すべてのおすすめ
素足に若草
浅く緑の
木々は萌え
目眩するほどに
花曇りの日なら
なおのこと
生まれたてのそれらは
やわらかに躍る
耳に愛しい鳥の名を
春になるたび
あなたに訊ね
匂い淡しい ....
ほうらご覧よ
あんなに見事な
ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう
ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう
銀の鱗の魚に ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る
窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい
滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで
雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
青々と
広がる蓮葉には
明け方の雨の
ひとつぶ、ふたつぶ
みつぶ、よつぶが
それは見事な玉を作り
ころころと
風にゆれながら
まるで生まれたての
宝石のよう
真っすぐのびた
....
＊翔る＊
頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
｢おーい｣って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく
＊風＊
自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合 ....
雨を待つ君
明日を待つ私
並んで
風に揺れる午後
仏さまが
座っておられるのかと思っていましたら
なんともかわいらしい顔をした
花の精でした
