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淡い空に
洗いたての
真っ白な
服を干したら
羨ましくなりました
わけもなく
ただ
地球の純粋が
わたしに降り注ぐ優しさはどうして
こんなにも哀しいまでに鮮やかな花びら
灰色のわたしを埋め尽くすように
幾ひらも幾ひらも舞い降りる
紅い花びら
白い花びら
青い花びら ....
学校のテストで
満点を取った
その夜
お父さんに見せた
夕ご飯を食べながら
お父さんは
「もっとがんばれよ」
「宿題はやっとけよ」
と言ってくれただけだった
次の日の学校のテスト ....
いとしいあなたの指
夜風はやさしく撫でる
小船は浮く
あなたは帆になりゆく
街の明かりはまだ
眠らないで見てる
星は咲き乱れ ほら
あなたの髪に降り注ぐ
これからふたりでき ....
風たちの流れは
水のさなかにある
空の両手を
もうじき雨は
こぼれ落ちるから
だれもが海に
いだかれ
癒える
困惑のためのすべを
探していたのかも知れない ....
いとしめやかなアイボリィ
遥々と注がれし、名も知らぬひかり
廃墟に移ろう古代からの縲々たる遍歴に溶けいるようで―
風はどこから来たか
西か? 西は神の湿地、金属の焦げる病の、
東か? 東 ....
こたえ、という
ことばそのものは
とてもかよわいものです
だからといって
あきらめたりはせず
突きつけることもせず
こころは、そう
並んでいけたなら
じゅうぶんだと思います ....
あなたはいつも冷静で
あなたはいつも穏やかで
ケンカなんかは絶対しない
同じ土俵に立つことさえも
バカバカしいって笑ってる
それはとっても正しい事で
それはとっても素敵な事で
....
ひと足踏み入れば
彩る花弁の甘い香りが
しあわせの時を与えてくれる
いつの日も
六月の雨に濡れている足が
軽やかに茨を縫って進み
見え隠れする背中を追う
赤い薔薇、白い薔薇、あなたの ....
夏の交差点で
朝に出会ったのは
真っ赤なトマトと
黄色のトウモロコシだった
トマトはトウモロコシの甘い匂いに
胸がきゅんとなって
さらに赤くなった
夏の交差点で
昼に出会ったのは
....
僕は浜辺から海を見つめていた
人々は海で泳いだり波打ち際ではしゃいだり
楽しそうで眩しくて僕からはとても遠い
波の煌めきやしぶきが飛ぶ様をぼんやりと眺めていた
僕だけがここに取 ....
あの時と変わらない
今日の空に
ラムネ瓶をかざしてみたら
緑色にぼやけた小さな粒を見つけた
―
暑くて眠れない夜に
夜中電話をした窓越しで
僕ら同じ星を見てるんだ ....
換気扇が、軋んだ音を降らす。
両親たちが、長い臨床実験をへて、
飼い育てた文明という虫が、頭の芯を食い破るようで、
痛みにふるえる。
今夜も、汚れた手の切れ端を、掬ってきた、
うつろな眼で、 ....
肌の表面から熱を奪ってしまう
チリチリと焦げ付くような視線が恋しい
ストーカーは勘弁だけど
犯罪一歩手前の絡み付く視線は、どこ?
釣った魚に餌はやらないのが信条の男ばかりで
....
ヘンリー 私の膝の上でお眠り
窓辺に当たる雨の音を聞きながら
時々は 可愛い耳をぴくんとさせて
解った振りをしてくれれば いい
ひとり言を 話すから
....
銀色に輝く
紋白蝶の魔法の粉
きらきら
どれほど集めれば
自由に羽搏けるといふのでせうか
あをいそら
一枚二枚
母の髪を梳くやうに
幼い私
蝶の翅をもぎ取る ....
変わっていく君が怖くて
ボクは逃げた
置いてかれる僕が醜くて
キミは笑った
ぼくはね、何も変わらない
不自然な自然体
卒業、あれから
もうすぐ
はっぱがね 雨でぴてぴて おちてきて
どうろに ぺたり
はりついた
きをつけの しせいで伏せる はっぱたち
もう帰れん もう
親の木に
風吹いて とばされてても
おぼえてる おぼ ....
話せば長くなる
言わない方が良いと思う
嘘つくつもりはなかった。
知らない方が良い
あちらこちらへ
ふらふらふらり
渡り歩いてゆく
彷徨えるジプシー
尾を引かない
切れ味抜群 ....
プラットホームに無数に付けられた
チューインガムの黒点が
未熟な夏の気温を
幾分か下げている気さえして
ぎんいろの屋根に逃げ込む
そこから視界に飛び込む紫陽花の
無防備な一片は
まだ ....
夜がさらりと降りてくる
目覚めない
女の髪のような
さっきまで長く長く伸びていた影は
地面に溶けてしまった
あるく
あるく
よるのみちを
夜が満ちてゆく
そこここに
....
ひたむきだから
汗をかく
それは
おろかであるかも知れないけれど
ふしあわせの向こうが
しあわせであったり
するもので
虹は
しずかに消えてゆく
あおぞらがき ....
はじめての深呼吸は
君に会えない夜に
街灯にうかれた虫たちを
見上げる時の角度で
波を見上げる魚でもない
雲を抜き去る鳥でもない
手に入れた感情の
空虚な その熱さ
埋 ....
近頃やたらと
涙もろくなっちゃった
なんでかな
自宅で映画の予告編を眺めていても
気がつくと
ぽろぽろしている
自分に気付く
やっと梅雨入りしたんだってね
紫陽花は
お隣 ....
わたしは深海に漂う水の泡
孤独に苛まれ紺碧の檻の中
どこまでも寂しく漂うのみ
天から射し込む幽かな光に
引き寄せられて誘われて
虹色に輝きを変えても
決してどの色にも染まれ ....
この宇宙のどこかで 広がる景色は
どれだけの時間を 刻み込んでいるの
海の底に沈む 悲しい歴史は
変わらない気持ちを 物語っているの
真実の愛も 錆びついてしまえば
嘘に変わ ....
黒い塊が空を支配し
重たい空から大粒の雨が降る
木々の葉を叩き落すその雨の中で
青空を見つけた
晴れている日なら
青空は当たり前だけれど
今は
幸せを見つけたような気がする
い ....
祝いのメロディのなか
少し照れたおまえは
肩をすぼめて優しくゆれている
ななつのロウソクの灯を
遠く、近く
瞳に映して
{引用=
おまえの生まれたときを思い出すよ
(パパ、気絶しち ....
六月の湿度が肩に降りつもる
いつかの唇のように柔らかくあたたかく
黒髪にからみついた結晶
はじけて香る 夕立
銀色の坂の向こう
ちいさな教会の鐘の音がする
ふいに横切る上りの急行
....
積み木をバラ撒いたコンクリートジャングルには
ペ天使やダ天使を筆頭としたイロハ天使が
なぜか、ハムハム王子を創ろうと画策している
こどもはみんな
ハンカチ王子やハニカミ王子になるのに
....
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