すべてのおすすめ
{ルビ一歩=いっぽ}踏み出せばどこまでも
この季節が続いてゆきそうな気さえする
はやるきもち
紫陽花とひまわりの{ルビ間=あいだ}
入道雲の{ルビ構成=つくり}
光のつぶ
....
まだ球根
ごめんなさい
誰にも迷惑かけてなくてよ
ほら見て
根も葉もない噂
大好きなんでしょ
血が出てる
ガソリンが欲しい
ちょうだい
もっと
ちょうだい
ほ ....
黒色の雪がヒラヒラ舞い落ちる
それに合わせてリズムをとるぼく
ブランコにのりながら遠くまで飛ばした
靴は雲の中に突き刺さり落ちてこないよ
ぼんやり光っている電灯に夜蝶が ....
ぼくは詩を書きたい
風は何も語らず
黙ったまま流れてゆくも
心に染み込み
流れてゆく
今日もまた
朝の散歩をしていると
黙ったままの風に出会いました
夏の朝に
どこか ....
夜更かししないで
朝に会いに行こう
僕が目覚めた{ルビ瞬間=とき}
朝が生まれる
木々の緑にも
ビルの谷間にも
光と共に
等しく降りそそぐ
寝ぼすけの誰かさんの
夢をくす ....
楽しかった時間が過ぎ
さようならの時間が訪れる
いつまでもこうしていたいと
切り無く思ってしまうけれど
やがてさようならの時間
僕等はさようならをしたけれど
嫌いだからじゃなくて
君 ....
手に入らないものしか欲しくない
ガラス窓を開いて
星を数えると指が濡れた
絹のシーツの上で
秘密の言葉を口移し
夜の一番深い時間に
初めての声色を使う
....
ぼくは詩人
必要なものは言葉になるも
言葉を超える心があるからこそ
必要なのである
今日もまた
夜の散歩をしていると
手紙に出会いました
あなたは人を悲しませ、
人から ....
両手の指と指の間から
音もなく零れ落ちた
赤い後悔
それらを また
両手で掬い上げようと
するのだけど
どうして
止め処なく 打ち寄せる嗚咽の波が
流れ落ちてまた僕は顔を歪めた
....
雨は 静かだ
落ち葉の曲線の下だけ
かわいてる
下ばかり向いてても いいことないよ
誰かが 云ってたけど・・・
わたしが 欲しかったのは
ともすれば 見落と ....
学校を卒業して
実家に戻った君から
普段と違う調子で
不意に電話が入る
ずいぶん遠い町に住む君と
昨夜同じ受話器から
おやすみと言ったばかりの僕は
醤油の有名な町で
働き暮らしていた
....
彼は今迄何度も転んで来た。
愛に{ルビ躓=つまず}き、夢に躓き、
恋人の前に躓き、友の前に躓き、
鏡に映る、自らの{ルビ滑稽=こっけい}な顔に躓き、
振り返れば、背後に伸びる
長い日 ....
詩は生きるよろこびをうたう
もちろん死をうたうこともある
生を語るに死を考えぬはずはないから
踏み出せない一歩を踏み出すため
渇かない涙を一時でも乾かすため
ときによろこびを高らかにうた ....
ぼくは詩を書きたい
いつもの空の空では
自分の疑問には答えてくれない
今日もまた
朝の散歩をしていると
いつもの空に出会いました
幼い頃よりも
空が小さく見えるのは
ど ....
初夏の雫を集めた、里芋の
透明な葉脈の裏側で
夏風の子が
小さな産声をあげる
まだ、うまく飛べない
棚田の{ルビ畦=あぜ}に沿って
緩やかな曲線を描くと
早苗に浮かぶ蛙が
水かきを ....
いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
戯れる森の雫が、
ひとびとの拍手のなかで、静かに横たわる。
あなたの流れる姿が、
森の節目に、厳かに薫り立つ。
標高をあげている森は、
巧みに感度を敷きつめて、
わずかに彩色を動かしな ....
どこまでも続いていた
白い砂浜と打ち寄せる波
柔らかい春の日差しと頬に触れた潮風
逃げるように訪れた街で
あなたをただ忘れたくて
海岸沿いのまっすぐな道を
すれ違う家族連れ
手を取り ....
光る
ざわめく
お前を
連れ出す
打たれる
二人で
稲妻
はぜる
当たるぜ
俺たち
そんな
ひどい
あたった
ためしが
ないのよ
宝くじ
....
ぼくは詩を書きたい
雨に打たれるも
風に吹かれるも
晴れた心には関係がない
今日もまた
朝の散歩をしていると
心の傘に出会いました
雨降る道の咲く花に
打たれて忍ぶ意地 ....
君の目線で私を見たい
一体、『私』は君の瞳にどう映っていたの
朝のおはよう
冗談に笑う声
細めた目元
私にはそれが
特別だと思っていたのに
西日とも言えな ....
ぼくは詩人
未来に憧れ原始に憧れ
現在を生きる
今日もまた
夜の散歩をしていると
原始に出会いました
街灯がない夜の道
そこは何億年も前の夜だった
葉の広がった草が ....
明日雨が降ったなら、
遠い海へ行きましょう
灰色に曇った空と濁った海が
空と海との境界線を掻き消して
きっと遠く遠くへ
わたしを連れて行ってくれるはずだから
魚類図鑑を開き
少年は魚になった自分を
想像する
エラ呼吸の仕方が
わからないので
いつも溺れてしまう
遺書は
鳥類図鑑に挟まれている
夏空の飛び方なら
誰よりも詳しく
知って ....
さびしくなったら
花咲く野辺へゆこう
ごらん
{ルビ凌霄花=のうぜんかつら}に蝶がぶらさがる
* 逢う魔が時 *
逢う魔が時に
夜が浸透してゆく
何も起こしてはならぬ
何も触れてはならぬ
何も感じてはならぬ
まなざし以外は
重ねてはならぬ
流されてはならぬ
逢 ....
気が付いたら 私は生まれていたので
思い出を海辺まで運んでは
昔の写真を見せられて それが私の
こども時代の姿だと言われても とても
私とは思えなくて
昨日の思い出しか食べる気になれず
海 ....
{ルビ異花=ことはな}の{ルビ雲夜=くもよ}にしんわりんと咲き
翼よ
きみはなぜ
はたたくのか
熱く青くはためくからだ
その空間を根幹となし
風の性霊を動力とするためか
花 ....
裸足で しるされた やはらかい 足跡に
さらさらと 波が 水を しみこませてゆく
その消滅の a・b・c(ア・ベ・セ)たちの
静かに 弾けあがってゆく モノフォニーの
....
泳ぎにいこう
真夜中の海へ
知ってしまったきみ
何年も
物心ついたころから
その肩に背負いつづけ
世界が広がれば
重みもひろがり
いつしか
道にうつぶせに
たおれて ....
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