冷蔵庫のスイッチを切るとき
すこしくすぐったくて
おにいちゃんの足音を 耳に返していた
今日はきのうよりすずしくて
風が すけてゆくので 


きのうは
カクテルで酔った
ママの ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....
久しぶりに家に帰ったら
家が他人行儀な素振りを見せた。

玄関の扉は
「いらっしゃい」
と、言い掛けて
「おかえりなさい」
と言い、
ベッドは
「ごゆっくり」
と ....
えりちゃんのにおいがして
雨がすこしふった
きれいなえりちゃんはふきげんで
ようふくの襟を
ひんまげて

おとうさんはとかげを撫でて
まどを 
すこし開ける


えりちゃんの隣に ....
あなたがいなくなって
正直
ずいぶん楽になったなと
思います。

もう、泣いたりわめいたり
行かないでくれとすがったり
不条理にいらだったり
そんなことをしないで済む分
ずいぶん、楽 ....
春は きえた

ゆうだちの匂いがやわらかなあわになり
すこしずつ

あたしのつまさきと
乾きかけたしゃつに へばりついて


いもうとのうたうはなうた
おとなりからひびく いたりあ ....
{引用=かみなりさまの おとおりだい
そこのけ そこのけ おいらがとおる
くすぼった 心 雨なんか降らせないで

そら
ななめ 一直線に駆け巡って
そら
隅っこから 満面 真っ黒

 ....
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから

坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように

どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても

この哀しみは君 ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
ぼくにできることは
ほんのすこしのこと

だけどそのすこしが
ぼくやだれかをほんのすこし
うれしくさせられたらいいな


ぼくにみえるものは
ほんのすこしのもの

だけどそのすこ ....
坂の上から
風に乗った
花びらたちが
僕を吹き抜けた


それぞれが
小さく何かを
呟きながら

次の風へと
急いでいった



ほとんど
聞き取れない
花びら ....
あおいの野に吹く風を追いかけて
転ばぬ 先 へ

君は風になり するり 水面の音に
消ゆ

そばだて て
それだけを拾おうとして 風は

流る る
もういくつもの
ほどけた季節に熱を預けて
私はすっかり温くなってしまった

風を待つ鳥がベランダで
羽を休めるのを眺め
私は何も待ってなどいないことに気づく

世界を内を流れる温度 ....
私、カンガルーの赤ちゃん

ポケットから顔出して
冒険して 想像して
怖くなって引っ込む

ぬくぬくで安心で
うれしくて一回転
ドッタンバッタンしてから
上向いて
イタズラな顔をひ ....
雨の中でカラスは
ボロフスキーの創った
偽物みたいに固まっていた


まるでそこから
世界が固まってしまうんじゃないかと
心配になるくらいに



その横顔は
静かな怒りと ....
君の向こうに
何かを見つけた気がして
目があった瞬間
見失った
{引用=春のうららの ふあら ふわら

雪 かしら?
どこかしら 届く ぬくもり

ふあら ふわら

おひさまに 気づかれないように
かくれんぼ してた のに

みつかっちゃっ た ....
おばぁさま おばぁさま お花が咲いておりますの
のんのんさまの おひざもと
のんの のの花 咲いて おりますの

おそばに おられましょうか?
空から
ぽろぽろ
ぽろぽろ
きっと神さまが
天国で
消しゴムかけてるんだ
十七時の鐘の音は凍え
涙声にもよく似て

僕は此処に
居たたまれなくなる


そして
此処ではない場所へと
小走りで急ぎ出す僕の
おでこに

何も無い様にしか見えない宙に
飛 ....
くちぶえがきこえた

まだうまくはしれない
こいぬのよこで


のんびりはしれ
ってうたってた



くちぶえがきこえた

やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
古いエレベーターの揺れの中で
僕の細胞は{ルビ篩=ふるい}にかけられた


だけど残った物はどれもこれも
ロクでもない代物に見える


チンと扉が開いて
気は進まないが後ろから
押 ....
学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を ....
昨日隣街で
宇宙の人に話し掛けられた


こんにちは
と彼は言う

こんにちは
と僕も言う


どこから来たの
と彼は聞く

すぐ近くから
と僕は答える

僕もそ ....
狭すぎる僕の窓から
迷い込んできた無口な風は

しばらくの生温い沈黙の後
広すぎる空へと帰って行った


取り残されて僕の影は
等身大が掴めぬままに

踏み外しがちな
時の階段の ....
小さな小さな
記憶の粒たちが

まるで雪のように
目覚めたての
僕に降る


だけどそれは
とても暖かで

だけどそれは
確かに優しくて


「おかえりなさい」
と ....
路地を曲がると猫が居て
草をむしゃむしゃ食べていた

振り返る事三度目に
猫は小鳥になっていた

小鳥は小さく跳ねながら
水溜りの水を飲み
そのまま水に落ちてった


そ ....
かなしみがとことこ
ひとりでにあるきだして

どこかとおい
うみにかえると
いいな


いとしさがふわふわ
かってにとんでいって

いつかどこかの
きみにとまれば
いいな ....
夢を見たよ

まだ君も僕を嫌わず
まだ僕もお喋り好きで

君がどこから来たのか
知りたがっていた

僕らどこへ行こうか
話し合っていた


君はどうして鳥に
生まれなかったん ....
雲がゆく

大きな大きな
雲がゆく

仰向けの僕の上を

早く早く
流れてゆく


ああ
あれは

雨を降らせる
雲だろう

ほんの少し
瞼を閉じたら
その途端
 ....
日朗歩野さんのおすすめリスト(1042)
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