すべてのおすすめ
蒼く枯れるまで傍にいて下さい
たなびく煙に ほそめるひとみは
可憐な強さを{ルビ匿=かくま}って
夜風に つめは うるおいながら
{ルビ狡猾=こうかつ}な よわさに長けてゆきます
そ ....
季節を感じるその朝は
高く射しこむ光を返し
満ち溢れるまぶしさに
心湧く世界を誘う
茎は陽の角度に合わせ
その高さは届くように
葉は大きく広げ
近くに住む虫たちに
憩いの場を与える ....
し と
くちびるに露をあて
朝の光を遅らせる
草の根元の幽かな揺れに
応える静かな笑みがある
雨の日
葉を持ち
あふれるうたの指揮をする
道のうた 流れに映るうた
....
恋はもう忘れました
涙はもう忘れました
夕暮れ 野辺にぽっちりと
紅く咲く花は火を燃したようで
その火に触れたら焼かれてしまう
心も指先も あの日の記憶もすべて
恋は忘れました
....
冷たい消毒槽は
三歩で渡ると決めていた
プールサイドの足跡が
しゅわしゅわと、夏にしみこむ
浅黒い肌の散らばる奥に
見え隠れする
白い朝顔
先生の御子だという
なるほど、鼻筋はそっ ....
お、そ、ら
もよん
もよん
{引用=
鳥は空を彫る彫刻刀
うつ ....
ワープ航法が確立され
テラから宇宙探検にこぞって飛び出し
地球歴16世紀に始まった大航海時代で
世界が縮まったように収縮を始めた宇宙
銀河建国2198年の今
宇宙旅行のトレンドも52 ....
わたしがサミーラと知り合ったのは
見知らぬ国への好奇心と
ちょっとした向学心
辞書を引き引き書いた拙い手紙を
赤と青の縁飾りも可愛い封筒に入れて
生まれてはじめての海外文通
切手一枚でつな ....
黒く闇に染まる硝子窓よ
僕の声を知らないか
風に押されゴトゴト音をたてる
個室の扉
僕の声を知らないか
あの娘の写真
外は風が呻いている
風よ 僕の声を知らないか
風よ
....
わたしは
夏を追いかけて
川辺に花火を見に来たはずなのに
自分を満たしに来た事に気づいた
{引用=
父は昔
子供と出かけるより
自分のお店で働く事に熱心だった。
うちの ....
夜空の星が一斉に僕に向かって
急降下してくる
星のシャワーを浴びながら
僕はひとりブリキの機関車の
おもちゃで遊んでいただけ
ひとりはなれていた
いやな ....
エオリアンハープの 響きと色が 乾いた
白砂の フィールドを 打ちひらいて いった
旗になってしまった 白いシャツを なびかせて
少年や 少女が まだ 薄 ....
腹に響くエイサーの
どごん どごん
飛び跳ねる常夏リズム
どどごん、かつ、かつ
手踊りが咲き
歯は白く輝き
乾いた{ルビ三線=さんしん}の{ルビ音=ね}が走り出す
空を切り裂く指 ....
どうせ歩くのなら
なるべく遠くまで歩いてゆきたい
みんなが知っているところよりも
知らないところを歩いてゆきたい
どうせ歩くのなら
なるべく遠くまで歩いてゆきたい
自分だけが知りたいと ....
女はいつも災いをもたらす
憂いを含んだ微笑みで
鏡に向かい髪を梳く
後ろ姿に見惚れてはいけない
鏡の中の女と
視線を合わせてはいけない
男はいつも災いをもたらす ....
四十二度
真夏の
山嶺をこえる日差し
積乱雲!積乱雲!
いつか焼かれるわたしは
真夏の
ひそかに揺れる
こかげの雑草
生きていくには
熱すぎる体温
....
草原の海に身体を沈め
その波音を聞きながら
清らな青空は
入道雲に右から左へと染められつつ
その上を鳥が大きな翼を広げ
背中で滑ってゆく
風は波音を強くし
潮の香りを濃くし
今の季 ....
ひたひたと打ち寄せる若い海が、
青い匂いに弄ばれて、言葉の果てで立ち尽くす、
夏に縛られながら。
波は立ち眩んで、一滴ごとに、ほころびる海の雫が
暑さに滲んでいく――。
散らばる熱が ....
影が私だ
夏
私はようやく
私になれる
薄曇りの中で
私は埋没する
私はへらへらと笑っている
気づかれないように
夏
私はくっきりとあらわれる
私が背伸びする
と
....
夜空に、ひしゃく星
くらやみは
すくわれることなく
すりぬける
あなたとわたし、
街灯りを遠くに眺めながら
水を打ったように静かな公園を歩いていると
一 ....
今日という日を大切に
誰かが決めたことを
何も考えずに過ごしてしまったら
あなたの一日は
誰かの一日になってしまうでしょう
今日という日を大切に
自分が決めたことを
何か考えて失うも ....
白いノートに綴られて
想いを馳せる言の葉に
緑の草も踊りだし
涼しい風が身を結ぶ
心は文字に改まり
文字は心と伝えあう
赤い夕陽に染められて
夢を奏でる音の葉に
青い小鳥も歌い ....
最後の煙草は 空に昇るまでおあずけだった
何千本と 香の煙を浴びてから
あなたをおじいちゃんと呼んだことはなくて
先生と
呼んでいた
社長で先生
おなかが出てる
父さんと釣りをしなが ....
待合室には
女の子を連れた母親と
少し離れたところに
人の良さそうなおばあさんが
座っていた
熱のせいでボゥッとなった私の目も耳も
何も見ようとも聞こうともしていなかった
「お子 ....
いつからあったのか
窓の外に雲が浮いている
今までぼくは
何をしてきたのだろう
今までぼくは
何を残してきたのだろう
人と同じことをしていたら
人と同じことしか残せない
あの人 ....
どうしても捨てられないものがある
幼い頃母に買って貰った運動靴
靴入れの奥に今も大切にしまってある
いつかあなたもシンデレラになるのかなと
七歳の誕生日に買ってくれた運動靴
そういえばこの季 ....
変わりいく季節は
・少年が林の中に消えていく・
の後ろ影
僕の中の水彩画は泥をつけられて
パステル絵具はいつからか泥まみれ
青空は僕に別れを告げる
変わり行く季節は
・黄土色の空が目 ....
そりゃあきれいでサラサラのボウズさ
プールからあがって
シャワーを浴びたばかりの
音も殺して近づくんだもの
それで顔にティッシュ乗っけて逃げてくから
なんともはや、
すごいでか ....
何もしていない君は
幸せを感じていますか
何もやろうとしない君は
楽しいですか
何かをしている時の方が
不幸だと感じますか
何かをしようとする時の方が
苦しいですか
何もしなけ ....
濡れている地面を
数を数えながら一歩ずつはじいていく
はじくたびに足の裏がわから波紋がでてくる
地上という大きなかがみの湖にどこまでもひろがっていくどこまでも
やるかやられるかみたいな ....
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