ゆらゆら 水が揺れてます
私の赤い浴衣は 
ひらひら 水に浮かびます
私はこの店のお姫様
簡単には摑まりません

今日もきらきら泳ぎます

周りの小さな兵隊は
赤色黒色 ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る

窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい

滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで

雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
あれは忘れもしない
一年前の8月6日
仕事を終えて
家に帰ると
あなたは待っていた

フリルのお母さんエプロンを
ひらひらさせて

おかえりなさい
待ってたよ
ばんごはんの支度が ....
夜よ深まれ
闇はもっともっと深くまで
暗く、黒く

私の胸に小さな灯り
ゆるりとめぐる闇となり
深く、深く

包み込む暖かさや
優しさなどいらない
そんなものはいらない

ほし ....
朝顔の 浴衣着せられ すましても
{ルビ囃子=はやし}の誘いに 鳥のはばたき

色具合 綺麗じゃないかと なだめても
姉のお古に チョーさん唇

何故わかる 金魚の匂い ぐいぐいと
群れ ....
桃たべよ
じゅるじゅるであまあまの桃たべよ?

桃をたべるのは服がべったりと張り付いて、顔もむくんだ寝起きのころ
ちゃいろい床をぺとぺとと歩く午後

しゃらしゃらのうぶ毛
ちゅるちゅるの ....
絵葉書の端からおしゃべり零れ出す「暑中お見舞い申し上げます」



目標は銀河で泳ぐことだからヒマワリ君とは背比べしない



窓辺にて涼む巻貝ひとさじの碧い潮鳴りおみやげにした 
 ....
浴衣に片思いを忍ばせて
ぼうっと光る
夜店の明かりに吸い込まれていく

君は決して
私を待つ人でなく
私は決して
君を待ったりしないと決めていて

今思えば

それだけで
私た ....
何気なしに グラスに注いだサイダー

しゅわしゅわしゅわしゅわしゅわ・・・・・っ

甘い匂いを弾かせながら ぷくぷくと泡を出す

グラスを弾いた

ちりん

もう一度

ちりん ....
腹に響くエイサーの
どごん どごん
飛び跳ねる常夏リズム
どどごん、かつ、かつ

手踊りが咲き
歯は白く輝き
乾いた{ルビ三線=さんしん}の{ルビ音=ね}が走り出す

空を切り裂く指 ....
押入れの中で目覚めると
いつものように優しくなってる
手も足もおもいっきり伸ばして
指先の細かい部品までもが
思いやりに溢れている
感謝の言葉は誰に対しても
正確に発することができ ....
夜空に、ひしゃく星


 くらやみは
   すくわれることなく
     すりぬける


あなたとわたし、
街灯りを遠くに眺めながら
水を打ったように静かな公園を歩いていると
一 ....
次の風を待つ間に私は窓際に横顔を
貼り付けて猫背の時間を撫でていた

窓の遥か下にある小学校の校庭では
派手に盆踊りのテープが鳴っていて
けれどこの部屋には更に大きく響く

太鼓の賑やか ....
不思議な声で
鳥が鳴く
梅雨の終わりに

わたくしはその鳥の名前を知らない


ワールドカップの順位表で
トリニダード・トバゴという国の存在を
初めて知った

わたくしはその国の ....
青々と
広がる蓮葉には
明け方の雨の
ひとつぶ、ふたつぶ
みつぶ、よつぶが
それは見事な玉を作り
ころころと
風にゆれながら
まるで生まれたての
宝石のよう

真っすぐのびた
 ....
あなたが、水かさを増す

「では、また 」
と 言って
あなたが身を反らして
木立から、わたしから
離れていった
その刹那から

あなたが、視界でいっぱいになる

あなたが、
 ....
父は昔から
美しい曲線の虜で
現代において
正しく電波を飛ばす事に貢献している

パラボラアンテナの白を
見て大きくなった私は
電波はアンテナの大きさに
比例すると信じている

言 ....
月のようでもなかった私は
君にうすぼんやりとした影を
もたらしたり
することもなかった

輪郭を
持ちはじめた気持ち
境界を求めてはいけなかった
あいまいなまま

分針が何度、 ....
静かに流れる 時に身を任せ
風に揺れる ひなげしのように うたう
ひととき

背高のっぽの葉っぱの向こうに きこえる
はみんぐ

ま〜るくなって
日向ぼっこしてる きみの
となり ....
夜を嘗めたい気分
代わりに
ビールを飲み干して
なんだか
塩味が足りない

人間らしく
泳いだり炎天下
汗水をたらしたり
日射病になったりできないので
空想を
お披露目する

 ....
月がどこに出ているのかも
今日は満月なのかも
どうでもいいような暮らしも
それでよいのならいいのかもしれない

同感
同調
こころが向く
話に耳を傾ける
その人の世界を訪問する

 ....
彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った



わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
稜線の上は曇りの空
お月さまの赤ら顔
うつわに揺らぐ天の原をのぞむ

降らせて
賜う 夜空の星よ

降らせて
たもう 落ちてゆく
雨にもにせて
たしか
二年ぐらい
キスなんかしていないので
そろそろしてもいいかな
と思い
相手を募集したい
けれど
声に出して言うこともできず
しらふでは無理で
こっちも相手も
択ぶ権利はある ....
すぎていくものに吹かれて
川辺で季節におびえ
一掴みの名も知らぬ萱よりも
かほそくゆれ
ただ老いていくことに
腐っていくのでしょう

笹舟のように
未来にむかってちぎれていくものが
 ....
あの空の向こうに



届けたい言葉があったんだ



いつの間にか
忘れていたけれど
たくさん並べた小瓶でも
何故か赤い花ばかりが残った

初夏の風はゆるく
容易く記憶の鍵を解いてしまう
なだめすかすような優しさで

麦茶を半分だけ残して
閉じた瞼に 涙を挟んで留める
 ....
{引用=一、くじらヶ丘


 口に出してごらん
 うるおい、と
 その
 やわらかな響きは
 途方もなくひろい海の
 すみからすみまで
 満ち満ちてゆくようなものではない

 干 ....
たくさんの思考の間に挟まってくるもの

君が
私の知らない場面での
面白そうな企みを
どんなに楽しそうに喋っても
私はぜんぜん楽しめない

わかるかい?
逆の立場だったら
そう思う ....
空が欲しい・・・・って
ずっと想ってた
 

薄暗い部屋に
頑なに独りいる時も
 

さらに殻にこもって
傷ついた翼を
縫いつくろっている時も

 
空 空 空
歌うように ....
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