詩を書いて見せている ....
始発の電車に乗り
網棚に鞄を置いて
クロスワードする
この本のは難しい
待ち受け画面に
彼女の写真見て
笑顔の練習する
自然と頬が緩む
喫茶店でコーヒー
革靴の汚れを拭く
....
実習中
「妊娠してます」
とは言えず
患者さんを
抱きマットへ移動
母泣かせ
父失望させ
私たちは親になる
春3月の風凍みて
結婚式
暗い顔の両親親戚
....
カノジョは抱きしめると林檎の匂いがして
ニュートンの空を見つめている
ちきゅう
と、くちびるが動いて
俺は抱きしめて
「おまえさんを中心に地球は まわってるな」と言うと
....
彼の耳は大きすぎた
そのため藪に入る度に傷ついた
彼の耳は柔らかすぎた
そのためよくないがしろにされた
彼の耳はよく聞こえすぎた
そのため聞くべきでないことまで聞こえた
彼は耳 ....
当時はもてはやされた
流行のデジタルカメラ
今では部屋の片隅で
勢いで買った専用のプリンタとともに
すっかり埃にかぶっている
電池も完全に切れている
プリンタに差し込まれたままの紙は
純 ....
『がんばって』
がんばってるよ
『しっかりしなさい』
やってるつもり
『考えが甘いんだ』
わかんないんだもん
『お前腹立つ』
ならほっとけよ
『逃げたい』
いいよ ....
ふと気がつけば
後ろ手の冬
雪の匂いも薄らいで
それとは知らず
陽をまとい
季節は
追い越せないものだとばかり
待ち続けてきたけれど
いつの間にやら
景色は流れて
....
僕の「大好き」は
「愛してる」よりも
「大好き」なんだよ!
もう少し、
もう少しだけ此処に居させて。
君の隣りに居させて。
この夜の体温を感じさせて。
もう少し、
もう少しだけ残酷に愛して。
残酷に夢を切り刻んでしまって。
手遅れになった私を ....
恋に落ちるって こんな気持ちだったっけ?
もしかして 初めての想い
カラダ全ての細胞が変わったようです
あいつと別れて 泣いた夜も
貴女との出逢いのためと 今は思える
何 ....
ああ。やっぱしね
唐組のエンディングって
こうじゃなくっちゃ
唐組第38回公演「透明人間」千秋楽
ぽっかりと開いた夜の闇に
石灯籠の怪しい灯火
唐さんのおはこだよね
花園神社でも鬼子母神 ....
甲羅のうしろを
かきかきすると
どうしてお尻を
ふりふりするの
気持ちが
いいのかわるいのか
君のことばが
わからない
人間の友人にもらった
亀がたヘチマスポンジ
並べてみたら
君とそっくり
このお友だちも
結構かたいね
お友だちは今夜から
お風呂の中で
暮らします
久しぶりのその声は やはり心なしか疲れていて
ごめんね と 零れ落ちた言葉に
君は苦笑する
久しぶりのその声は 相変わらず可笑しなコトしか口にしなくて
その優しさに思わず 言葉をなくして
....
踏まれても
風に吹かれても
雑草呼ばわりされても
一生懸命咲いてる
あぁ 強いね
僕は君みたいな花が
いちばん綺麗だと思うよ
ぼやけた日常の階段を昇る
朝日が眩しい
夕陽に涙が滲む
留まることを知らない月日に
忘れ物は山となる
積み重なる年月の重み
そうあってほしいと願う心は
時に裏切ら ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった
高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53